SPECT(一般)
検査の原理
SPECT検査はごく微量の放射性物質(RI:ラジオアイソトープ)を含む薬を体内に投与して病気を診断する検査です。注射などにより体内に入った微量の放射性医薬品は、特定の臓器(骨や腫瘍など)に集まりそこから放射線(ガンマ線)を放出します。この放射線をガンマカメラと呼ばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にすることで診断に利用します。
図1:SPECT検査の原理
図2:SPECT検査装置
検査の目的
この検査の特徴は、臓器の『形態』の他に『働き』が分かることです。CT検査やMRI検査などは主に臓器の形の異常をとらえるのに対して、核医学検査は臓器の働き(機能)をとらえることができます。そのため他の検査では分かりにくい病気が見つかることもあります。検査時の苦痛も無く、副作用も非常に少ないため、多くの病気の診断に利用されています。
目的とする病気や臓器によって、いろいろな検査法があります。詳しくはそれぞれの項目をご覧ください。
放射線被曝
年齢・体重または検査種別により、放射線を受ける量は異なりますが、必要量の放射性医薬品しか投与しないため、一般的に核医学検査で使用する放射線量はごく微量です。1回の検査におよそ0.2~5ミリシーベルトの放射線を受けると言われています。単純な比較はできませんが、指標として人が通常生活していく上で、大地に含まれる天然の放射性物質からの放射線、宇宙からやってくる宇宙線など1年間に約2.4ミリシーベルトの放射線を受けています。このように放射線量も少なく、子供や乳幼児の検査としても多用されていますが、妊娠の可能性のある方や、授乳されている方は予約時にお申し出ください。
図3:SPECT検査と放射線被爆
文責:
放射線診断科
最終更新日:2016年2月5日