MRI(一般)
概要
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの頭文字をとった略語で、電磁石と電波を利用した画像診断法です。強力な電磁石をもつ、トンネル状の装置の中に入っていただいたうえで電波を当て、その反射波を解析することにより画像を得ます。任意の断層面が得られ、放射線被ばくがない点が本検査の特徴です。頭部 (図1:脳梗塞(白矢印))、脊椎、胸部、腹部、骨盤 (図2:子宮筋腫(白矢印))、四肢などの様々な部位の病変の検出に優れており、診断や経過観察に用いられています。
MRAとは、Magnetic Resonance Angiographyの頭文字をとった略語です。低侵襲に脳動脈瘤などの有無を含め、全身の血管を描出します。造影剤を用いずに血管像を描出できることが本検査の長所ですが、検査部位や目的により、造影剤を用いることもあります。(図3)
図1
図2
図3
所要時間
検査部位や検査内容によって異なりますが、概ね以下のとおりです。
頭部:15分~30分
脊椎:15分
乳腺:30分
心臓:30分~60分
腹部:15分~40分
骨盤:20分~30分
四肢:20分
検査を受ける前に
- 心臓ペースメーカや除細動器を埋め込まれている方は検査を受けることができません。ただし、これらのデバイスでも、条件付きでMRI検査ができるものもあります。詳しくは、「条件付きMRI対応心臓ペースメーカとMRI検査」をご参照ください。
- 医療用を含めて金属が体内に留置されている方は検査を受けられないことがあります。体内に金属が入っている方は事前に医師にご相談ください。
- 金属(ヘアピン、はさみ、鍵など)や磁気記録媒体(クレジットカード、キャッシュカードなど)、電子機器(時計、携帯電話など)は検査室に持ち込めません。また眼鏡、補聴器、取り外しのできる義歯、エレキバン、金属のついた下着、カラーコンタクトレンズなども事前に外していただきます。
- MRI検査で被ばくはしませんが、妊娠13週までは、国際MR学会(ISMRM)の勧告に従い検査しておりませんので、妊娠中の方あるいは、妊娠の可能性のある方はお申し出ください。
- 閉所恐怖症の方は事前に医師にご相談ください。
- MRCP(胆嚢・胆管や膵臓を対象としたMRI検査)を含めた上腹部を対象としたMRI検査では、検査4時間前から飲食を控えていただきます。また、小腸の評価をおこなうMRエンテログラフィーでは、特別に決められた検査前の準備があります。それ以外には、検査前の飲食制限はありません。ただし、消化管内視鏡検査など他の検査をあわせて行う場合には、他検査についての注意を守ってください
検査の実際
- ストレッチャーや車いすの患者さんは検査室の前で検査用寝台に移動します。
- 通常は検査用寝台に仰向けに寝て、ベルトで体を固定した後、トンネルの中に入ります。検査によっては(例えば乳腺のMRI検査)腹ばいになっていただくこともあります。検査中は動かないでください。
- 検査中は大きな音が響きますが、機械の音ですので安心してください。検査中は耳栓をしていただきます。事前にお伝えしますが、正しい方法で装着してください。
- 検査時に緊急コール用のゴムボールをお渡しします。MRIにはインターフォンが内蔵されていますので、何か不都合がありましたら寝たままでお話しください。検査担当者が対応します。
検査後の注意
造影剤を使用した場合、気分不快や発疹など様々なアレルギー反応が起こる場合があります。検査中に何か異常がありましたら検査担当者にお話しください。また帰宅中、帰宅後にこのような症状があった場合、医療施設をご受診ください。
文責:
放射線診断科
最終更新日:2023年9月13日