尿・便色の変化

最終更新日:2025年03月27日
記事公開日:2009年02月01日
文責:薬剤部外部リンク

尿・便色の変化

薬の服用により、尿や便の色調が変化することがあります。必ずしも常に起きるのではなく、その投与量や含有濃度によって着色されなかったり、色調が異なることがあります。

どうして?

  1. 薬やその代謝物による着色
    服用した薬そのものの色が着色したり、薬が体内(肝臓等)で分解、代謝された代謝物によって、変色が起きます。
  2. 薬がアルカリ尿を着色
    正常尿のpHは平均6程度。何らかの原因でアルカリ性に傾いた尿の場合、同時に服用すると尿を着色させる薬があります。
  3. 薬の服用により、ある一定の病態や障害を引き起こして着色
    1と2のような変化は一時的なものなので、ほとんどの場合、薬剤の服用をやめた時点から正常に戻りますが、3の場合は他の病気につながる危険があるので要注意です。

1と2のような変化は一時的なものなので、ほとんどの薬剤は服用をやめた時点から正常に戻りますが、3の場合は他の病気につながる危険があるので要注意です。

例えばどんな薬?

尿の色が変化する薬剤

尿の色 薬効 薬品名
赤色 鎮咳去痰薬
抗生物質
鎮痙薬
ヒベンズ酸チペピジン(アスベリンⓇなど)
セフジニル(セフゾンⓇなど)
臭化チメピジウム(セスデンⓇなど)
黄赤色
(尿がアルカリのとき)
潰瘍性大腸炎治療薬 サラゾスルファピリジン(サラゾピリンⓇなど)
黄褐色~赤色
(尿がアルカリのとき)
下剤

糖尿病性末梢神経障害薬

センナ(アローゼンⓇなど)、
センノシド(プルゼニドⓇなど)
エパルレスタット(キネダックⓇなど)
橙赤色 抗結核薬 リファンピシン(リファジンⓇなど)、他
橙黄色 止血薬 カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム(アドナⓇ)
黄色 ビタミンB2薬 リボフラビン(ハイボンⓇ、パンビタンⓇなど)
赤褐色 抗パーキンソン薬 エンタカポン(コムタンⓇ)
暗赤色 抗トリコモナス薬 メトロニダゾール(フラジールⓇ)
黒色 血圧降下薬
抗パーキンソン薬
メチルドパ(アルドメットⓇなど)
レボドパ(ネオドパストンⓇなど)
琥珀色または黄緑色 抗アンドロゲン薬 フルタミド(オダインⓇなど)
黄褐~茶褐色、緑、青 抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシンⓇ)

便の色が変化する薬剤

便の色 薬効 薬品名
白色
(白色の残渣も含む)
X線造影剤
抗てんかん薬
潰瘍性大腸炎治療薬
硫酸バリウム
バルプロ酸ナトリウム除放錠(デパケンⓇなど)
メサラジン(ペンタサⓇ)
黒色 止寫薬
鉄剤
次硝酸ビスマス
硫酸鉄(フェロ・グラデュメットⓇなど)、クエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミアⓇなど)、他
赤色 抗生物質 セフジニル(セフゾンⓇ)
橙赤色 抗結核薬 リファンピシン(リファジンⓇなど)、他

一般的な尿・便の色について

<尿>

黄色ないし黄褐色のビール様の色調を呈しています。尿量は、普通1日1~1.5Lですが、水分やアルコール摂取量、発汗などに左右されます。尿量が増せばその色は薄くなり、減れば色が濃くなります。また、食事の影響で、動物性食品を多食すると尿は酸性になり色が濃く、植物性食品を多食するとアルカリ性に傾き、色は薄くなります。

<便>

黄褐色から暗褐色を呈しています。しかし、食物により変化します。肉食が多ければ黒褐色に、植物性の食物が多ければ黄色に、葉緑素や鉄分を多く含むものを食べれば緑黒色になります。ただし、消炎鎮痛剤を服用中に消化管出血により黒くなる場合があるので、その時は、医師または薬剤師にご連絡ください。


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