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骨粗鬆症(婦人科)

こつそしょうしょう

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概要

骨粗鬆症は、骨量の減少、骨の微細構造の劣化が原因で骨がもろくなり、骨折の危険性が増加する病気です。骨量(こつりょう)は男女ともに20~30歳代をピークに生理現象として自然に減ってきます。一般に骨粗鬆症は、40歳代から発生し始め、エストロゲンが低下する閉経を境に増加し、60歳代では約33%、80歳代には60%を超える発生頻度といわれています。また、卵巣機能不全や閉経前の両側卵巣摘出も要因の1つであり産婦人科でも検査、治療を行っています。慶應義塾大学病院産婦人科では、更年期の諸症状の治療とともに骨粗鬆症の診療を月曜日の午後の健康維持外来にて行っております。閉経後の骨粗鬆症のスクリーニング検査(骨塩定量検査)を主体として行い、治療が必要と思われる患者さんに関しては整形外科など専門各科とも相談して行います。

エストロゲンと骨量の関係
閉経に伴う各種症状の発現時期

症状

症状は、初期にはほとんどありませんが、進行すると腰痛や背部痛、場合によっては骨折により身長が低下することがあります。

骨粗鬆症と診断されていない骨折が多い

上記のグラフは、2006年1月1日から2007年12月31日の2年間に初回の大腿骨近位部骨折を起こした65歳以上の女性2,324例(平均年齢83.6歳)を対象に、初回骨折時の骨粗鬆症の診断と治療状況について調査した結果です。

大腿骨近位部骨折前の骨粗鬆症診断の有無を見てみると、診断されていない例が全体の68%であり、診断されていても骨粗鬆症治療薬の投与を受けていない割合は68%となっています。これらのことからより骨粗鬆症に対して早期からの適正な診断、早期治療が重要であると考えております。

診断

二重エネルギーX線骨塩量測定装置(DEXA)という機器を用いて、腰椎や大腿骨頸部などの骨量を測定します。骨量が若年者(大体20~44歳くらい)の平均値の70%未満を骨粗鬆症と診断しています。その他胸椎の単純X線撮影で圧迫骨折等の変化の確認をすることや、採血や検尿で骨代謝マーカーを測定することもあります。

治療

食事や運動などの生活習慣の改善と並行して、薬の内服が必要な場合があります。骨粗鬆症の薬の種類には骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける 「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。どんな薬を選んで、いつから薬物療法を始めるかは、 年齢や症状の進み具合によって医師が判断します。担当医とよくご相談ください。

慶應義塾大学病院での取り組み

当科では骨粗鬆症の診療を行う健康維持外来を月曜日の午後に開設しています。詳しくは担当医にお尋ねください。

さらに詳しく知りたい方へ

文責: 婦人科外部リンク
最終更新日:2022年5月24日

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