ドライアイの病態解明をめざして―臨床と基礎研究をつなぐ― 小川 葉子(眼科)
はじめに
現代の情報社会において、全情報の80%が視覚から入ると言われる程、眼は大切な臓器です。眼の所見は全身疾患を診断する決め手となる事もあります。眼科領域は涙腺や瞼を含む外眼部、角膜や結膜の前眼部、視神経や網膜のような後眼部と分かれ、加えて神経系、血管系、リンパ管系、外眼筋などの筋肉系にも密接に関連し、臨床の多くの各科や基礎研究室の分野と関連があります。
眼表面に存在する粘膜は、全身の粘膜所見の初発症状を示している事があります。しかも診察時に直視下でその所見を察知することがあります。眼の粘膜表面は免疫反応が生じやすい部位であり、正常では恒常性を維持するために粘膜免疫応答の防御機構が働いています。眼は大変興味深い臓器であり、神秘的で緻密な仕組みをもった臓器でもあります。
眼表面をさらに詳しく見てみますと、黒目(角膜)、白目(結膜)、涙腺と副涙腺(涙の水の成分をつくるところ)、マイボーム腺(涙の油の成分をつくるところ)などが存在し、涙の層はこれらの眼表面組織を保護してものを鮮明にみるための光学的透光体としての役割や眼表面の健常性を保つ役割をしています。眼表面組織は一体化した粘膜上皮に覆われ、これらのどの部位が障害されても眼表面の恒常性が維持されなくなり、涙が不安定になり、ドライアイ(注1)が生じます。
涙液層と眼表面組織の正常とドライアイの比較
3段目は結膜組織の透過型電子顕微鏡像にムチンの分布を示したものです。 高倍率の粘膜所見では粘膜上皮内の分泌型ムチンをつくる杯細胞(ゴブレット細胞)や膜型ムチンをつくる分泌顆粒(上皮内の膜型ムチンを含有するとおもわれる小型円形顆粒の集積)が確認されます。左2000倍、右25000倍。
ドライアイとは
ドライアイは涙液と涙腺・マイボーム腺・角膜・結膜の表面の慢性疾患で目の不快感と視機能異常を伴います。眼の乾きや、まぶしさが主な症状です。細かい点状の傷が眼の表面に広がるため、光が散乱してまぶしさを感じます。そのほか目の疲れ、異物感、充血、痛み、かすんで見える、などの複数の症状を合わせもつのが特徴で、中高年の女性に多く、更年期や老眼がはじまる時期とも重なります。シェーグレン症候群や慢性移植片対宿主病(GVHD)(注2)など免疫応答(注3)が関与するドライアイは粘膜免疫防御機構の障害により涙の成分の製造工場である涙腺、副涙腺、角結膜、マイボーム腺の組織への炎症性細胞浸潤や液性因子の障害により眼表面の機能障害をきたすことにより、ドライアイになりますが発症機序や進展機序には不明な点が多く残されています。
慢性GVHD(移植片対宿主病)とドライアイ
本邦では、造血幹細胞移植は年間5000件程あり、累積で約7万件以上になっています (日本造血細胞移植学会データーセンター)。ドライアイは造血幹細胞移植後の晩期合併症のひとつであるGVHDの合併症の一つであり、眼科領域のGVHDによる合併症で一番多いのがドライアイです。慶應義塾大学病院眼科ドライアイ外来では血液内科との連携のもと、1994年ごろから造血幹細胞移植症例を移植前から拝見し、定期的にフォローアップしています。当院では年間約40件の造血幹細胞移植が行われています。現在までに他院からのご紹介例を含めて約1000例の造血幹細胞移植患者さんを拝見しています。近年は、造血幹細胞移植後の慢性GVHDは移植後の主要な合併症として、生活の質の低下および視覚の質の低下に対する対策の重要性が増しています。GVHDによるドライアイは移植後約180日ごろに多く発症し、その後約半数の方のドライアイが重症化していく経過が明らかとなっています。ドライアイの発症は全身症状に先駆けて生じることもあり眼所見の初期症状を捉え正確に診断することが全身所見の治療方針の決定や予後にも影響を与える可能性があります。また、細隙灯顕微鏡および肉眼的に拝見させていただく眼表面粘膜が全身の類似している粘膜所見を反映している可能性を臨床上実感しております。
私達は、このような慢性GVHDの免疫応答によるドライアイについて、基礎研究で病態解明をすすめています。GVHD の病態は古くから、ドナーリンパ球の同種抗原を標的とする免疫応答と考えられてきました。しかし、私達はこれまでに慢性GVHD涙腺組織病変局所への高度な線維化を明らかにし(文献1, 2)、病変部位の病的線維芽細胞(注3)は、半数近くがドナー由来で免疫応答に関与し活性化することを示しました(文献3, 4)。線維化の一部には涙腺結膜上皮の上皮間葉系転換が関与する事も示しました(文献5)。2010年から2013年の研究で、線維化病態に積極的に関与する線維芽細胞の細胞源はドナー骨髄由来の特殊な幹細胞でありマクロファージ(注4)との関連性が考えられました。GVHD涙腺結膜ではマクロファージの中でも老化している細胞がドナー由来線維芽細胞と協調して、GVHDの病態形成に関わり涙腺、結膜の線維化による機能障害に重要な役割を果たしている可能性を見出しました。
