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扁平母斑(いわゆる茶あざ)

へんぺいぼはん(いわゆるちゃあざ)

症状

皮膚は体表から角層、表皮、真皮、脂肪組織の四層構造から構成されています。表皮内に存在するメラノサイトが活発にメラニン色素を産生する、いわゆる”茶あざ”を扁平母斑といいます。生まれつきもしくは幼児期に生じる褐色で均一な色素斑(図1)で、内部に黒褐色の点状色素斑を伴うものもあります。卵円形のものと辺縁がギザギザした不正型のものがあります。体のどこにでも発生します。

図1

図1

診断

カフェオレのような色調、新生児~幼児期の発症、形状などから診断されます。6個以上多発している場合、レックリングハウゼン病が疑われます。皮膚科受診の上、神経線維腫や聴神経腫瘍、骨格異常の有無などを診る必要があります。

治療

Qスイッチ付きルビーレーザーの保険適応があります。後述するように治療に難渋することが多いアザです。

Qスイッチ付きルビーレーザーはメラニン色素の吸収率に優れており、黒色、青色の色素性病変の治療に優れた効果を持つレーザーです。治療したいアザにレーザーを照射すると、その光エネルギーは熱エネルギーに変換され、ターゲットとなるメラニン色素を熱で破壊し、除去します。 Qスイッチとは、瞬間的に高いパワーのレーザー光を発する装置です。レーザー光の照射時間が非常に短いため、アザ周囲の正常な皮膚に対するダメージが最小限に抑えられます。

生活上の注意

レーザー後、患部は赤みを帯びた状態になっています。この赤みは平均1か月で消失します。赤みが強い期間は外的な刺激、紫外線に弱いため、こすらないこと、遮光を徹底してください。

赤みが消失した後、多くの場合、炎症後色素沈着が生じます。色素沈着は平均3か月で徐々に薄くなりますが、元のアザよりも濃い炎症後色素沈着を生じ、薄くなるのに長期間(6か月~1年)かかる方もいます。稀に元のアザよりも濃い色調の炎症後色素沈着が数年にわたり残る場合もあります。炎症後色素沈着については外用薬による治療が必要になります。

繰り返しになりますが、茶アザ治療で生じる炎症後色素沈着は、他の疾患のレーザー治療に比較して、発症頻度、持続期間が長く、軽快に時間がかかることが多いとされています。このリスクを事前に予測することは不可能です。心配される場合は、初回のレーザー治療を狭い範囲にテスト照射し、経過を観察します。ただし、初回の治療で炎症後色素沈着が生じなくとも、2回目以降のレーザー治療で炎症後色素沈着が強く生じる場合もあります。治療がうまくいき、目立たなくなったとしても数か月後から数年後に毛穴に一致したアザが点状に再発する場合があります。

文責: 皮膚科外部リンク
最終更新日:2021年9月16日

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