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ホーム > 検査を知る > 内視鏡検査 > 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)

ちょうおんぱないしきょうかせんしきゅういんほう

概要

膵臓や心臓の周りの縦隔のように体の深部にある病気は、診断のために針で臓器の一部を吸引することが困難であり、検査のために開腹手術をすることもありました。そのため、しっかりと病気の診断がつかないまま診断を兼ねて手術を行ったり、時には抗がん剤治療をせざるを得ないことがありました。そのような中、内視鏡の先端に付けた超音波で病変を確認しながら針を刺す検査方法(Endoscopic UltraSound-guided Fine Needle Aspiration:EUS-FNA)が開発され2010年より保険診療として認可されました。より安全かつ効率よく診断できることから、世界的に本検査方法が一般的に行われるようになりました。

検査で分かること

体の外側からのアプローチが困難な病変に対して、体の内側、具体的には食道、胃、十二指腸などの消化管を通して病変に生検針を穿刺し(図1)、内視鏡的に組織を採取することが目的です。対象となる病変は、胃・十二指腸・大腸の粘膜下腫瘍、膵臓、胆道、肝臓の腫瘍、腹腔内リンパ節、縦隔や後腹膜腫瘍などです。

検査の実際

施行後の合併症発生時に対処しやすいように基本的には入院での施行となります。超音波内視鏡は、内視鏡の先端に超音波を発するプローブが装着されている特殊な内視鏡です。鎮静剤の注射により患者さんを半分寝ている状態にしたうえで、内視鏡を胃や十二指腸まで到達させ、超音波画像で病変を評価します。続いて内視鏡の中を通過させた専用の針を用いて病変の穿刺を行います(図1)。採取した組織は病理診断医が顕微鏡で細かく観察し、今後の治療方針を決定する材料とします。検査時間は通常30~60分程度です。

図1

図1

そのほかの注意

穿刺に伴う出血、消化管穿孔、他臓器穿刺、感染症、膵炎などが起こりえますが、いずれの合併症も発症頻度は1%未満であり重篤化することは非常にまれです。発症した場合には緊急の処置や治療、入院期間の延長などにより最善の対応をします。

慶應義塾大学病院での取り組み

本処置は高い技術と特殊な処置具が必要であり、施行件数の多い施設での施行が勧められます。当院ではこの1年間(2014年10月~2015年10月)に46件のEUS-FNAを施行しております。検査時間は38分ほど、組織採取率は97%、正診率は87%と、良好な成績となっております。

文責: 消化器内科外部リンク
最終更新日:2021年11月16日

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