慢性GVHDマウスモデルの涙腺に見られる変化を追う
最近の研究の中のひとつをご紹介します(文献6)。ヒト涙腺の免疫応答と病的な線維化 (注5)を再現する慢性GVHDマウスモデルを用いて特に涙腺や他のGVHD標的臓器に焦点をあてて研究を行っています。まず若年マウス、老齢マウス、慢性GVHDマウスモデル、コントロールマウスの涙腺を調べたところ、慢性GVHDマウスモデルにおいて、老齢マウスと同じように線維化や、炎症細胞浸潤をきたしていました。さらに電子顕微鏡による解析で詳細を検討すると、老齢マウスと同じように慢性GVHDドライアイマウスモデルにおいてミトコンドリア(注6)の形態異常がみとめられ、リポフスチン(注7)という物質が蓄積していることがわかりました。さらに免疫原性ドライアイでは、涙を産生する涙腺に浸潤する炎症細胞に老化 (注8) のマーカーのp16(図1)(注9)や酸化ストレス(注10)の発現が亢進していることを見出しました。炎症や持続的な酸化ストレスはドライアイの所見や症状を悪化、持続させます。涙腺の微小環境下で、特に酸化ストレスマーカーを発現する免疫担当細胞はマクロファージであり、T細胞と接着して何等かの情報交換をしていることがわかりました。老齢マウス、慢性GVHDマウスモデルの涙腺では若年マウスとコントロールマウスの涙腺に比べて、著明に酸化ストレスマーカーのタンパク発現が上昇していました。本研究により、涙腺に浸潤する老化マクロファージが産生するサイトカイン、ケモカインがドライアイをきたす涙腺の病態の発症から病的線維化と慢性炎症へと進展していく過程で何等かの役割を果たしている可能性が考えられ検討をしています。
慢性GVHDによるドライアイの免疫応答と線維化の仮説図
涙腺や目の表面への炎症細胞、特に老化したマクロファージ(茶色の細胞)やドナー由来の線維芽細胞の浸潤により眼表面組織に破綻をきたしてドライアイをおこすと考えられます。T細胞はマクロファージと接着して相互作用をし、液性因子を放出し慢性炎症が原因となるドライアイの引き金となると考えられます。
図1 GVHD涙腺におけるP16陽性細胞の浸潤
導管周囲に多数の小型小円形の茶色に染まるp16陽性単核球浸潤(矢印)が認められる。
基礎研究の更なる展開
免疫応答の関与するドライアイマウスモデルを検討することによりドライアイの発症時期や経時的な変化、進展を正確にとらえられます。そのため、今後免疫応答によるドライアイと過剰な線維化の関係だけでなく、老化のメカニズムを解明する手がかりとなると考えられ、がんや動脈硬化等生命予後にかかわる疾患の病態解明にも役立つ可能性があります。マクロファージの老化は動脈硬化ばかりでなく目の加齢疾患の代表ともいえる加齢黄班変性においても重要性がわかってきており今後、免疫応答の異常と老化のメカニズムの関連性の解明に貢献すると期待されます。
現在はさらに老化マクロファージと相互作用する可能性のある特殊な細胞がGVHDの免疫応答と線維化病態の発症と進展に関わるメカニズムについて検証を重ねたいと考えています。これらは涙腺線維化病態とも深くかかわると考えられるドナー線維芽細胞が何故涙腺に迷入してくるのか解決したいと考えています。本研究は慢性GVHDだけでなく、他疾患の線維化病態の発症進展の機序の解明につながる可能性を秘めています。十分な検証とエビデンスを得たのち臨床での新しい治療開発と造血幹細胞移植治療の成績向上への架け橋になればと考えます。
ドライアイ治療の最前線
ドライアイの研究は当院眼科(坪田一男教授)の中でも研究グループが増加し、免疫応答の側面だけでなく多方面からのアプローチにより解明が加速的に進んでいます。その臨床応用までには時間が必要であり、臨床の現場で安全に使用されるため基礎研究の研究結果を十分に吟味し慎重に臨床への第一歩を踏み出す必要があります。現時点での臨床での治療は対症療法を行っていますが、長年の基礎・臨床試験の成果として新たな治療薬も登場しています。現在利用可能な人工涙液点眼、角膜保護剤、涙点プラグ、重症例への涙点焼灼術、ドライアイ保護用眼鏡を駆使して治療にあたります。マイボーム腺の治療として開口部を清潔に保ち、瞼を温める方法や、少量の眼軟膏塗布も大切です。
