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頭痛

ずつう

概要

頭痛は誰でも一生に一度は経験する症状だと思います。脳に病気があるのではないか、このまま治まらなかったらどうしようといった不安をかき立てられる症状ともいえます。比較的軽ければ、我慢して耐えてしまうこともあると思います。しかし、いきなり頭をバットで殴られたような突発的な頭痛はくも膜下出血の症状であったり、発熱と共に頭全体が耐え難く痛いときには髄膜炎が疑われたりと、致命的になるような病気が背後に隠れていることもあり、油断はなりません。また、頭痛の発作が繰り返される場合には、日常生活と社会生活が大きく損なわれてしまい、家族関係や交友関係にひびが入ったり、仕事がうまくいかずに経済的な損失を引き起こすこともあります。そのような意味において、頭痛は個人の問題にとどまらず社会的な問題であるといっても過言ではありません。慢性 (数ヶ月以上にわたって存在するもの)の頭痛の場合には、適切な診断のもとに薬物治療をされれば、症状が大幅に軽減することも可能です。その適切な診断と治療には、神経内科医が大きな役割を果たします。頭痛で心配になった時には、神経内科を受診することをお勧めします。以下に、代表的な頭痛疾患について簡単に解説したいと思います。

頭痛

症状および治療

まず、原因を見逃すと大変な結果になる頭痛をいくつか紹介します。

くも膜下出血

多くの場合、動脈に出来た瘤 (動脈瘤)が破裂してくも膜下腔という場所に出血が引き起こされます。非常に突発的な頭痛で、発症の時間をはっきり記憶している方もいるくらいです。頭痛は、「バットで殴られたよう」と形容されるぐらいの突然の激痛です。意識を失ったりすることもあります。動脈瘤が再度破裂したり、血管が縮んで脳への血流が悪くなると、病状が急激に悪化することもあります。診断は頭部のCTや髄液検査で行います。

治療は、多くの場合脳神経外科医が担当します。最近、同じような突発する頭痛 (雷鳴頭痛と呼ばれます)が繰り返し起こる病気として可逆性脳血管攣縮症候群が注目されています。入浴やいきみなどが引き金になって、頭痛発作が見られます。特別な検査や治療法が必要なので、この病気が疑われる場合には神経内科専門医の受診が勧められます。

髄膜炎

脳を囲む髄液腔 (髄液という液体が貯まっている場所で、脳や脊髄を保護する機能があります)や髄膜という膜に炎症が起こる病気で、多くの場合ウイルスや細菌などの病原体が引き起こします。これも激しい頭痛を引き起こし、発熱や寒けなどの症状も伴います。診断が遅れると、重症化して脳自体に障害が及ぶこともあります。診断には、髄液検査が必須です。特に、細菌性の髄膜炎の場合には、原因となった細菌の同定と適切な抗菌薬の選択が治療の鍵になります。

脳腫瘍

脳に腫瘍ができた場合に、大きくなると脳を囲む髄膜が引き延ばされたりして頭痛を引き起こします。脳腫瘍は段々大きくなるので、頭痛も時間と共に増強する傾向があります。朝起きたときに、頭痛がするといった訴えが起きることもあります。腫瘍内に出血すると急激に頭痛が引き起こされることがあります。診断には、CTやMRIなどの画像診断が必要です。

副鼻腔炎

副鼻腔とは、鼻腔に連なる空洞で、鼻の奥や上あごの奥などに広がっています。ここに、細菌感染が起こって、急激に炎症が起こると激しい痛みが起こります (急性副鼻腔炎)。CTやMRIで診断可能です。髄膜炎を合併することもあります。また、慢性的に副鼻腔炎が生じていることもあり、これが慢性の頭痛の原因になっていることもあります。

慢性硬膜下血腫

これは、老人やアルコール多飲者によく見られます。知らないうちに転んで頭を打ち、脳と頭蓋骨の間でスペースに少しずつ出血して、やがては脳を圧迫するようになります。慢性の頭痛だけでなく、麻痺や歩行の障害などの運動の症状や、物忘れをすることもあります。患者さん自身が病院に来るというよりは、周りの人が病院に連れてくることが多いです。CTで診断は簡単につきます。治療は脳神経外科にお願いします。

動脈解離

血管が裂けて頭痛が生じることがあります。一番多いケースは、椎骨動脈という血管が裂けて首のうしろ~後頭部にかけて激痛がするものです。脳梗塞を合併して、しびれ・めまい・飲み込みの異常・呂律のまわりが悪いといった症状がよく見られます。このような場合、出来るだけ早く病院にかかって治療を開始しないといけません。

