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ホーム > 病気を知る > 血液とリンパの病気 > 発作性夜間ヘモグロビン尿症

発作性夜間ヘモグロビン尿症

ほっさせいやかんへもぐろびんにょうしょう

概要

発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hematuria; PNH)(別名:発作性夜間血色素尿症)は、すべての血球の種である造血幹細胞に、後天性に生じた遺伝子異常が原因で起こる病気です。この遺伝子の異常により、赤血球が体の中で壊されやすくなります。特に寝ている間に赤血球の破壊(溶血)が進み、早朝の尿が黒くなることがあります。PNHの主な症状は貧血症状と早朝の黒色尿ですが、患者さん毎に症状が異なります。また慢性的な溶血により、様々な臓器に障害がでる場合があります。100万人に数人しか発症しない稀な病気で、日本において診断される患者さんの平均年齢は40歳代です。

症状

溶血に伴う症状として貧血症状(立ちくらみ、息切れ、動悸など)と早朝の黒色尿が見られることが特徴です。このほかに腎障害、血栓症、肺高血圧症を起こすことがあります。これにより腹痛、頭痛、息切れなどの症状がみられることがあります。一部の患者さんでは、貧血の症状が明らかではなく、腎障害や血栓症のみで発症することもあり、診断に難渋することもあります。また日本人の患者さんは、PNHに合併して他の骨髄不全症(再生不良性貧血、骨髄異形成症候群など)を合併することがあります。このような場合には、骨髄不全症による症状(感染症、貧血症状、出血症状など)を認めることがあります。

診断

貧血に伴う症状、溶血の所見が認められ、他の貧血を起こす疾患が否定された際に、PNHを疑いさらに検査を進めます。血液検査でPNHに特徴的な血球が見られるかを調べます。古くは赤血球の溶血を調べる検査(Ham試験)が行われていましたが、近年はPNHに特徴的な細胞表面のたんぱく質の欠損をフローサイトメトリー法により調べます。

治療

PNHの唯一の根治療法は造血幹細胞移植ですが、移植を行わなくとも比較的長期に生存することが可能です。移植に伴う副作用が多く、新しく有効な薬物療法(エクリズマブ、商品名:ソリリス)が登場したことから、PNHに対する治療は、個々の患者さんの症状に合わせて選択されることができるようになりました。溶血発作の予防には、古くから副腎皮質ステロイドによる治療が用いられてきました。2010年にはPNHに対する新規治療薬としてソリリスが、国内でも使用できるようになりました。溶血発作を繰り返し、定期的に輸血を必要とするような患者さんはソリリスを使用することで、輸血の頻度を減少させることが可能です。また急性の溶血発作を起こした際には、この溶血発作の誘因を取り除き、溶血による臓器障害の予防を行います。骨髄不全が主な症状となっているPNHの患者さんでは、蛋白同化ホルモンや免疫抑制療法が有効なことがあります。本邦では欧米に比べると血栓症を合併する頻度は低いのですが、血栓症の既往のある患者さんにはワーファリン、少量アスピリンなどによる血栓症の予防が行われます。近年ソリリスによる治療を受けている患者さんでは、血栓症の頻度が下がるとの報告もあります。

生活上の注意

PNHと診断された場合には、溶血の原因となる感染症やストレスなどの誘因に気をつけて生活を送ってください。特に溶血発作を起こしていないかどうか、自分の尿の色の変化を注意してください。原因のはっきりしない頭痛や腹痛、胸痛が出現した際には血栓症の可能性がありますので、主治医の先生に早めに相談しましょう。

慶應義塾大学病院での取り組み

当院では個々の患者さんの症状に応じて、ステロイドやソリリスによる治療を行っています。

文責: 血液内科外部リンク
最終更新日:2014年10月27日

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