近年、新規ドライアイ治療薬として2種のムチン産生促進剤(ジクアス点眼・ムコスタ点眼)が開発され、保険適応となりさらに治療の選択肢が広がりました。さらに新規治療薬の開発が進み患者さんの苦痛が軽減していくことが望まれます。重症ドライアイでは上記既存点眼薬に加えて、免疫抑制剤点眼薬や抗線維化療法としての点眼薬が検討段階であり、重症例に対しては角膜移植術、羊膜移植術のような眼表面再建術も行われます。また生活面では部屋の湿度を保つための清潔な加湿器、パソコンの使用時、一時間に一度は休憩をいれる、生活のリズムを整える、十分な睡眠をとる等の工夫が必要です。
GVHDのような全身疾患を伴うドライアイ症例では標的臓器は口腔、肺、皮膚、肝臓、小腸のように多臓器にわたることもあります。眼科と他科、医師とコ・メディカルが協力して、移植後の後期合併症を防ぎ、患者さんの生活の質と視覚の質の向上を目標としています。血液内科、岡本真一郎教授によれば、当院のこうしたGVHD診療において実践する、診療科や職種を超えた連携プレーによる長期フォローアップの外来や医療チームのあり方は、世界的にみてもモデルケースとして注目されているということです。
眼科的立場として、私達は世界の眼GVHDを専門とする医師とも協調して眼GVHDの世界診断基準の作成に着手しています(文献7)。今後、多施設で世界的に統一された眼GVHDの診断基準のもと適切な診断と治療の効果判定を行い、眼所見の全身疾患に対する診断や治療方針の決定における重要性を提唱できればと考えています。そして一日も早い根本的な病態解明とともに、患者さんに安心していただけるGVHDによるドライアイの根治療法の開発のために努力を積み重ねていく所存です。
【用語解説】
注1) ドライアイ
いくつもの原因による涙、角膜(黒目)、結膜(白目)、マイボーム腺を含む慢性疾患で、眼不快感や視機能異常を伴います。
注2) 慢性移植片対宿主病(GVHD)
血液悪性疾患の根治療法としての造血幹細胞移植のあとに生じる晩期合併症のうちのひとつ。移植後1-2週で出現する急性GVHDとは区別されます。ドナーの移植片とレシピエントの細胞、または組織との間に生じる免疫応答で、眼科領域での最も多い合併症はドライアイです。
注3) 免疫応答
免疫反応の役割をする細胞が体の外因性または内因性の異物を自分とはちがう抗原として認識し、特異的に行なわれる反応です。
注4) マクロファージ
血液を流れる白血球の仲間で、生体内をアメーバのように動いて遊走する貪食細胞で、死細胞や、体内に生じた変性物質などの異物をとりこんで消化し、お掃除役として働きます。免疫担当細胞として、免疫機能の中心的役割を担います。最近は貪食機能だけでなく、免疫を賦活したり抑制したりする多彩な役割を果たす細胞の種類があることがわかってきており、病態形成にも直接かかわる可能性が注目されています。
注5) 線維化
涙腺、肝臓、消化管などの腺管構造の間質を構成している結合組織が異常増殖する現象のこと。たとえば、涙腺に線維化が生じたときには涙腺の働きに異常が起き、涙液分泌機能不全によりドライアイの症状が出ます。その他には、肝臓の線維化による肝硬変の病態なども、結合組織が線維化した例として知られています。
注6) ミトコンドリア
細胞内小器官。2重膜につつまれます。核とは別にミトコンドリアDNAが存在します。老化した細胞ではミトコンドリアの変性が生じて活性酸素種を産生するとされます。
注7) リポフスチン
変性タンパク質、脂質が含まれる高度に酸化された物質です。鉄、亜鉛、マンガン、銅なども含まれていて老化した細胞に増加するとされています。
注8) 老化
加齢に伴い全身的に種々の組織・器官で並行してい進行する複合的な衰退減少です。細胞老化、組織老化、臓器老化、個体老化として区別されています。細胞老化の原因には酸化ストレス、炎症老化、免疫老化、遺伝子変異、テロメア短縮、ミトコンドリアの変異が考えられています。これらの異常は癌や様々な老年性疾患に密接にかかわると考えられます。
注9) p16
正常の細胞では発現が低いが、細胞老化とともに際立った発現の上昇を示す遺伝子です。
注10) 酸化ストレス
酸化物質が過剰に発生した場合は、DNAや脂質、酵素、タンパク質を酸化させます。通常発生した酸化物質は抗酸化物質や抗酸化酵素によって除去されます。
文献
- A significant role of stromal fibroblasts in rapidly progressive dry eye in patients with chronic GVHD.
