卵円孔開存
らんえんこうかいぞん
概要
卵円孔開存(らんえんこうかいぞん)は、右心房と左心房の壁(心房中隔)に開いている孔で、成人の2〜3割にみられます。通常は症状がなく問題となることはありませんが、まれにこの卵円孔開存が脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因となることが知られています。足などの静脈にできた血栓が、卵円孔を介して右心房から左心房に流れ、さらに動脈系に流れ出て、血栓が脳に行けば脳梗塞の原因となります。このような脳梗塞は、一般的に「奇異性脳塞栓(きいせいのうこうそく)」と呼ばれています。奇異性脳塞栓は、比較的若い人に多いことも特徴です。
2019年12月より日本において閉鎖栓デバイスを用いたカテーテルによる治療が可能となりました。日本ではすでに卵円孔開存閉鎖とほぼ同等の治療方法にあたる心房中隔欠損症に対するカテーテル治療が多く行われてきており、非常に良好な安全性が確認されています。
図 卵円孔開存閉鎖術
(Abbott社より許可を得て掲載)
さらに詳しく知りたい方へ
- KOMPASあたらしい医療
「脳梗塞予防に対する新しい心臓カテーテル治療 ~経カテーテル的卵円孔開存閉鎖術~」
文責:
循環器内科
最終更新日:2020年2月3日