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ヘモクロマトーシス

へもくろまとーしす

概要・症状

ヘモクロマトーシスは、循環器内科の病気ではありませんが、体内における組織損傷を引き起こす過度の鉄の蓄積が特徴です。特に肝臓、膵臓、皮膚、心臓、関節、甲状腺、下垂体、精巣などの諸臓器に過剰に沈着し、症状を引き起こす病気です。肝硬変糖尿病、皮膚色素沈着の3主徴、さらに心不全を加えた4主徴のほかに、種々の内分泌障害(甲状腺、副甲状腺、下垂体の機能低下、性機能低下など)から性欲減退、陰毛や体毛の脱落、無月経、睾丸萎縮、また関節の腫脹や疼痛なども高頻度にみられるのが特徴で、原発性と続発性に分類されます。

原発性では、原因遺伝子の一部が明らかとなり、染色体第6番にあるHFE遺伝子が原因遺伝子として同定され、常染色体劣性遺伝をすることが知られています。他にも、原因遺伝子が報告されており、今後は、遺伝子診断により早期発見、早期治療が可能になると考えられています。ヘモクロマトーシスは、欧米では発症頻度が高いことが知られていますが、日本を含めたアジアではまれであるとされています。

続発性は、大量輸血、鉄剤・食事鉄の過剰摂取、再生不良性貧血、肝疾患により引き起こされることが知られています。

男女比は10:1程度で男性が多いとされ、女性の場合、月経、出産などにより鉄が失われやすいためと考えられています。

概要・症状

診断

検査では、血清鉄、血清フェリチン、総鉄結合能、トランスフェリン飽和率が増加し、特にフェリチンが上昇している場合が多いとされています。さらに肝生検による実質細胞への鉄沈着の証明、肝細胞への鉄含有量の測定が確定診断に用いられています。またCTMRIは臓器への鉄沈着を診断するために有用な検査であり、肝のCT値が増加し、MRIではT2強調画像での信号の減少がみられることが知られています。

治療

治療は、臓器に沈着した鉄を除去する治療と、鉄沈着により生じた臓器障害に対する対症療法とに分けられます。症状の多くが臓器に不可逆的な障害を与えた後に出現するので、進行を止めるための治療が主となります。鉄を除去する治療としては、瀉血療法(しゃけつりょうほう)が中心となります。可能な限り、毎週または2週間おきに500ml(250mgの鉄に相当)の瀉血を行うのが一般的です。心不全の強い例、貧血のある例では瀉血の代りに鉄キレート剤が投与されますが、効果は限定的であるとされています。心不全に対する対症療法に関しては、KOMPASの「心不全」をご参照ください。

文責: 循環器内科外部リンク
最終更新日:2023年9月5日

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