Ogawa Y, Yamazaki K, Kuwana M, Mashima Y, Nakamura Y, Ishida S, Toda I, Oguchi Y, Tsubota K, Okamoto S, Kawakami Y.
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2001 Jan;42(1):111-9.
http://www.iovs.org/content/42/1/111.long - Periductal area as the primary site for T-cell activation in lacrimal gland chronic graft-versus-host disease.
Ogawa Y, Kuwana M, Yamazaki K, Mashima Y, Yamada M, Mori T, Okamoto S, Oguchi Y, Kawakami Y.
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003 May;44(5):1888-96.
http://www.iovs.org/content/44/5/1888.long - Donor fibroblast chimerism in the pathogenic fibrotic lesion of human chronic graft-versus-host disease.
Ogawa Y, Kodama H, Kameyama K, Yamazaki K, Yasuoka H, Okamoto S, Inoko H, Kawakami Y, Kuwana M.
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2005 Dec;46(12):4519-27.
http://www.iovs.org/content/46/12/4519.long - Role of heat shock protein 47, a collagen-binding chaperone, in lacrimal gland pathology in patients with cGVHD.
Ogawa Y, Razzaque MS, Kameyama K, Hasegawa G, Shimmura S, Kawai M, Okamoto S, Ikeda Y, Tsubota K, Kawakami Y, Kuwana M.
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2007 Mar;48(3):1079-86.
http://www.iovs.org/content/48/3/1079.long - Epithelial mesenchymal transition in human ocular chronic graft-versus-host disease.
Ogawa Y, Shimmura S, Kawakita T, Yoshida S, Kawakami Y, Tsubota K.
Am J Pathol. 2009 Dec;175(6):2372-81.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2789626/ - Expression and localization of aging markers in lacrimal gland of chronic graft-versus-host disease.
Kawai M, Ogawa Y, Shimmura S, Ohta S, Suzuki T, Kawamura N, Kuwana M, Kawakami Y, Tsubota K.
Sci Rep. 2013;3:2455.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3756340/ - International Chronic Ocular Graft-vs-Host-Disease (GVHD) Consensus Group: proposed diagnostic criteria for chronic GVHD (Part I).
