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作業療法

さぎょうりょうほう

作業療法とは

ここでは、2つの作業療法の定義をご紹介します。
1つは「作業療法とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を行わせることをいう。(理学療法士及び作業療法士法第2条)」
もう1つは「作業療法とは、身体または精神に障害のある者、またそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持および開発を促す作業活動を用いて、治療、指導および援助を行うことをいう。(社団法人 日本作業療法士協会 1985年)」です。つまり、作業療法は疾患から生じる心や身体の障害にアプローチするものであり、リハビリテーションの目的とされる身体的・精神的・社会的能力を最大限に回復させるために、「作業活動」を用いて治療、指導及び援助を行なうことを特徴としています。ここで述べられる「作業活動」は、日常生活の諸活動、仕事、遊びなど人間の生活全般に関わる諸活動を指します。
作業療法士は、身体障害、発達障害、精神障害、老年期障害 子供からお年寄りまで、生活に障害を持つ全ての人に関わっています。そして、生活障害に取り組むという職種の特徴から、医療分野はもとより、保健、福祉、教育領域と幅広い分野で働いています。

作業療法の手順

ここでは、身体機能の障害に対する作業療法を取り上げます。作業療法では、有効な治療・援助を実施するための手段として、まず評価を行ないます。力や感覚、関節の可動範囲、協調性、巧緻性などの基本的能力、知的面、あらゆる日常生活の自立、もしくは介助状況などを調べます。つまり、患者さん自身と生活背景の両方に基礎をおいて問題の発見に努めます。患者さんを中心として、環境なども含めた階層的な問題の構造を明らかにした後、治療目標を考慮し、治療の優先順位を決めます。そして、治療手段の選択、とくに目的と合致する作業の選択と意味づけなどを考えていきます。この過程は、患者さんの変化にあわせて、何回も繰り返され、検討されていきます。

作業療法の実際

  1. 運動療法
    関節可動域訓練、筋力増強訓練、筋再教育訓練、巧緻性訓練、協調性訓練、上肢機能訓練、感覚再教育訓練などがあります。
    セラピストが手を添えて行なう徒手的な方法、作業を活用する方法、例えば、頭上に設定した輪入れを行なうことで肩の関節可動域訓練を行なう、編み物を行なうことで手の協調性を改善させるなどの方法があります。
  2. 日常生活動作訓練
    食事、整容、更衣、排泄、起居、移乗、移動、入浴など、日常に関わる全ての行為・動作が対象になります。例えば、ベッドで手すりを使って起きることを繰り返し練習するなどの実動作の反復訓練、車椅子でトイレに行くために、まず立ち上がりを練習するなど、一つの行為・動作をいくつかの要素に分けて練習を行なうなどの方法があります。
  3. 高次能機能障害
    注意や集中力、認知・知的面、コミュニケーションなどの機能が該当します。種々の思考課題を行なったり、問題を呈する動作の反復練習などを行います。
  4. 環境調整
    自宅へ帰るために、自宅の環境にあった動作の練習を行なったり、必要な物品の選択、改造などを検討・指導します。また、環境には人的な状況も含まれ、介助者の状態を考慮した動作方法の検討、そして介助指導なども行ないます。  
  5. 職業関連
    職業に復帰するために必要な能力を検討・訓練を行います。例えば、片手でのパソコン操作訓練、非利き手での書字訓練などがあります。
  6. スプリント
    機能を補完したり治療の手段として、セラピスト(作業療法士)が作成します。関節の肢位を保持する静的なものや関節の動きを促す動的なもの、熱可塑性プラスチックを使用したものや皮製のものなど、様々な形や素材のものがあり、患者さんの状態や要望にあわせて作成されます(図1、図2)。
    図1

    図1

    図2

    図2

  7. 自助具
    例えば、スプーンの柄を太くしたもの、ボタンをとめるもの、靴下を履くものなど行為や動作をやり易くするための道具です。現在、市販でも様々なものが開発されており、それらについて、患者さんの状態にあう道具の選択を援助したり、実際に使用する訓練などを行ないます。また、市販のものをセラピストが患者さんの状態にあわせて改良したり、自ら作成したりもします(図3、図4)。
    図3

    図3

    図4

    図4

慶應義塾大学病院での取り組み

  1. 急性期からの作業療法と地域連携
    全身状態のリスク管理を行いながら、発症早期から上肢の管理や運動、日常生活動作の訓練などを実施しています。また、転院、自宅退院においては、転院先や地域拠点施設への情報提供を行なっています。
  2. 片麻痺上肢機能に対するアプローチ
    慢性期片麻痺上肢に対して、随意運動介助型電気刺激装置を用い、麻痺側上肢機能の改善を目的に、短期集中型の訓練(Hybrid Assistive Neuromuscular Dynamic stimulation;HANDS)を行なっています。
  3. 悪性腫瘍に対するアプローチ
    原疾患、または治療過程で発生した様々な機能障害・日常生活障害に対して実施しています。 特に、頭頚部がん術前後の肩機能評価訓練、乳がん術後の関節可動域制限などに対する訓練を積極的に行っています。
  4. リンパ浮腫に対するアプローチ
    上肢のリンパ浮腫に対して、リンパドレナージやバンデージの指導を行なっています。
  5. 整形外科疾患に対するアプローチ
    肩や肘、手関節、手指など上肢の骨・関節、筋・腱などの問題、末梢神経の麻痺などについて、手術前の評価や訓練、術後早期からの訓練、そして保存療法などを行なっています。
  6. 呼吸器疾患に対するアプローチ
    慢性閉塞性肺疾患など呼吸器疾患について、日常生活上の動作指導や訓練を行っています。
  7. その他のアプローチ
    高次脳機能障害や慢性・進行性疾患、小児、切断や熱傷などに対しても、入院・外来いずれにおいても、個別対応的なアプローチを展開しています。

さらに詳しく知りたい方へ

文責: リハビリテーション科外部リンク
最終更新日:2014年9月8日

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