概要
脳を包んでいる硬膜と頭蓋骨の間にできる出血です。多くは、激しく頭部を打撲した後にその部の頭蓋骨が骨折し、頭蓋骨に接している硬膜上の血管が損傷して発生します。
症状
頭部外傷直後は全く症状がないか、もしくはごく短時間のみ軽い意識消失を来し、すぐに回復します。ところが、数時間のうちに急激に意識障害が出現し増悪することがあります。このように意識障害の前に元気な時期があることをlucid interval(意識清明期)と呼び、急性硬膜外血腫の特徴です。その他の症状については頭部外傷とはを参照してください。
出血の特徴
多くの場合、骨折を伴う外傷で、その骨折線が血管を横切っています(図1)。骨折により傷んだ血管から骨と硬膜の間に出血を来し、脳を圧迫します。図2は頭部CTですが、頭蓋骨と脳の間に凸レンズ型の出血を生じるのが特徴です。
図1.硬膜外血腫
図2
治療
手術で血腫を取り除きます。開頭血腫除去術といいます。
治療成績
この血腫は硬膜によって脳とは仕切られています。脳そのものの損傷を伴っていない場合で、早期に手術を行うことができれば、治療成績は極めて良好で、ほとんどの患者さんが回復されます。しかしながら、脳損傷を伴っている場合には治療成績が悪くなります。
文責:
脳神経外科
最終更新日:2018年3月23日