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ホーム > 病気を知る > 肝臓と胆嚢とすい臓の病気 > 十二指腸乳頭部腫瘍

十二指腸乳頭部腫瘍

じゅうにしちょうにゅうとうぶしゅよう

概要

十二指腸乳頭部は十二指腸の下行脚に位置する胆管と膵管の出口に相当する部分です(図1)。この乳頭部に生ずる腫瘍を十二指腸乳頭部腫瘍と呼び、がんになる前の乳頭部腺腫と乳頭部がんに大きく分類されます。

図1.十二指腸乳頭部(矢印)

図1.十二指腸乳頭部(矢印)

症状

十二指腸乳頭部腫瘍はほとんどが無症状のまま経過することが多く、健診の胃カメラなどで偶然発見される場合がほとんどです。腫瘍が大きくなってくると胆管や膵管を閉塞することがあり、黄疸や発熱、腹痛などといった症状がみられます。また、腫瘍が崩れて潰瘍ができたときには消化管出血や貧血をきたすことがあります。

診断

以下の検査により十二指腸乳頭部腫瘍の診断をします。

採血検査

肝胆道系酵素(AST/ALT/γGTP/ALP/ビリルビン)や膵酵素(アミラーゼ/リパーゼ/トリプシン)の上昇がないかを確認します。感染合併例では白血球や炎症反応の上昇をきたすこともあります。乳頭部がんの例では腫瘍マーカー(CEAやCA19-9など)が上昇することがあります。

画像検査

CT検査は十二指腸乳頭部付近の評価と転移の有無を調べる際に行います。MRI検査は磁気を利用した画像検査です。MRIでも十二指腸乳頭部の評価、転移の有無を調べます。また、MRCPという胆汁・膵液を強調した管腔撮影法により胆管と膵管の形状の評価もおこなうことができます。

内視鏡検査

  1. 十二指腸側視鏡検査
    カメラのレンズが横に位置している特殊な内視鏡です。胆道・膵管の処置に用いられており、乳頭部を正面に捉えることができ観察を行うのに最適です。内視鏡画像のみで腺腫かがんかの鑑別を全例で行うことは困難であり、生検により組織診断をおこないます。
  2. 超音波内視鏡検査
    内視鏡の先端に超音波プローブが取り付けてあり、十二指腸から超音波で胆管や膵管を観察します。通常の内視鏡では表面からしか腫瘍が観察できず進展度の評価はできませんが、超音波内視鏡検査では腫瘍の胆管や膵管への浸潤の有無を観察することができます。
  3. 内視鏡的逆行性膵胆管造影検査
    上述の十二指腸側視鏡を用いて胆管や膵管の中に細い管を挿入し造影剤を流すことで胆管や膵管の形状を評価する検査です。また、細い超音波プローブを挿入することで、内腔から胆管・膵管壁を観察し腫瘍の進展度を評価します。

治療

病気の進み具合などに応じて適切な治療方法を選択いたします。

内視鏡治療

以前は外科的治療のみでしたが、昨今では内視鏡技術・処置具の発達により内視鏡治療もおこなわれるようになってきています。膵管や胆管内に達していない腺腫または腺腫内がんが内視鏡治療のよい適応となります。十二指腸内視鏡を用いてスネアという針金を乳頭部にかけ切開波で焼きながら切除します(図2)。他の内視鏡治療と比較して、合併症が多い治療方法の一つです。出血・穿孔・膵炎・胆道感染など術中・術後偶発症に対して十分な知識と対応が必要なため限られた施設でのみおこなわれているのが現状です。内視鏡治療の前に施行医から十分な説明をさせていただきます。

図2.内視鏡による治療の手順

図2.内視鏡による治療の手順
1)乳頭腫瘍を確認。 2)腫瘍にスネアをかけて、腫瘍のまわりから締めあげる。3)十分スネアで絞めて血流を減らした後に、通電して一気に切除する。4)腫瘍をつかんで内視鏡を抜き、腫瘍を回収する。5)再度内視鏡を挿入し、出血に対する処置、胆管膵管に切開とステント挿入の処置をしてクリップで潰瘍部分を縫縮する。1週間後にステントを抜いて終了。

外科治療

遠隔転移がないものの、膵管や胆管にまで浸潤をしている十二指腸乳頭部がんや十二指腸腺腫が適応となります。幽門輪温存膵頭十二指腸切除術という十二指腸と膵臓の一部を切除する方法になります。膵臓がんに準じた治療となるため、切除範囲が広く、体への負担が大きい手術になります。

その一方で、早期がんや腺腫の段階で浸潤が深部に及んでいない場合は、比較的体への負担が少ない外科的乳頭切除術(縮小手術)が選択される場合もあります。

抗がん剤治療・保存的治療

遠隔転移があり根治術が困難な場合は抗がん剤治療や保存的治療の適応となります。また、黄疸がある場合は胆汁の通り道にステントを留置する内視鏡ドレナージや皮膚からチューブを入れて胆汁を排泄させる経皮経肝胆道ドレナージをおこないます。また、他のがん診療と同様に症状に応じて鎮痛剤や吐き気止めなどでがんによる症状を和らげる治療を行います。

慶應義塾大学病院での取り組み

内視鏡治療には特殊な技術や知識、設備が必要です。当院では早期の乳頭腫瘍に内視鏡的治療を積極的におこなっています。最新の内視鏡設備と十分トレーニングされた内視鏡医と経験豊富な外科医で密に連携を取っていることから、垣根なく必要な治療を選択し提供することが可能です。

文責: 消化器内科外部リンク
最終更新日:2016年6月3日

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