音声ブラウザ専用。こちらよりメニューへ移動可能です。クリックしてください。

音声ブラウザ専用。こちらよりメインコンテンツへ移動可能です。クリックしてください。

KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
お探しの病名、検査法、手技などを入れて右のボタンを押してください。
慶應義塾
HOME
病気を知る
慶應発サイエンス
あたらしい医療
KOMPASについて

ホーム > 病気を知る > 腎臓と尿路の病気 > 勃起障害

勃起障害

ぼっきしょうがい

概要

勃起障害(勃起不全、ED:Erectile Dysfunction)は勃起しない、または勃起が持続しないために満足な性交ができない状態と定義されています。国内では、中等度EDと完全EDを合わせておよそ1,130万人の患者さんがいると推定されています。

  1. 加齢
  2. 喫煙
  3. 高血圧・糖尿病・脂質代謝異常
  4. 肥満および運動不足
  5. うつ病
  6. 前立腺肥大症などの下部尿路症状
  7. 薬剤:降圧剤や精神疾患の薬剤が多いです。

診断

EDであるかどうかは、定義「満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと」に当てはまれば診断できるので、患者さん自身でも診断可能です。
EDがどんなものかの鑑別診断は、ED専門医が行いますが、下記のいくつかの検査や問診を行います

問診

EDの発現の時期、EDの原因となる病気(糖尿病、動脈硬化症、骨盤内手術や外傷の有無、精神疾患など)やEDを引き起こすとされる内服薬の服用の有無や他の性機能障害(射精障害、性欲障害など)の合併の有無やパートナーとの関係などをお聞きします。

またEDの程度を客観的に判断するために国際勃起機能スコア(IIEF5)といわれる質問表を記入していただきます。具体的には下記5つの質問を5段階で評価します。

  1. 勃起を維持する自信の程度はどのくらいですか。
  2. 性的刺激による勃起の場合、何回挿入可能な勃起の硬さになりましたか?
  3. 性交中、挿入後何回勃起を維持することができましたか?
  4. 性交中、性交が終るまでに勃起を維持するのにどれくらい困難でしたか?
  5. 性交を試みた時に何回満足に性交ができましたか?

検査

勃起に関係する内分泌ホルモン(血中テストステロン・LH・FSH・プロラクチンなど)や血糖値、コレステロール値などを採血にて検査します。また、夜間陰茎の膨張度を評価する検査や陰茎内の血流の程度を確認する超音波検査を行うことがあります。

治療

薬物療法

治療の目的は満足のいく性的関係を回復することにあり、単に硬い勃起を得ることではありません。一般には心理療法、薬物療法が行われますが、泌尿器科外来では、薬物治療が治療の中心となります。PDE-5阻害剤というバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類を患者さんの状態に合わせて処方しま す。有効率は60~80%です。大切な点は、これらの薬剤を使用するにあたり、他の薬剤との併用禁忌、注意を守ること、副作用の発現に十分注意すること、使用方法をきちんと守ることにあります。当外来では血液検査、尿検査、心電図検査、他の薬剤の服用状況などを調べた上で処方します。
この他、血液検査にてテストステロンが低い患者さんにおいて、性機能の改善のためにテストステロン補充療法(エナルモンデポ筋肉注射)を行うことがあります。
高血圧・糖尿病・心疾患・うつ病などが新たに発見された場合は、関係する診療科をご紹介します。
内服されている薬剤が原因となりEDが疑われる場合は、原因薬剤の中止や減量・変更を考慮します。

その他の治療法

  • 海綿体注射
    わが国においては治療として認可されていませんが、プロスタグランディンといわれる薬剤を陰茎海綿体に注射する方法です。陰茎痛や持続勃起症などの合併症がおきることがあります。
  • 陰圧式勃起補助具
    医師による指導のもと、陰茎に陰圧をかけて陰茎内に血液を吸引した後に陰茎基部にゴムバンドをまいて血液を滞留させる方法です。
  • プロステーシス挿入術
    プロステーシスといわれる器具を手術によって陰茎海綿体に埋めこむ方法です。この方法は手術を必要とするうえに、一度埋め込むと取り出すのが難しくなるため、他の治療法が失敗に終ったあとに選ばれたケースにのみ実施されます。

生活上の注意

喫煙している方は禁煙をお勧めします。
肥満や運動不足がある方は生活習慣の改善・運動をお勧めします。
高血圧・糖尿病・心疾患・うつ病などが新たに発見された場合は、関係する診療科をご紹介します。
内服されている薬剤が原因となりEDが疑われる場合は、原病の治療に差し支えない範囲での原因薬剤の中止や減量・変更を考慮します。

文責: 泌尿器科外部リンク
最終更新日:2017年2月28日

▲ページトップへ

慶應義塾HOME | 慶應義塾大学病院