Ogawa Y, Kim SK, Dana R, Clayton J, Jain S, Rosenblatt MI, Perez VL, Shikari H, Riemens A, Tsubota K.
Sci Rep. 2013 Dec 5;3:3419. .
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3851919/
小川葉子(眼科学教室特任准教授)
最終更新日:2014年9月3日
記事作成日:2014年9月3日
慶應発サイエンス
- 2024年
- 固形がんに対し強い抗腫瘍効果をもつCAR-T細胞の作成 中川原賢亮、福永興壱(呼吸器内科)、吉村昭彦(微生物学・免疫学教室(研究当時))
- 多発神経鞘腫を有する神経線維腫症2型(NF2)に対する初の免疫療法(臨床試験報告) 田村亮太、戸田正博(脳神経外科)
- CAR-T細胞療法の効果と安全性を高める人工サイトカイン受容体 籠谷勇紀(先端医科学研究所がん免疫研究部門)
- 医師と患者さんのコミュニケーションギャップを埋める患者報告アウトカムの活用を ~より患者さんのニーズに沿った治療の提案が可能に~ 池村修寛、香坂俊(循環器内科)
- 化学治療抵抗性乳がん細胞の代謝特性 山本雄広(医化学教室)、林田哲(一般・消化器外科)、末松誠(慶應義塾大学名誉教授)
- 網羅的なゲノム解析で成人女性の冷え症と関連する遺伝要因を発見 吉野鉄大(漢方医学センター)
- 汗の乳酸を測定するバイオセンサの低酸素トレーニングでの活用 勝俣良紀、岩澤佑治(スポーツ医学総合センター) 大川原洋樹(整形外科) 中島大輔(整形外科、久光製薬運動器生体工学寄付研究講座)
- 無症候性のSARS-CoV-2ワクチン接種者と非接種者における心筋18(18F)fluorodeoxyglucose(FDG)集積の比較 中原健裕、岩渕雄、冨田快、志賀哲、陣崎雅弘(放射線診断科)
- 精神科診療におけるオンライン診療は対面診療と同等の治療効果であることを国内19機関が参加した非劣性試験で証明 木下翔太郎、岸本泰士郎(ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座)
- 骨の端にある特殊な血管構造を発見 久保田義顕(解剖学教室)
- ジスキネジア(体のクネクネ、口のモゴモゴ)はなぜ起こる? 阿部欣史、田中謙二(先端医科学研究所・脳科学研究部門)竹内啓善(精神・神経科)
- 原発性硬化性胆管炎に対するバクテリオファージを用いた新規治療の可能性 市川将隆、中本伸宏、金井隆典(消化器内科)
- 2023年
- 心臓由来コラーゲンによるヒト人工心筋組織の成熟化 谷英典(循環器内科、心臓病未来治療学共同研究講座)小林英司、遠山周吾(循環器内科)
- iPS細胞はそのヒトを映す「鏡」―筋萎縮性側索硬化症(ALS)の克服に向けて― 森本悟、岡野栄之(生理学教室)
- 関節リウマチにおける生物学的製剤開始時のメトトレキサート減量試験 玉井博也、金子祐子(リウマチ・膠原病内科)
- アミノ酸の左右のバランスを決める仕組みを解明 権田裕亮、笹部潤平(薬理学教室)
- 頸動脈小体腫瘍の原因遺伝子の特徴と発症の仕組みを解明 吉浜圭祐、小澤宏之(耳鼻咽喉科)
- コロナ制圧タスクフォースによるCOVID-19重症化遺伝子DOCK2の同定と機能解析 南宮湖(感染症学教室)、中鉢正太郎(呼吸器内科)
- 社交不安症のある自閉スペクトラム症者への人型ロボット介入は社交不安の軽減や発話への自信につながることが示唆された 吉田篤史(精神・神経科)
- 未知の脳領域「前障」の形成過程を解明 大島鴻太、仲嶋一範(解剖学教室)
