セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort)含有食品

セント・ジョーンズ・ワートと薬剤の相互作用

セント・ジョーンズ・ワート(St. John’s wort)は、別名、セイヨウオトギリソウとも呼ばれるハーブの一種で、欧米では抗うつ薬として広く処方されています。日本では健康食品として市販されていますが、ハーブティーに含まれることもあります。ある種の薬物においては相互作用に十分な注意が必要となります。

どうして?

セント・ジョーンズ・ワートは、ある種の薬物の効果を減弱させる作用があります。このハーブに含まれる成分が私たちの体内に存在する薬物を分解する酵素(薬物代謝酵素)や薬物を体の外へ排出する機能(P-糖タンパク質)を高め、排泄を促進させるからです。気をつけなくてはならない薬には、免疫抑制剤、抗凝固薬、強心薬、気管支拡張薬、抗ウィルス薬、抗悪性腫瘍薬などが挙げられます(詳しい薬剤名については薬剤師にお尋ねください)。

セント・ジョーンズ・ワートの効果は、長期にわたって服用していた場合に起こる可能性が高く、さらに服用を中止してもすぐに効果が消えるわけではありません。

したがって、薬剤との飲み合わせに注意が必要です。セント・ジョーンズ・ワートを摂取する予定・可能性がある場合は医師・薬剤師に相談してください。なお、既にセント・ジョーンズ・ワートを摂取している方は、急に中止してしまうと、医薬品の効果が強まって、好ましくない症状が現れる恐れがあります。自己判断で薬の量を減らしたりせず、医師・薬剤師に相談してください。

参考:

  • 厚生労働省 (2000年5月10日). “セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)と医薬品の相互作用について”(報道発表資料)
  • 独立行政法人医薬品医療機器総合機構.
    ” セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ、SJW)を含む健康食品を摂取したいと思いますが、何か気をつけることはありますか。”
    https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0019.html
    (参照 2024-12-11)

写真:ウィキペディアより

文責:薬剤部外部リンク

最終更新日:2018年3月5日

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