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多発性嚢胞腎

たはつせいのうほうじん

概要

腎臓に嚢胞(水がたまった袋)がたくさんできて腎臓の働きが徐々に低下していく病気を多発性嚢胞腎と言います。両側の腎臓に嚢胞が無数に生じる遺伝性疾患であり、常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(Autosomal Recessive Polycystic Kidney Disease:ARPKD)とがあります。ADPKDは両側腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・増大し、腎臓以外の種々の臓器にも障害が生じる最も頻度の高い遺伝性嚢胞性腎疾患です。わが国の患者数は約30,000人と推定されています。

症状

初期には無症状です。しかし、徐々に腎臓の嚢胞が増えて腎臓全体が大きくなり、腹が張ってきます。そうすると腎蔵の働きが悪くなり、食欲低下、疲れやすい、だるい、さらには息切れなどが出現します。

診断

多発性嚢胞腎の診断は、ガイドラインに示されている診断基準に基づいて行われます(表1:ADPKD診断基準)。家族内発生が確認されている場合と確認されていない場合に分けた基準であること、超音波断層像だけではなく、CT、MRIも嚢胞の評価方法として加えた基準であることが特徴です。

表1 <ADPKD診断基準>
(厚生労働省進行性腎障害調査研究班「常染色体優位多発性嚢胞腎診療ガイドライン(第2版)」)

  1. 家族内発生が確認されている場合
    1) 超音波断層像で両腎に各々3個以上確認されているもの 2) CT、MRIでは両腎に嚢胞が各々5個以上確認されているもの
  2. 家族内発生が確認されていない場合
    1) 15歳以下では、CT、MRIまたは超音波断層像で両腎に各々3個以上嚢胞が確認され、以下の疾患が除外される場合 2) 16歳以上では、CT、MRIまたは超音波断層像で両腎に各々5個以上嚢胞が確認され、以下の疾患が除外される場合

除外すべき疾患

  • 多発性単純性腎嚢胞 multiple simple renal cyst
  • 尿細管性アシドーシス renal tubular acidosis
  • 多嚢胞腎 multicystic kidney(多嚢胞性異形成腎multicystic dysplastic kidney)
  • 多房性腎嚢胞 multilocular cysts of the kidney
  • 髄質嚢胞性疾患 medullary cystic disease of the kidney(若年性ネフロン癆 juvenile nephronephthisis)
  • 多嚢胞化萎縮腎(後天性嚢胞性腎疾患)acquired cystic disease of the kidney)
  • 常染色体劣性多発性嚢胞腎 autosomal recessive polycystic disease

 

治療

高血圧を治療することは、腎機能低下速度を緩和し頭蓋内出血の危険因子を低下させます。また、バゾプレッシンV2受容体の拮抗薬トルバプタンの臨床試験が世界的規模で行われ、腎嚢胞の増大と腎機能の低下が抑制することが示されて、我が国では2014年3月から保険適用となっています。

慶應義塾大学病院での取り組み

トルバプタンによる治療を受ける際には、まず当院腎臓内科外来を受診して必要な検査(USやMRI検査による腎嚢胞の大きさの測定、採血、尿検査等)を受けて頂きます。トルバプタン治療を行なえる患者さんは、左右の腎臓体積が750ml以上、かつ1年間の増大率が5%以上です(上述の画像検査で測定します)。トルバプタンを開始の際は、はじめは入院(原則3泊4日程度で、内服の説明、飲水の指導、採血等で高Na・肝機能異常の出現が無いことを確認)で、その後は1回/月の外来通院となります。

さらに詳しく知りたい方へ

難病情報センター 多発性嚢胞腎外部リンク
ADPKD.JP外部リンク
 ADPKDの診断や治療、日常生活のアドバイスなどわかりやすく解説しています。

文責: 腎臓・内分泌・代謝内科外部リンク
最終更新日:2015年10月15日

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