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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する新しい治療 -血液内科-

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは

ITPは止血に必要な血小板が、10万/μL以下に減少する良性の血液疾患です。国内に約2万人の患者さんがいて、国の難病に指定されています。主な症状は手足のあざと月経過多ですが、約1%の重症例に脳出血を合併することがあります。血小板数が3万/μL以下の患者さんは、健康な方と比べて死亡率が約4倍高くなることから治療が必要になります。

新しい治療薬トロンボポエチン受容体作動薬

2010年末から2011年にかけて、難治例の約80%に有効な新薬レボレードとロミプレートが登場し、ITPの治療が大きく変わりました。これまで治療が無効で血小板数が3万/μL以下の患者さんは約10%いましたが、新薬により血小板を増やし重篤な出血を避けることができます。臨床試験では、ステロイド治療を受けている患者さんの約80%でステロイドを中止あるいは減量することができ、糖尿病の悪化防止も期待できます。この新しい薬は血小板を産生する巨核球という骨髄中の細胞を増やすことにより、血小板数を上昇させます。臨床試験の結果では治療を開始してから約2~4週間で血小板が増えますが、薬を止めると血小板数は治療前の値に戻りますので主治医とよく相談しながら治療を継続しましょう。

表1 トロンボポエチン受容体作動薬の比較

薬品名

治療効果

用法・用量

特徴

レボレード

約80%

1日1回、
空腹時に内服

飲み薬のため通院回数が少なくてすみますが、空腹時に服用する必要があります。

ロミプレート

約80%

週1回、
皮下注射

食事とは関係なく効果を示し、他の薬剤との相互作用を気にしなくてすみますが、週1回の注射が必要です。


ITP治療の参照ガイド2012

2012年4月に厚生労働省の血液凝固異常症に関する調査研究班会議が、新しい治療指針「成人ITP治療の参照ガイド2012年版」を発表しました。(図1、図2)

治療の流れを解説します。ピロリ菌に感染している場合は、最初に除菌療法を行います。ピロリ菌に感染していない、もしくは除菌療法が無効な場合、副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)を用います。ステロイドは約80%の患者さんに有効ですが副作用が多いため、若年者もしくはステロイドの副作用が強い方には脾臓摘出術(脾摘)を勧めます。脾摘が無効または同手術の適応がなく出血リスクがある患者さんには、トロンボポエチン受容体作動薬を選びます(図2)。脾摘は唯一根治を期待できる治療法ですが約30%の方に無効であり、海外と同じように手術を避ける傾向が強くなっています。

図1 成人ITP治療の流れ

図1 成人ITP治療の流れ

図2 成人ITP治療の参照ガイド2012

図2 成人ITP治療の参照ガイド2012

リツキシマブの医師主導治験

リツキシマブはBリンパ球に対する抗体医薬品です。国内では悪性リンパ腫に対する抗がん剤として厚生労働省による承認を受けています。海外では自己免疫疾患であるITP、慢性関節リウマチ、血栓性血小板減少性紫斑病、後天性血友病、自己免疫性溶血性貧血などに対する免疫抑制剤として用いられています。リツキシマブはITPの約50%の方に有効であり、米国ではITP患者さんの約40%が脾摘前にリツキシマブによる治療を受けています。国内でも慢性ITPにリツキシマブを使えるようにするため、リツキシマブの医師主導治験(厚生労働科学研究 治験推進研究事業)を当院が中心になり進めています。治験に参加希望の方は、当院までご相談ください。

関連リンク

最終更新日:2012年7月2日
記事作成日:2012年7月2日

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