次に、見逃されても致死的になるわけではありませんが、うまく薬を使うと症状がコントロールできる頭痛疾患を紹介します。

片頭痛

人によっては、慢性の頭痛というとすべて片頭痛と考えてしまうほど有名で、頭痛の代表選手のように考えられている疾患です。実は本当の意味での片頭痛というのは、一般の方が考える頭痛とは少し違うかもしれません。頭痛の発作を繰り返すのが片頭痛の大きな特徴ですが、典型的な発作というのは以下のようなものです。何となく変な感じがしたり、気分がすぐれないといった予兆とよばれる発作の前触れというべき症状が起こります。また、人によってはその後に、視野の一部がキラキラと光ったり、半身がしびれたりといった前兆と呼ばれる症状が見られます。次に、頭の片側がズキンズキンと脈が打つように痛み始めます。同時に、気分が悪くなり、吐き気がします。さらに、周りの光や音がうっとうしくなります。頭痛と共に、それらの症状も次第に悪化していきます。通常、患者さんは暗い部屋でじっとしていたいと思います。そのような状況に至るので、頭痛のために日常生活や社会生活は相当な影響を受けます。発作は数時間~数日続きますが、やがては治まります。しかし、発作は繰り返されるため患者さんは頭痛再発にたいする恐怖感を抱くようになります。発作は、月経、寝不足あるいは過眠、ストレスからの解放などが引き金になります。また、低気圧が近づいて天気が悪くなると発作が多いという患者さんもいます。

片頭痛の正確な原因はわかっていませんが、セロトニンという神経系や血管で重要な役割をする物質がうまく働いていないと考えられています。かなり前の研究ですが片頭痛発作中の患者さんにセロトニンを投与すると、発作が改善したという記録がありますし、現在片頭痛に用いられている薬の中にはセロトニンと同様の作用を有していたり、セロトニンの機能を増強させる機能を示すものがあり、効果も実証されています。代表的な薬はトリプタンと呼ばれるもので、スマトリプタン (イミグラン®) が1990年代に使われはじめ、現在国内では類縁の薬が増えて計5種類使用できます。患者さん個々の特性にあわせて、使い分けを行っております。飲み薬 (経口薬)だけでなく、点鼻薬や注射薬 (自己注射も可能)があるので、吐き気があったり、急速に発作を頓挫したい場合にも対応できます。もちろん、これらの薬は頭痛専門医に診察を受けてから処方されることが望ましいものです。当院の神経内科は片頭痛診療に特に力を入れておりますので、片頭痛と思われたら是非受診下さい。また、片頭痛の患者さんは、医療機関を受診せずに、薬局で複合鎮痛薬を買ってしのいでいる方もいます。その中には、過剰に鎮痛薬を使っているために、むしろ頭痛が慢性化したり、発作が頻繁になったりする例も散見されます。これは、「薬剤使用の過多による頭痛」といわれるもので、やはり専門医による治療を受ける必要があります。

緊張型頭痛

これも慢性頭痛の原因として多いものです。典型的には、頭の両側が締め付けられるように痛くなり、片頭痛と異なり吐き気はあっても軽度です。頭を動かしても頭痛が増強しないのが、片頭痛と異なります。肩こりが同時に見られることが多く、筋肉を圧迫すると普通の人より痛み (圧痛)を強く感じる人が多いようです。この現象は僧帽筋などによく見られます。ストレスや、長く同じ姿勢をとって特定の筋肉に負担がかかっていることが悪い影響を与えているようです。しばしば、うつ状態にある患者さんもいて、うつ状態が頭痛を増悪させ、さらに頭痛があることがうつを増悪させるといった悪循環が見られます。

治療は、首や肩周辺の筋肉をほぐす体操などを励行し、抗不安薬 (同時に筋弛緩作用あり)や筋肉の緊張を軽減する薬を処方します。うつが合併している場合には、抗うつ薬も用いられます。

群発頭痛

これは、片頭痛や緊張型頭痛に比較して稀な病気ですが、若年~中年の男性に好発します。典型的には、深夜に片目の奥がえぐられるような激痛がして目が覚めます。痛みのある側に、鼻水や涙が出たりします。また、片頭痛と異なるのは、頭痛を起こしている際に、じっとしているときよりは痛みがつらくていてもたってもいられない状態にあることです。頭痛は、連日のように起こり、その期間を群発期と呼びます。余りにつらい症状であるため、この時期には医療機関を自発的に受診することがほとんどです。

治療は、発作の最中であれば100%酸素吸入やスマトリプタンの皮下注射を行います。前述のように、スマトリプタンの自己注射キットがありますので、うまく利用すれば自宅でも満足な治療が可能です。発作の予防に、カルシウム拮抗薬などが使用されます。また、飲酒が引き金になるので、群発期には禁酒する必要があります。

慶應義塾大学病院での取り組み

神経内科にて頭痛外来を行っています。
金曜日 午前・午後
土曜日 午前

文責:神経内科外部リンク麻酔科外部リンク
最終更新日:2016年8月26日

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