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ホーム > あたらしい医療 > スギ花粉症に対する舌下免疫療法  -耳鼻咽喉科-

スギ花粉症に対する舌下免疫療法  -耳鼻咽喉科-

はじめに

平成26年10月より、スギ花粉症に対する舌下免疫療法が保険適応となりました。この治療の開始時期は限定されています。じんましん、息苦しさ、口の中の腫れといったアナフィラキシー反応を回避するため、スギ花粉の飛散期は本治療を開始できません。具体的には、スギ花粉飛散が終了後しばらく経過して、花粉症患者のスギ花粉に対する過敏性が落ち着く時期、すなわち7月から12月初旬までが開始時期となります。

当院ではアナフィラキシー反応に対して当院薬剤部、救急部との協力体制で治療体制を整備してまいりました。当院耳鼻咽喉科はアレルギー認定施設として認可を受けており、アレルギー専門医かつ舌下免疫療法講習会を受講し資格を得た上で行っております。

アレルギーを引き起こす原因物質のことをアレルゲン(抗原)と呼びます。スギ花粉症はアレルギー性鼻炎であり、その原因物質は、もちろんスギ花粉です。

免疫療法とは、そのアレルゲンを少量から患者さんに投与していき、アレルギー性鼻炎症状を緩和します。現在、免疫療法には、アレルゲンを注射する皮下免疫療法、舌下に投与する舌下免疫療法があります。

舌下免疫療法

舌下免疫療法では、舌下にアレルギーの原因となる抗原を低濃度から投与し始め、徐々に増量していき、最高濃度まで増やします。毎日投与することでアレルゲンに対する過敏性を減少させます。最低でも3年間毎日継続していただくことが重要ですが、その有効性は60-70%といわれております。有効例では治療終了後も長期にわたり症状を抑えることが期待できます。本治療のためには鼻内所見を確認し、血液検査を行い、スギ花粉に対する血清抗体を検査し、結果を判定した上で治療を行います。なお検査結果が出るまでに約2週間かかります。

舌下免疫療法

副作用などご留意いただきたいこと

副作用としては、軽度のもので、口内炎、口腔内腫脹(主に舌下腫脹)、口腔そう痒、不快感、ピリピリ感等があり、重度のものはアナフィラキシーショックとして血圧低下がおこりえます。また、本治療を何らかの理由で1週間以上中断された場合、最初の濃度からやりなおさなくてはなりません。投与後2時間は激しい運動をさけなくてはなりません。また、複数のアレルゲンに対してアレルギー性鼻炎を有する場合、気管支喘息を有する場合は効果が出にくいことが知られております。保険適応は12歳以上です。また、β遮断薬、ステロイドを内服している場合、本治療は禁忌です。投与開始されてから数か月間は2週間ごとに処方が必要です。落ち着けば1か月ごとになります。

他アレルゲンに対する免疫療法

スギ花粉をはじめダニによるアレルギー性鼻炎に対する免疫療法も平成28年以降保険適応になる予定ですが、当院の実施予定は未定です。

専門外来のご案内

アレルギー専門外来は火曜日午前に行われておりますが、初診(水曜日午前:担当神崎)までご相談いただくようお願い申し上げます。

文責:耳鼻咽喉科外部リンク

執筆:神崎 晶

最終更新日:2015年12月1日
記事作成日:2015年12月1日

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