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皮膚T細胞性リンパ腫(cutaneous T cell lymphoma; CTCL)

ひふTさいぼうせいりんぱしゅ(cutaneous T cell lymphoma; CTCL)

概要

皮膚に生じる悪性リンパ腫の一群で、複数あるリンパ球のうち腫瘍の由来となる細胞がT細胞であるものをいいます。日本では皮膚に生じる悪性リンパ腫の約90%が皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL:cutaneous T cell lymphoma)です。CTCLに含まれる病気には菌状息肉症、セザリー症候群、成人T細胞白血病リンパ腫、原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症(未分化大細胞性リンパ腫など)、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫(鼻型)など多数あります。皮疹が似ているものが多いので、組織(皮膚、リンパ節など)を用いた病理検査、遺伝子検査をする必要があります。

菌状息肉症


症状

皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の中で最も頻度の高いものです。
成人や高齢者に多く、全身、特に日の当たらない場所に出現しやすい性質があります。
皮疹は比較的境界明瞭でかさかさとした紅斑として発症します(紅斑期)。初期の病変は乾癬など他の炎症性皮膚疾患と見間違われるケースも多く、数年~十数年かけて進行していきます。進行に伴って皮膚の萎縮や色素沈着をきたすようになります。
紅斑は次第にごりごりとしたしこりを伴い(浸潤を伴う)、扁平に隆起するようになります(局面期)。さらに数年かけて局面がさらに隆起して瘤を形成し、次第にびらん、潰瘍化してくる例があります(腫瘍期)。また、一部の症例では全身の80%以上が紅斑で置き換わる「紅皮症」という状態を呈するようになります。
腫瘍期になると病気の進行は速くなり、リンパ節や内臓にも腫瘍細胞が浸潤します。
白血化(血液中に腫瘍細胞が見られる状態)することは稀ですが、内臓病変を伴う場合、免疫低下に伴う感染症や臓器障害によりきわめて予後(病気の見通し)は不良となります。

図1.菌状息肉症(腫瘍期)の背部

図1.菌状息肉症(腫瘍期)の背部
大小の局面が多発し、左背部に腫瘤形成がみられます。

診断

特に初期の皮疹では湿疹や乾癬などの炎症性の疾患、さらに他の皮膚悪性リンパ腫と区別がつきにくい場合があるため、皮膚生検を行います。病理診断を用いても初期の皮疹では特徴的な所見が得られにくく、確定診断が難しい場合があるため、経過中に繰り返し皮膚生検を行う場合もあります。病理組織における免疫染色、さらには組織の遺伝子再構成解析も併用して、増殖している細胞の性質を確認し、診断を確定していきます。
病期の判定のためにはCT、PET、エコーなどの画像診断を行い、リンパ節の腫れや内臓病変が疑われる場合はリンパ節生検/内臓生検も行います。

治療

病気の進行具合により選択する治療が異なります。
紅斑期~局面期の場合、ステロイド外用や紫外線療法が第一選択となります。
腫瘤期ではBRM療法(エトレチナートやインターフェロンを用いた全身療法)と局所療法の併用を行います。腫瘤に対しては外科的切除や局所放射線照射、全身多発病変には全身皮膚電子線照射(TSEB)も行います。難治例ではメソトレキセートやエトポシドなどの単剤化学療法(薬物療法)を併用することもあります。内臓浸潤期では局所療法に加えてCHOP療法など多剤併用化学療法を行います。

セザリー症候群


症状

皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の一種です。
50歳以上の男性に多く、強い痒みを伴うカサカサとした紅斑が全身に出現し紅皮症(全身の80%紅斑を認めた状態)を呈します(図2)。
また早期から白血化(末梢血中にみられる異常リンパ球をセザリー細胞といいます)、表在リンパ節の腫れや肝臓・脾臓の腫大もみられます。
進行するとごりごりとした塊状の皮疹や内臓への浸潤もみられます。

診断

紅皮症を呈する他の疾患(湿疹や乾癬・毛孔性紅色粃糠疹、重症薬疹など)と区別するために皮疹生検を行います。
また末梢血中に白血球の増加と特徴的な異常リンパ球(セザリー細胞)がみられます。

図2.セザリー症候群にみられる紅皮症

図2.セザリー症候群にみられる紅皮症

治療

セザリー症候群もまた病期をしっかり診断した後、その進行具合に合わせ菌状息肉症と同様な治療を行います。

生活上の注意

皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)は一般的には進行が遅い疾患です。早期に診断し、早期に治療を始めていくことが、進行を遅らせるポイントになります。湿疹や乾癬などと診断され、それが難治であり皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)を疑った場合は皮膚科専門医のいる病院を受診し、精査を受けてください。

慶應義塾大学病院での取り組み

当科では、患者さんの状態により皮膚リンパ腫診療ガイドラインに基づいた標準的な治療を選択していくだけでなく、難治例に対しボリノスタット、タルグレチンも選択肢として取り入れています。

さらに治療抵抗性で治療の選択肢がなくなってしまった皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の方に対し、同種造血幹細胞移植を行い、良好な結果が得られている例もあります。
進行した症例においてはまだまだ予後の悪い疾患なため、よりよい治療を提案できるよう鋭意努力しています。

さらに詳しく知りたい方へ

文責: 皮膚科外部リンク
最終更新日:2017年3月13日

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