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)における肝細胞がん発生リスク診断法の開発 藏本純子、新井恵吏、金井弥栄(病理学教室)
- 近視進行メカニズムの分子細胞生物学的理解の進歩 栗原俊英(眼科)
- single cell RNA-seqデータの普遍的な特徴を抽出することに成功 -疾患解析データの本質を捉えることが可能に- 岡野雄士(医学部5年)、加瀬義高、岡野栄之(生理学教室)
- アミロイドPET検査とタウPET検査の併用により認知症診療の診断、治療が大きく改善する可能性 伊東大介(生理学教室)
- 2022年
- 「オメガ3脂肪酸」由来代謝物が難病肺高血圧症の病態を調節する機構を解明 守山英則、遠藤仁(循環器内科)
- 大腸の慢性炎症(潰瘍性大腸炎)に対するこれまでにない治療機序の解明に成功 筋野智久(内視鏡センター)
- 治療抵抗性統合失調症の興奮抑制バランスの異常とニューロモデュレーションを用いた新規治療法の開発 和田真孝(精神・神経科)
- 大腸がんに対する薬の効果を予測するオルガノイド培養技術を開発 〜正常な「ミニ臓器」の培養効率を飛躍的に改善〜 高野愛、佐藤俊朗(坂口光洋記念講座(オルガノイド医学))
- 乳がん治療中のQOL維持のため症状把握にLINEを活用 林田哲、北川雄光(一般・消化器外科)
- 血管により硬い歯がつくられる仕組みを解明 久保田義顕(解剖学教室)
- 原因不明の重症新生児に対する迅速な網羅的遺伝子解析 武内俊樹(小児科)
- ヒトサイズに近いバイオ人工肝臓を使った移植実験に世界で初めて成功 ~臓器再生医療の実現化を加速~
八木洋、北川雄光(一般・消化器外科) - 成人T細胞白血病リンパ腫のゲノム異常の全体像を解明
木暮泰寛、片岡圭亮(血液内科) - 免疫機能がコレステロール調節機構を利用し炎症を収束させる仕組みを解明 高橋勇人、天谷雅行(皮膚科)
- 疲弊したCAR-T細胞を若返らせ、強い抗腫瘍効果をもつCAR-T細胞の作製に成功 安藤眞、吉村昭彦(微生物学免疫学教室)
- 2021年
- 新生児線状IgA水疱性皮膚症 ~発生メカニズムの解明~
江上将平、山上淳、天谷雅行(皮膚科) - 大腸に小腸の機能をもたせる細胞移植技術を開発
杉本真也、佐藤俊朗(坂口光洋記念講座(オルガノイド医学))、小林英司(循環器内科) - さまざまな動物種から高品質のiPS細胞を作製することに成功
吉松祥、岡野栄之(生理学教室) - 免疫の暴走を開始時に防ぐ仕組みを解明
竹馬俊介、吉村昭彦(微生物学免疫学教室) - 光照射とゲノム編集で妊娠をピンポイントに調節することに成功
丸山哲夫(産婦人科) - 毎日1時間の水素吸入が自律神経のバランスを整え、降圧効果を発揮 多村知剛(救急科)、佐野元昭(循環器内科)、小林英司(ブリヂストン臓器再生医学寄附講座)
- 血管とリンパ管の独立性が維持される仕組みを解明 久保田義顕(解剖学教室)
- 潰瘍性大腸炎治療薬の青黛が肺高血圧症を起こすメカニズムを解明
平出貴裕、片岡雅晴、福田恵一(循環器内科)、寺谷俊昭、金井隆典(消化器内科) - 新たな糖尿病治療薬の効果を現場で検証する~SGLT2阻害薬に関する多国籍共同解析~ 香坂俊(循環器内科)
- 新生児線状IgA水疱性皮膚症 ~発生メカニズムの解明~
- 2020年
- 心血管病のバイオマーカーと血漿アルブミンが究極の長寿と関連 ~スーパーセンチナリアンの生物学的特徴~
新井康通、岡野栄之(百寿総合研究センター) - 新しいがんイメージングDIIFCO法の開発~がん微小環境を三次元レベルで解析可能に~
田中伸之、大家基嗣(泌尿器科) - オラネキシジンによる消毒で⼿術部位感染を半減
竹内優志、尾原秀明(一般・消化器外科) - 精神神経疾患の関連分子が神経細胞を正しく配置させるしくみを発見
