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ホーム > 病気を知る > 血液とリンパの病気 > 慢性リンパ性白血病

慢性リンパ性白血病

まんせいりんぱせいはっけつびょう

概要

慢性リンパ性白血病(CLL)は、ヒトを感染から守る役割を担う成熟した小型のBリンパ球が、自分勝手に増殖する病気です。慢性リンパ性白血病は非常にゆっくりとした経過をとることが多い病気で、一般的には50歳以降の中高年に多く、女性よりも男性に多いのが特徴です。欧米では最も頻度の高い白血病ですが、我が国では稀な疾患でした。しかし、最近では、その患者さんの数は我が国でも増加傾向にあります。

症状

自覚症状がなく、健康診断や他の疾患の加療中に、白血球数が多いことを指摘されて偶然に診断されることが多いです。慢性リンパ性白血病の細胞は、病気が進んでくると、血液、骨髄だけではなく、リンパ節、肝臓そして脾臓でも増殖するので、痛みのないリンパ節の腫れや肝臓・脾臓の腫れに伴う症状がみられるようになります。また、細胞の増殖を反映して、発熱、体重減少、全身の倦怠感、大量の寝汗などが現れることがあります。骨髄の中で慢性リンパ性白血病細胞の占める割合が大きくなると、正常な造血が邪魔をされるようになり、正常な白血球が減ることで感染症を発症しやすくなるとともに、赤血球数や血小板数も減るため、貧血症状や出血症状がみられるようになります。

免疫の異常を伴うことも多く、赤血球や血小板を破壊する蛋白(自己抗体)が出現することによって赤血球や血小板が減少したり (自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症といいます)、それ以外の自己免疫性疾患を合併することもあります。

診断

血液中に成熟Bリンパ球が増えている(5,000/μL以上)ことが診断には必須です。血液中でリンパ球が増える病気は慢性リンパ性白血病以外にも多数ありますが、増加しているリンパ球の表面の状態をフローサイトメトリーで確認し、慢性リンパ性白血病に特徴的な細胞表面の状態(CD5とCD23という蛋白質があります)。次に、骨髄検査やCTを用いて病気の広がり(進み具合)を確認します。それを病期分類といいますが、現在はRai分類とBinet分類が広く用いられています。(表1、表2参照)

表1.Raiの病期分類

リスク

病期

臨床所見

低リスク

0

リンパ球増多のみ
(末梢血リンパ球≧5,000/μLかつ骨髄リンパ球≧30%)

中間リスク

I

リンパ球増多+リンパ節腫大

II

リンパ球増多+脾腫あるいは肝腫大±リンパ節腫脹

高リスク

III

貧血(Hb<11 g/dL)を伴うリンパ球増多±リンパ節腫脹・脾腫・肝腫大

IV

血小板減少(<10万/μL)を伴うリンパ球増多±貧血・リンパ節腫脹・脾腫・肝腫大


表2.Binet分類

ステージ

臨床所見

Rai分類
との比較

A

リンパ球増多+リンパ節腫大領域2箇所以内貧血・血小板減少を認めず

0~II

B

リンパ球増多+リンパ節腫大領域3箇所以上貧血・血小板減少を認めず

I~II

C

貧血(Hb<10 g/dL)あるいは血小板減少(<10万/μL)を伴うリンパ節増多

II~IV

(腫大領域は頚部、腋窩(えきか)、鼠径(そけい)、肝臓、脾臓をそれぞれ1箇所と数えます)

治療

慢性リンパ性白血病を治すことは難しいですが、長期に渡って病気の勢いをコントロールすることは出来ます。また、ゆっくりと進行する病気なので、治療を開始するタイミングは、病気の進行のスピード、症状の有無、慢性リンパ性白血病細胞の数、貧血・血小板減少の程度を総合的に評価して決定します。低リスク、中間リスクの病期では、積極的な治療を行わないことが多いです。

治療を開始する目安は、1) 6ヶ月で10%以上の体重減少、2) 介助を必要とするような強い全身倦怠感、3) 感染症が見当たらないのに38℃以上の発熱が2週間以上続く場合、4) 大量の寝汗が続く場合、5) 貧血や血小板減少が進行する場合、6) ステロイド治療の効かない自己免疫性溶血性貧血や血小板減少症を合併している場合、7) 脾臓が巨大になってきた場合、8) 10cm以上のリンパ節があるか急にリンパ節の腫れが進行する場合、9) 末梢血中のリンパ球が急速に増加する場合などです。

治療は抗がん剤のフルダラビンやシクロホスファミドを中心に使用します。フルダラビンは単独の場合、5日間連続の投与を基本としており、シクロスホスファミドはフルダラビンと合わせた3日間の点滴による治療や内服薬での治療を行います。再発または難治性の慢性リンパ性白血病のうち、リンパ腫細胞の表面にCD20という抗原がある場合はオファツムマブの投与を検討します。オファツムマブの頻度の高い副作用として、発熱や咳嗽などのアレルギー症状が挙げられます。そのため最初は少量から投与を開始し、問題がなければ二回目以降量を増やして投与を行います。またアレルギー出現時に迅速な対応ができるように、初回のオファツムマブは入院して行います。化学療法が奏功している場合や特殊な染色体異常がみられた場合は、同種造血幹細胞移植により長期生存が期待されることもあり、患者さんが若年者である時は検討する必要があります。免疫グロブリンの減少があり、感染症を繰り返す場合や、重篤な感染症の罹患が予想される場合は、ガンマグロブリン製剤の投与を定期的に行います。

生活上の注意

感染予防に心掛けることが大切です。感染予防の基本は手洗いとうがいです。周りのご家族も手洗いをしっかり行ってください。人ごみに出る時はマスクを着用することが望ましいでしょう。ペットとのふれあいは問題ありませんが、そのあとはよく手を洗うようにしてください。また、良い栄養状態を保つことが重要ですので、バランスのよい食生活を心がけてください。

さらに詳しく知りたい方へ

文責: 血液内科外部リンク
最終更新日:2016年10月27日

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