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生まれつきの皮膚症状(先天性の皮膚疾患)

うまれつきのひふしょうじょう(せんてんせいのひふしっかん)

概要

先天性の皮膚疾患について説明します。先天性の(生まれつきの)皮膚疾患の中には、生まれた時から症状のあるもの、幼児期・小児期に発症するものなど、さまざまなタイプがあります。その症状の分布も、全身の皮膚に症状がある場合から、皮膚の一部にだけ症状がある場合、皮膚の模様のようになっている場合、こすれるところ(脇の下や鼠蹊部など)に症状が出やすい場合、手足にだけ症状がある場合、などさまざまです。

症状

生まれつきの病気(いわゆる先天性疾患)は、遺伝子の変化が原因となって起こることがほとんどです。変化した遺伝子が、皮膚で大切な働きをしているものだと、皮膚に症状が現れます。代表的な先天性の皮膚疾患には、以下のようなものがあります。慶應義塾大学病院皮膚科では、これら全ての疾患について、遺伝子検査を含めた診断・治療・遺伝カウンセリングを行っています。

  • 魚鱗癬、角化異常症(皮膚がガサガサしたり、分厚かったり、皮がむけやすかったりする疾患)
  • 先天性水疱症(こすれるところに水疱ができやすい、または皮がめくれて「びらん」になりやすいといった症状がある疾患)
  • 掌蹠角化症(手の平や足の裏が、赤かったり、分厚かったり、固かったり、する疾患)
  • 色素異常症(色素に乏しい白皮症や、逆に色が濃かったり、まだらであったり、しま模様であったりする疾患)
  • 結合織疾患(皮膚が柔らかく伸びやすかったり、関節が反対向きに曲がったり、青あざができやすかったり、ぶつけると皮膚が裂けやすかったりする疾患)
  • 腫瘍性疾患(神経線維腫症や結節性硬化症など、皮膚にホクロやできものが多く現れる疾患)
  • モザイク疾患(しま模様であったり、ブロック状であったり、様々な分布で、皮膚の一部だけ、色が違う、分厚さが違うなどの症状がある疾患)
  • 早老症・色素性乾皮症(若くして、肌がガサガサになったり、シミやホクロがたくさん現れたりする疾患)

例えば、その遺伝子が全身の皮膚で大切な働きをしていると、全身の皮膚に症状が現れます。また、その遺伝子が身体の一部分(例えば手の平や足の裏、毛根など)でのみ大切な働きをしていると、その身体の一部分にのみ症状が現れます。原因が生まれつきのものであっても、症状が現れ始める時期は様々です。生まれた時から症状がある場合もありますし、生まれて数日経ってから、数週間経ってから、数年経ってから、小中学生になってから、症状が出現する場合もあります。

赤ちゃんが、最初、お母さんのお腹の中で、1個の細胞(受精卵)だったときから遺伝子の変化があった場合、全身の全ての細胞にその変化が受け継がれます。一方、赤ちゃんが、お母さんのお腹の中で育っている途中で、1個の細胞において突然変異が起こって遺伝子が変化した場合、その変化が起こった細胞から作られた一部分の皮膚にのみ症状が現れます(これをモザイクと呼びます)。

つまり、身体の一部分にだけ症状が現れるのは、1)全身に遺伝子の変化がある場合(しかし、その遺伝子が身体の一部分でしか大切な働きをしていないために、その部分でしか症状が現れない)と、2)症状が現れた部分にだけ遺伝子の変化がある場合(症状のない部分には遺伝子の変化がない)、の2つの場合があります。1)の場合は、左右対称に分布することが多いです。一方、2)の場合は、しま模様であったり、ブロック状であったり、点在したりと、様々な分布を取ります。

診断

これまでは、生まれつきの病気は、その臨床症状から診断がされてきました。しかし、めったにない珍しい病気だと、診断がつかないこともしばしばありました。現在では、様々な生まれつきの病気の原因となる遺伝子の変化がわかってきたため(先天性の皮膚疾患の原因となる遺伝子が500個以上、知られています)、遺伝子の変化を直接調べることで、診断をつけることが可能になってきました。

慶應義塾大学病院皮膚科では、生まれつきの皮膚症状を持つ患者さんに対して、遺伝子の変化を調べることで診断をつける試みを行っています。これまで症状から診断がつかず、遺伝子診断をしても原因がわからなかったような患者さんでも、皮膚疾患の原因となる遺伝子500個以上に変化がないか、500個以上の遺伝子を全て調べることで、原因を明らかにできる場合があります。また、以前に調べたが原因が分からなかった、という場合でも、現在の技術で調べ直すと原因が分かることがあります。さまざまな先天性の皮膚疾患(魚鱗癬、先天性水疱症、白皮症、色素異常症、掌蹠角化症、外胚葉異形成、レックリングハウゼン病、結節性硬化症などから、臨床症状だけでは全く診断のつかないものまで)に対応していますので、是非一度ご相談ください。

遺伝子の変化は、採血をして白血球から遺伝子を取り出して調べます。また、身体の一部分にだけ症状があるような場合は、診断のために皮膚の一部を麻酔して切除する検査(皮膚生検検査:バイオプシー)を行った時に、その皮膚の一部を用いて遺伝子検査をすることが必要になる場合もあります。
遺伝子検査を行い、きちんと診断をつけることによって、治療に結びつく場合もありますし、たとえ治療に結びつかなくても、将来何に気をつけて生活していけば良いか、定期的な検査は必要なのかどうか、など、予防的な取り組みにつながる場合もあります。また、次の子供が同じ病気を持って生まれてくる可能性はあるのかないのか、病気の子供からその子孫に同じ病気が遺伝する可能性はあるのか、など遺伝についての疑問に答えられるようになる場合もあります。正しい診断をつけることはとても重要です。

治療

多くの先天性の疾患では、まだ根本的な治療法がありません。しかし、最近の医療の進歩により、いくつかの疾患では、その症状を緩和したり、あるいは完全に症状を消してしまったりすることができるようになってきています。稀な疾患ですが、例えばCHILD症候群では、新しい外用薬により皮疹を大きく改善させることができるようになりました。医療は日進月歩ですので、これからも新しい治療法が次々と登場することを期待しています。

慶應義塾大学病院での取り組み

慶應義塾大学病院皮膚科では、様々な先天性の皮膚疾患について、遺伝子検査を含めた検査・診断・治療をおこなっています。まずは毎週午前の皮膚科初診外来外部リンクを受診ください。なお、臨床遺伝専門医の資格を持った皮膚科専門医(担当医:久保亮治)が毎週金曜日午前の皮膚科初診外来外部リンクを担当しています。初診の予約方法については病院ホームページ外部リンクをご覧ください。遺伝カウンセリングにも対応いたします。

文責: 皮膚科外部リンク
最終更新日:2016年8月30日

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