廣田ゆき、仲嶋一範(解剖学教室) - シェーグレン症候群の唾液腺における自己抗体産生
竹下勝(リウマチ・膠原病内科) - 肺動脈の発生を染めて先天性心疾患の病態を探る
石崎怜奈、内田敬子、山岸敬幸(小児科) - 不安症患者さんに対してマインドフルネスの効果が示されました 二宮朗(精神・神経科)
- 尿酸降下薬による腎保護メカニズムの解明
~質量分析イメージングによる腎代謝解析~
藤井健太郎、宮下和季(腎臓・内分泌・代謝内科) - 汗孔角化症の発症メカニズムを解明
〜日本人の400人に1人が発症素因を持つことが明らかに〜 久保亮治(皮膚科)
- 心血管病のバイオマーカーと血漿アルブミンが究極の長寿と関連 ~スーパーセンチナリアンの生物学的特徴~
- 2019年
- 心停止患者から提供された臓器を水素ガスによって移植可能な臓器へと蘇生させる新たな技術の開発に成功
佐野元昭、小林英司(水素ガス治療開発センター) - 肝臓の炎症を抑制する免疫細胞を発見~急性肝不全に対する新たな治療法の開発に期待~
幸田裕造、中本伸宏、金井隆典(消化器内科) - 関節リウマチの病態に関わるT細胞の詳細解析
竹下勝(リウマチ・膠原病内科) - 加齢に伴う神経新生の低下機構を解明
~老化による脳萎縮を部分的に防ぐことに成功~
加瀬義高、岡野栄之(生理学) - 根気を生み出す脳内メカニズムの発見
~粘り強さは海馬とセロトニンが制御する~
吉田慶多朗、田中謙二(精神・神経科) - ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)による腎保護作用のメカニズム
田島敬也、脇野修、伊藤裕 (腎臓・内分泌・代謝内科) - 心電図からカテーテル治療の要否を判断するAIの開発
後藤信一、佐野元昭(循環器内科) - 「豊かな環境」によるドライアイ予防・改善の可能性 佐野こころ(眼科学)
- ヒト上皮幹細胞の新規培養技術の開発
藤井正幸、佐藤俊朗
(坂口光洋記念講座(オルガノイド医学)) - 新しい分子イメージング法による高血圧症の原因解明
杉浦悠毅、西本紘嗣郎(医化学) - 脳梗塞における神経症状回復を促す新規免疫細胞の発見 伊藤美菜子、吉村昭彦(微生物学・免疫学)
- 顕微鏡で観察するがん免疫の世界とその分類 紅林泰、坂元亨宇(病理学)
- 記憶・学習のしくみを理解し、操作するための新しい技術
掛川渉(生理学) - ヒト多能性幹細胞から高効率に骨格筋を分化させる方法
秋山智彦、洪実(坂口光洋記念講座(システム医学))
- 心停止患者から提供された臓器を水素ガスによって移植可能な臓器へと蘇生させる新たな技術の開発に成功
- 2018年
- 抗菌薬の隠された作用のメカニズムの解明~薬剤耐性対策につながる成果~
南宮湖、石井誠(呼吸器内科) - iPS細胞技術を用いた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解析と創薬研究
藤森康希、岡野栄之(生理学) - 10億個のヒトiPS細胞由来の心室筋細胞を一度に作製する方法の開発
遠山周吾、藤田淳 (循環器内科) - 横紋筋融解症に続発する腎不全の新たなメカニズムの解明
大久保光修、平橋淳一(総合診療教育センター) - iPS細胞を用いた胎児の形態異常の解明
奥野博庸(生理学) - 紫光(バイオレットライト)の成人強度近視に対する近視進行抑制の可能性
鳥居秀成、根岸一乃(眼科) - 口腔には腸管に定着すると免疫を活性化する細菌がいる
本田賢也、新幸二(微生物学・免疫学) - 新しい遺伝子発現システムによる心筋細胞の誘導と心臓再生への応用
梅井智彦、家田真樹(循環器内科) - 広汎性子宮頸部摘出術後妊娠における残存頸管長と早産リスクの関連は?
