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歯周病

ししゅうびょう

概要

歯周組織とは、歯肉(歯ぐき)、セメント質(歯の根の表面)、歯根膜(歯と骨を結ぶ薄い線維状の組織)、歯槽骨(歯を支える骨)の4つを言います。健康な歯周組織とは、この4つの組織に全く異常のない状態です。歯の表面に歯垢(プラーク)がついていなければ歯肉は健康に保たれ、きれいなピンク色をしていて、歯磨きをしても出血しません。
でも食事の後で歯磨きをサボったり、1~2日歯磨きをしないと歯と歯肉の境目に歯垢がたまってきて、歯肉に炎症が起こります。この状態を歯肉炎と言います。炎症が起こると歯肉は腫れ、赤くなり、血が出やすくなります。この時点でまた正しい歯磨きをすれば歯肉は健康な状態に戻ります。
しかしもっと歯磨きをしないで放っておくと、歯肉に起こった炎症が他の歯周組織にも進んでしまい、そうなるともう慌てて歯磨きを始めても、一見歯肉の炎症は治ったように見えますが、歯肉の下で他の歯周組織の炎症は静かにゆっくりと進んでいきます。これが歯周病・歯周炎と呼ばれる状態です。

正常な歯周組織/歯周炎で破壊された状態

歯周病の原因は?
一番の原因はデンタルプラーク(歯垢)です。歯垢は歯の間に挟まった食べかすなどの事ではなく、歯を磨かないことでお口の中にいる細菌が歯の表面にくっついて増えてしまった状態のものです。半日歯を磨かないで歯の表面を爪楊枝のようなものでなぞってみて下さい。黄色くて、ちょっと粘りけのあるものが取れてきます。それがプラークです。この細菌の塊であるプラークが長い時間歯や歯肉の表面に付着していると、虫歯になったり歯肉に炎症が起きて歯周病になるのです。皆さんが聞いたことのある"歯石"も、元々はこのプラークが長い時間くっついていたところに、唾液などに含まれているカルシウム成分が沈着して石のように固まったものです。この"歯石"の状態になってしまうと、もう歯磨きでは取れないので歯科を受診して除去するしかありません。
このように歯周病の最も重要な原因はプラークですが、そのプラークによって引き起こされる炎症は、以下のような因子が重なることによってさらに悪化します。

  1. 歯に加わる異常な力:咬む力が全部の歯にバランス良くかからず、負担が大きくなってしまっている歯は歯周病が悪化しやすいです。また歯ぎしりや食いしばり、舌で歯を押したり、お口で呼吸をするといった癖のある方も、歯周病が悪化しやすくなります。
  2. 歯並び:歯並びが悪いとブラッシングが上手くできなかったり、歯と歯の間に物が挟まりやすくなり、プラークコントロールの妨げになります。
  3. 全身状態:ホルモンや栄養のバランスが悪いと、歯周病が起こりやすく悪化しやすくなります。
  4. 特殊な病気:血液の病気(白血病など)、免疫不全、糖尿病などは、歯周組織の抵抗力が低下するため歯周病が悪化しやすくなります。
  5. 特殊な薬:てんかんの薬(ダイランチンなど)や降圧剤(アダラートなど)を服用されている方は、歯磨きを怠ると歯肉が腫れて膨らんでくることがあります。
  6. タバコ:タバコに含まれているニコチンやタールのような化学物質は、歯肉の血液の循環障害を起こし、栄養供給が悪くなります。また歯周病があるにも関わらず、血流が悪いため逆に歯肉の赤みや腫れといった炎症症状をわかりにくくさせてしまうため、気がついたときには重症になっている場合が多く見られます。

症状

代表的な症状は以下のようなものです。

  1. 歯肉の腫れ
  2. 歯肉からの出血・排膿
  3. 歯の動揺
  4. 物を咬んだ時の痛みや違和感
  5. 歯肉の掻痒感(ムズムズ感)
  6. 知覚過敏           など

診断

初診時に行うお口の中の臨床検査、レントゲン検査、細菌検査などを総合して診断します。歯周病のほとんどが成人性歯周炎と呼ばれる30~40代で発症する慢性的な経過をたどるタイプの歯周炎です。特殊なタイプの歯周炎としては、比較的若い年代で発症し急速に悪化する侵襲性歯周炎や、薬剤の服用により症状が増悪する歯肉増殖症、妊婦でホルモンのバランスが崩れた時に起こりやすい妊娠性歯肉炎などがあります。

治療

歯周病の治療の基本は、お口の中を徹底的にきれいにする事です。前述したように、歯周炎を起こす原因はお口の中に存在する"歯周病原性細菌"と呼ばれる何種類かの細菌です。それらの細菌はプラークとして歯や歯肉に付着して発育するので、歯周病の予防ももちろんですが治療をしていく上でもプラークコントロールは最も重要と言えます。そのため歯周病の治療を始めるにあたっては患者さんに歯磨きを上達して頂く必要があるので、ある程度のレベルまで上達して頂くようブラッシング指導を何回か行います。
患者さんにプラークコントロールをある程度習熟して頂いたら、次に歯科医師または歯科衛生士によるお口のクリーニングに進みます。その処置は主に、"スケーリング"という歯に付着しているプラークや歯石を除去する作業です。歯石は歯肉より上の見えている部分の歯に付着するものもあれば、"歯周ポケット"と呼ばれる歯根と歯肉の間にできてしまったいわば"隙間"の中に付着してしまうものもあり、これらはブラッシング程度では除去することができません。この治療は痛みを伴うことがあるため、必要であれば麻酔をして行います。
歯周炎の程度が比較的軽症であれば、プラークコントロールをしっかり行う習慣が身に付き、スケーリングをすることで十分良くなります。しかし歯周病が重症になり"歯周ポケット"が深くなってしまうと、歯石を取ったり歯周ポケットの中をきれいにしただけでは治りません。"歯周炎を治療する"という事は、"口の中をきれいにする"だけではなく、"歯周ポケットをできる限り浅くして、歯周炎を再発しにくい状態にする"事を指します。そのためには外科的に歯周ポケットを除去する必要があります。この段階の治療を"歯周外科処置"といい、主に"フラップ手術"と呼ばれる小手術を行います。これは簡単に言うと、歯肉を切開して剥離し、歯根や歯槽骨を肉眼的に見える状態にして歯根の表面を徹底的にきれいにし、炎症で破壊された歯肉や歯根膜の残骸を除去する処置です。入院などの必要はなく、歯科口腔外科の外来で1時間程度で行える手術です。もちろん全身状態によっては手術が行えない患者さんもいらっしゃるので、お体の状態や歯と歯肉の状態など様々な要素を加味した上で手術をした方が良いと思われる方にだけお勧めしています。

慶應義塾大学病院での取り組み

  • 歯科口腔外科外来では、毎週月曜日の午後、歯周病外来を行い、歯周病の患者さんを重点的に治療しています。
  • 歯周病専門医・指導医のもとで、歯周組織再生療法にも積極的に取り組んでいます。

文責: 歯科・口腔外科外部リンク
最終更新日:2011年12月28日

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