尿・便色の変化
尿・便色の変化
薬の服用により、尿や便の色調が変化することがあります。必ずしも常に起きるのではなく、その投与量や含有濃度によって着色されなかったり、色調が異なることがあります。 |
どうして?
- 薬やその代謝物による着色
服用した薬そのものの色が着色したり、薬が体内(肝臓等)で分解、代謝された代謝物によって、変色が起きます。 - 薬がアルカリ尿を着色
正常尿のpHは平均6程度。何らかの原因でアルカリ性に傾いた尿の場合、同時に服用すると尿を着色させる薬があります。 - 薬の服用により、ある一定の病態や障害を引き起こして着色
1と2のような変化は一時的なものなので、ほとんどの場合、薬剤の服用をやめた時点から正常に戻りますが、3の場合は他の病気につながる危険があるので要注意です。
1と2のような変化は一時的なものなので、ほとんどの薬剤は服用をやめた時点から正常に戻りますが、3の場合は他の病気につながる危険があるので要注意です。
たとえばどんな薬?
尿の色が変化する薬剤
尿の色 |
薬効 |
薬品名 |
---|---|---|
赤色 |
鎮咳去痰薬 |
ヒベンズ酸チペピジン(アスベリンⓇなど) |
黄赤色 |
潰瘍性大腸炎治療薬 |
サラゾスルファピリジン(サラゾピリンⓇなど) |
黄褐色~赤色 |
下剤 |
センナ(アローゼンⓇなど)、 |
橙赤色 |
抗結核薬 |
リファンピシン(リファジンⓇなど)、他 |
黄色 |
ビタミンB2薬 |
リボフラビン(ハイボンⓇ、ノイロビタンⓇなど) |
暗赤色 |
抗トリコモナス薬 |
メトロニダゾール(フラジールⓇ) |
黒色 |
血圧降下薬 |
メチルドパ(アルドメットⓇなど) |
琥珀色または黄緑色 |
抗アンドロゲン薬 |
フルタミド(オダインⓇ) |
便の色が変化する薬剤
便の色 |
薬効 |
薬品名 |
---|---|---|
白色 |
X線造影剤 |
硫酸バリウム |
黒色 |
止寫薬 |
次硝酸ビスマス |
赤色 |
抗生物質 |
セフジニル(セフゾンⓇ) |
橙赤色 |
抗結核薬 |
リファンピシン(リファジンⓇなど)、他 |
緑色 |
胃炎・消化性潰瘍治療薬 |
銅クロロフィリンナトリウム配合剤(メサフィリンⓇ) |
一般的な尿・便の色について
<尿>
黄色ないし黄褐色のビール様の色調を呈しています。尿量は、普通1日1~1.5Lですが、水分やアルコール摂取量、発汗などに左右されます。尿量が増せばその色は薄くなり、減れば色が濃くなります。また、食事の影響で、動物性食品を多食すると尿は酸性になり色が濃く、植物性食品を多食するとアルカリ性に傾き、色は薄くなります。
<便>
黄褐色から暗褐色を呈しています。しかし、食物により変化します。肉食が多ければ黒褐色に、植物性の食物が多ければ黄色に、葉緑素や鉄分を多く含むものを食べれば緑黒色になります。ただし、消炎鎮痛剤を服用中に消化管出血により黒くなる場合があるので、その時は、医師または薬剤師にご連絡ください。
文責:薬剤部
最終更新日:2018年3月5日