宮越敬(産婦人科) - リン代謝を制御するものは老化を制御する
宮本健史(整形外科) - DNAメチル化解析による脊髄移植後の腫瘍化の原因解明
飯田剛(整形外科)
- 抗菌薬の隠された作用のメカニズムの解明~薬剤耐性対策につながる成果~
- 2017年
- HDLコレステロールが低い日本人の冠動脈疾患死亡リスク
平田 匠(百寿総合研究センター) - 細胞周期の異常はがんの進展にとって敵にも味方にもなる
石澤丈(先端医科学研究所) - 脳梗塞後の炎症が収まる仕組みの解明と治療への応用
七田 崇、吉村 昭彦(微生物学・免疫学) - 腹外側線条体の神経細胞が意欲の維持に関わる
滝上紘之(生理学、精神・神経科) - 非小細胞肺がんで使用される分子標的薬の耐性化メカニズムの解明
額賀重成(呼吸器内科) - 内耳性難聴に対するiPS創薬研究-新規病態の発見と治療薬の同定-
藤岡 正人、細谷 誠(耳鼻咽喉科) - 食べ過ぎが糖尿病や心血管疾患の発症を起こすメカニズムを解明
白川公亮(循環器内科) - バルプロ酸への胎内曝露が胎児の大脳皮質形成を障害する
藤村公乃(小児科) - 血液を作る幹細胞がストレスを受けて増殖する仕組みを発見
雁金大樹(血液内科) - 間葉系幹細胞の免疫性線維化における役割
小川葉子(眼科)、森川暁(歯科・口腔外科) - 肥満に伴う大腸マクロファージによる炎症が糖尿病発症につながる
川野義長(腎臓・内分泌・代謝内科) - 眼球内の不要となった血管を退縮させる仕組み
久保田義顕(機能形態学)
- HDLコレステロールが低い日本人の冠動脈疾患死亡リスク
- 2016年
- iPS細胞を高品質かつ高効率に作製する方法の開発
國富晃(循環器内科) - MIRAGE症候群の発見
鳴海 覚志、長谷川奉延(小児科) - 日本における認知症の社会的コスト
佐渡充洋(精神・神経科) - 神経細胞の興奮の起こりやすさを制御する新しいメカニズムを解明
松田恵子(生理学) - 新規筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスの樹立に成功
椎橋 元(神経内科) - 脳や脊髄の「ミエリン」をMRIで可視化する新技術
中原 仁(神経内科) - 椎間板変性に対する新規治療薬の開発
藤田順之(整形外科) - 乳酸アシドーシスの新規治療法の開発
南嶋洋司(医化学) - 本来の位置にたどり着けない神経細胞が及ぼす脳への影響
久保健一郎(解剖学) - 百寿者から探る健康長寿の秘訣
新井康通(百寿総合研究センター) - iPS細胞から神経細胞を作り分ける新技術
今泉研人(医学部5年) - 腸管免疫の恒常性における腸内細菌の役割
柏木一公(微生物学・免疫学)
- iPS細胞を高品質かつ高効率に作製する方法の開発
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 尿細管-糸球体連関:糖尿病性腎症の新しい発症メカニズムの解明
長谷川一宏(腎臓・内分泌・代謝内科) - 神経幹細胞を作る
赤松和土(生理学) - 難聴に対する、薬剤を用いた内耳有毛細胞の再生医療
藤岡 正人(耳鼻咽喉科) - 脳・脊髄のガン(グリオブラストーマ)に対する新たな分子標的治療戦略
岩波 明生(整形外科) - がん幹細胞におけるCD44vを介した治療抵抗性の獲得メカニズム
永野 修(先端医科学研究所) - ヒトES・iPS細胞からつくった心筋細胞で心臓病を治すには?
遠山周吾(循環器内科) - 造血幹細胞を老化から守る代謝制御メカニズム
田久保 圭誉(発生・分子生物学) - 重症喘息に効く新しい薬を創る! -オメガ3脂肪酸の抗炎症作用-
宮田 純(呼吸器内科) - 血漿アミノ酸プロファイルを用いたIBDバイオマーカーの確立
久松理一(消化器内科) - がん血管のみではたらく血管増殖メカニズム
久保田義顕(総合医科学研究センター)
- 尿細管-糸球体連関:糖尿病性腎症の新しい発症メカニズムの解明
- 2012年