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認知症専門外来-神経内科と精神・神経科合同診療科の試み- -メモリークリニック-

はじめに

現在、わが国では85歳以上の4人に1人が認知症と考えられており、さらに、要介護・要支援認定を受けた高齢者の半数は認知症の症状が認められると報告されています。日本の人口構成の高齢化に伴い増加する認知症の医療と対策は、21世紀の避けられない重大な課題であります。このような社会的状況を見据え、慶應義塾大学病院では、神経内科(科長 鈴木則宏教授)外部リンクおよび精神・神経科(科長 三村 將教授)外部リンクの2診療科合同で、平成20年1月より認知症診療に特化した専門外来「メモリークリニック外部リンク」を開設しております。

メモリークリニックの特徴

当クリニックは、物忘れなど認知症の中核症状を主訴とする患者さんを対象に、専門的な評価、診断を行い、その後の治療や生活指導を行っていきます。主に、早期の認知症や、その前駆状態が含まれる軽度認知障害に質の高い診療を提供することを主眼としていますが、中等度以上の認知症の診療も対象としています。現在のところ担当医師は、若いスタッフを中心に認知症を専門とする神経内科3名、精神・神経科3名、言語聴覚師1名により構成され、科を超えた診療体制をとっているところが大きな特徴です。これまでの認知症診療においては、神経内科医のみでは、うつ病と認知症の鑑別や周辺症状の薬物療法に苦慮することがありました。また、精神・神経科医では、脳血管性認知症の内科的治療が困難な場合が多々あります。本クリニックでは、神経内科医および精神・神経科医という専門の異なる医師2名により総合的に診療します。個々の患者さんの症状に応じて神経内科医もしくは精神・神経科医がのちの外来診療を担当することにより、診療科の枠組みを超えた連携による診療体制を試みております。また、種々の高次脳機能の検査を用いて、客観的な認知機能評価を重視した診療を確立しております。さらに、2診療科合同で、定期にカンファレンスを開催し、綿密な症例検討と診療レベルの向上に取り組んでおります。

また、介護保険の早期からの利用や患者さんへの対応の仕方を指導するなど、ご家族の支援も行っていきます。すなわち、かかりつけ医などの地域医療機関・介護および福祉施設・地域社会との連携の中で中心的な役割を果たすことを目指しています。一般的な健康管理が円滑かつ迅速に行われるように、当クリニックに通院すると同時に自宅近隣のかかりつけ医や地域の病院を主治医として持つことをお勧めしています。地域医療機関との連携に関連して、認知症の診断・治療に関するセカンドオピニオンの求めにも積極的に応じていきます。さらに、一般の方々の認知症に対する認識と理解を高める目的で、市民公開講座も定期的に開催しております。

診療内容の実際

当クリニックは、患者さん及びご家族から詳しくお話を伺い様々なご相談に対応するため、完全予約制をとっております。診察は、月曜日から土曜日の午前中に行っております。初診の場合、一人30分程度の枠を設けて診察しています。診察前に問診票を記入していただきます。診察時には、身体診察以外に10-15分程度の神経心理検査を行い、簡単に認知機能の評価をいたします。認知症の疑いがある場合は、採血、脳の画像検査(MRI)、脳血流検査(SPECT)、脳波、詳細な神経心理検査(1-1.5時間)を予約で行います。次回の再診時は、症状に適した専門医、精神科医もしくは神経内科医の予約をいたします(図1参照)。図2にありますように、当クリニックの初診患者さんの3分の1はアルツハイマー病でありますが、10%以上で正常もしくは認知症以外(うつ病など)の診断の方もおられます。

図1.メモリークリニック初診患者の流れ

図1.メモリークリニック初診患者の流れ

図2.当院メモリークリニックの疾患分類、頻度

図2.メモリークリニックの疾患分類、頻度

正常の老化と認知症の違い

最後に、正常の老化現象と認知症の判断に関して簡単な表を記します。(下表参照)記憶障害に関しては、加齢による心配の要らない物忘れでは、体験の一部のみの物忘れで、ヒントを出すと思いだすことができます。一方、認知症では自分が体験したことを丸ごと忘れてしまっています。たとえば、去年の熱海への家族旅行で、「旅行に行ったことは覚えているが、夕食に何を食べたか」を忘れている場合は加齢による物忘れの範囲ですが、旅行に行ったこと自体をすっかり忘れてしまっている場合は認知症が疑われます。人の名前が思い出せなることはよくありますが、加齢による物忘れでは相手の顔を見ればそのひとが知人なのか何をしている人なのか区別がつきます。しかし、認知症では顔を見ても知り合いなのかどうかもかわからなくなります。その他に、時間や季節の感覚が薄れていき、真夏にコートを着たり、家に帰る道がわからなくなったりします。さらに、今までできていた「ATMが使えなくなった」「料理ができなくなる」などの症状が出てきた場合、認知症を疑います。

表.年齢に伴う心配のいらない物忘れと認知症による物忘れの違い

老化による物忘れ

認知症による物忘れ

記憶

体験の一部を忘れている
ヒントで思い出せる

体験した全体を忘れている
特に、最近の出来事の記憶がない

見当識

人の名前が出てこないが顔を覚えている
自分のいる居場所がわかる

人の顔を忘れる
現在の時間、季節がわからない
自分のいる居場所 がわからない

日常生活

日常生活 支障無く生活できる

日常生活を営む事が困難

判断力

判断はできる

判断ができない

進行性

進行しない

進行する

人格

人格変化無く、維持される

人格崩壊を招く場合もある


当クリニックの受診または紹介を希望される方は、慶應義塾大学病院医療事務室初診受付(直通電話03-5363-3017)にご連絡ください。

最終更新日:2012年2月1日
記事作成日:2012年2月1日

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