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慢性硬膜下血腫

まんせいこうまくかけっしゅ

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概要

脳を覆う硬膜と脳との間に袋状にたまる慢性出血をいいます。出血で脳が圧迫されることにより症状が出ます。

症状

敷居や天井などに軽く頭をぶつけただけでも起こることがあります。ほとんどは中年以降のご高齢の方に起こります。男性、特にお酒飲みの方に多いとされていますが、女性、子供にも起こり得ます。頭を打撲して、数週間から数ヶ月後(ほとんどが3ヶ月以内)に、頭痛、軽い運動麻痺で始まることが多いのですが、時には認知症、性格変化などでみつかることもあります。徐々に進行し、共通症状に至ります(参照:頭部外傷とは)。

出血の特徴

急性硬膜下血腫とは異なり、"慢性"の場合は脳に損傷があることはほとんどありません。脳の表面と硬膜を繋ぐ、橋静脈(bridging vein)が傷ついて、ゆっくりと出血を起こすといわれています。また、血腫が比較的しっかりとした膜で覆われ、その中に液体のさらさらした薄い血液が溜まっているのが特徴です。この膜がどのようにして作られるのかまだよく分かっていません。

診断

頭部CTや頭部MRIにて診断が可能です。図1のように脳と頭蓋骨の間に三日月状の血がたまっているのが特徴です。

図1

図1

治療

頭蓋骨に直径約1cmの穴を開け、硬膜と血腫の膜を切ると、さらさらした血液が流出してきます。この血のたまりの中に細い管を挿入します。閉創して手術は終了です。穿頭血腫ドレナージ術といいます。局所麻酔で行うことができ、手術時間は20~30分程度です。挿入した管から血腫が流れ出てきます。管は一晩留置し、翌朝頭部CTなどで血腫の量をチェックした後に抜去します。

治療成績

ほとんどの患者さんが元通り回復し、1週間程度で退院できますが、およそ10%程度の患者さんが再発します。この場合には再手術を行います。また、およそ10%の患者さんには、頭の両側に慢性硬膜下血腫がみられることがあります。血腫量にもよりますが、両方とも手術が必要となることもあります。特に脳梗塞やある種の不整脈の治療薬を内服し、血液が固まりにくくなっている場合、高齢者では再発率が高く、治りにくいといわれています。ただし、この外傷で死に至ることはほとんどありません。

文責: 脳神経外科外部リンク
最終更新日:2018年3月23日

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