体位変換検査
たいいへんかんけんさ
概要
起立性低血圧とは、立ち上がった時に血圧が異常に低下してしまう病態です。その際に脳への血流量が保たれないため、立ちくらみ、めまい、場合によっては失神を起こすこともあります。体位変換検査には、患者さんに起立してもらい能動的に行われるSchellong test(シェロンテスト)と、検査台に寝てもらって、検査台が立ち上がることで受動的に行われるHead-up tilt test(ヘッドアップティルト試験)の2つがあります。健康な人では、横になっている状態から立ち上がる時には、体を流れている血液が下半身に多く溜まるため、心拍出量が減少する傾向になるのですが、同時に脈拍数や心収縮を増やすことにより心拍出量や血圧を正常に保とうとします。全身の動脈の収縮も起きて、血圧の維持を行います。しかし、自律神経が障害されると脈拍の増加や血管収縮がうまくいかず、起立時の血圧の低下が引き起こされることもあります。この2つの検査では、体位と血圧や脈拍数の関係を調べることにより自律神経機能の評価を行います。
所要時間
10分間
検査を受ける前に
ヘッドアップティルト試験では10分間の安静をとります。
検査の実際
- 検査台の上に臥床していただきます。
- 血圧測定用のマンシェットなどを取り付けます。
- 安静をとります。
- 検査台で起立位をとり、血圧や脈拍の変動をコンピューター・ソフトで解析します。
- 息ごらえなどをした際の、血圧変動を観察する検査も行います。
検査後の注意
軽い気分不快が出ることもありますが、通常問題はありません。
文責:
神経内科
最終更新日:2024年6月26日