喉頭内視鏡検査と発声機能検査
喉頭ファイバースコピー検査
声帯のある喉頭(こうとう)を検査する最も一般的な検査です。直径3mmの細いファイバースコープですので、鼻から検査することができ、「ゲッ」となるような反射が少なく、楽に検査ができます。検査の前に鼻腔を局所麻酔薬のスプレーで麻酔します。座っている状態で鼻腔から軟性のファイバースコープを挿入して検査を行います。
上咽頭、中咽頭、下咽頭、声帯、喉頭蓋(こうとうがい)、披裂部(ひれつぶ)など、のどの重要部分について形態、色調、左右の対称性、運動障害の有無、腫瘍を疑う所見がないかを詳細に観察します。安静時に加えて発声、呼吸や唾液の嚥下などの運動をしてもらい、運動障害の有無や嚥下の状態を、より細かく観察します。内視鏡の種類によってはビデオ記録することが可能です。
喉頭ストロボスコピー検査
声帯は通常の発声でも成人男性で100ヘルツ以上、成人女性で200ヘルツ以上の周波数で高速振動するため、通常の光を使っても発声中の声帯振動を観察することができません。しかし、きわめて短い閃光(ストロボ)を連続的に発光させる装置と硬性内視鏡(こうせいないしきょう)を使って声帯を上方から観察すると、発声中の声帯振動をスローモーション像ないしは静止像として観察することができます。この方法で声帯振動を観察する検査を喉頭ストロボスコピー検査といいます。
検査の方法は患者さんにやや前かがみに椅子に座った状態で口を開けてもらい、硬性内視鏡を挿入して発声している状態の声帯を、モニターを通して観察します。
検査の目的は、声帯の病気を声帯振動の障害と関連づけて診断することです。声帯の粘膜波動が左右対称かどうか、振動が規則的かどうかということを、楽な発声だけでなく高音や低音、小声や大声などいろいろな発声条件で観察します。
この検査で声帯腫瘍、声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯などの様々な声帯の病気が診断可能です。
発声機能検査
声の状態、病気の重症度や治療効果を主観的または客観的に評価し、適切な治療方針をたてるための検査です。マイクやマウスピースを用いて、声の高さや強さ、音質(声の揺らぎ・雑音成分など)、発声の効率(発声時の空気の漏れ、声の持続時間)などを調べる検査を行います。また、音声に関する自己記入形式の質問紙を用いた満足度も調査します。主に「音声検査」と「音声評価」の予約検査枠で行っています。
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文責:
耳鼻咽喉科
最終更新日:2017年3月22日