小児の内分泌の病気(低身長など)
小児の内分泌(ないぶんぴ)の病気とその種類
小児の内分泌の病気とは、ホルモンに関係した病気のことです。実は極めてたくさんの種類の病気が小児の内分泌の病気ということになります。ホルモンに関係した病気といっても「それって、何?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、以下のようなことをご心配の際に小児の内分泌の病気の可能性があります。
- 身長が低い、身長の伸びが悪い(低身長)
- 身長が高すぎる、身長の伸びが良すぎる(高身長)
- 思春期が早く来てしまった(まだ幼稚園、あるいは小学校低学年なのに胸がふくらんできた、陰毛が生えてしまった、初潮があった)
- 思春期がなかなか来ない(中学校高学年になっても胸がふくらんでこない、陰毛が生えてこない、初潮が来ない)
- 太りすぎかもしれない、肥満が気になる、急激に体重が増えた
- 検診で小児メタボリックシンドロームといわれた
- やせすぎかもしれない、急激に体重が減った
- 体毛が濃い、濃くなってしまった
- 首の前が腫れている、甲状腺が腫れている
- 学校検尿で尿糖陽性といわれた、糖尿病の疑いがあるといわれた
- たくさん水分をとる、排尿の回数が多い
- 夜尿が治らない
- 外性器の形がほかの子どもと異なる
- 陰茎が小さい、陰茎が小さいような気がする
- 精巣が陰嚢内にない
- 新生児マススクリーニングで再検査、あるいは精密検査が必要といわれた
- 繰り返し骨折する
「低身長」の子どもの中に、小児の内分泌の病気が隠れていることがあります
小児科内分泌代謝外来で比較的よく相談を受ける「低身長」について説明します。
身長が低い、あるいは身長の伸びが悪いことを「低身長」といいます。
子どもの身長には個性がありますので、身長の低い子もいれば、高い子もいます。したがって「低身長」自体が悪いわけではありません。しかし、「低身長」の子どもの中に、小児の内分泌の病気が隠れていることがあるのです。
お子さんの身長のことが心配になりましたら、まず「お子さんの身長の成長曲線」(下記に成長曲線のグラフがありますのでご利用ください)を書いてみましょう。まず、母子手帳や学校の健康手帳などの身長の記録を集めます。身長の成長曲線のグラフは男女別に作られています。横軸が年齢で縦軸が身長(cm)です。それぞれの年齢における身長の値を成長曲線のグラフの上に●で印をつけてください。これで「お子さんの身長の成長曲線」ができあがります。もしもお子さんの身長が以下のいずれかのときは「低身長」ですので、ご相談ください。
1)●が成長曲線のグラフに7本ある曲線の一番下の曲線を下回るとき
2)●が成長曲線のグラフの7本ある曲線の上のほうの曲線から下のほうの曲線に向かっているとき
逆に身長が成長曲線のグラフの7本ある曲線の一番上と一番下の間にあり、かつ、7本の曲線と平行して身長が伸びているときは心配ない、ということになります。
日本人女児の身長・体重の成長曲線(慶應義塾大学医学部小児科学教室作成)
上記は日本人女児の成長曲線のグラフです。上半分は身長のグラフで、下半分は体重のグラフです。低身長がご心配の方は「お子さんの身長の成長曲線」を書いてみましょう。
日本人男児の身長・体重の成長曲線(慶應義塾大学医学部小児科学教室作成)
上記は日本人男児の成長曲線のグラフです。上半分は身長のグラフで、下半分は体重のグラフです。低身長がご心配の方は「お子さんの身長の成長曲線」を書いてみましょう。
お子さんの低身長をご心配の方は、いつでもお気軽に慶應義塾大学病院小児科内分泌代謝外来にご相談ください。
さらに詳しく知りたい方へ
小児の糖尿病については以下のサイトをご覧ください。
日本小児内分泌学会
文責:
小児科
最終更新日:2024年2月29日