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坐薬

坐薬とは

坐薬とは、医薬品を基剤に均等に混和し、一定の形状に成型して肛門又は膣に適用する固形の外用剤です。体温によって溶けるか、軟化するか、または分泌液で徐々に溶ける薬です。

<肛門坐薬>

挿入した時に自然に直腸内に入り、再排出しにくい型として先細りした魚雷型が一般に多く利用されています。この型は肛門内に入ると最大径の部分が肛門括約筋の収縮により排出しないようになっています。坐薬の大きさは、大きすぎても小さすぎても挿入しにくいので、重さでは大人で平均約2g前後、小児では1g前後が一般的です。また、坐薬は融解後の用量も考慮し、乳幼児の場合は1ml、小児の場合は1.5ml、大人で1.5~3mlが適当とされています。

<膣坐薬>

膣坐薬は、球形または卵形で、大きさは種々ありますが重さは平均して2~4gです。膣坐薬は、トリコモナス膣炎やカンジダ菌などによる女性泌尿器の感染症および避妊用等に用いられます。

坐薬の特徴

  • 直腸からの吸収は肝臓を通過しない部分があるため、薬物の分解が少ない。
  • 内服剤のように胃腸内の分解はない。
  • 注射剤や内服剤よりも安全で、注射剤のようなショックや内服剤にあるような胃腸障害がない。
  • 吸収には他剤や食事などの影響がなく、効果は比較的一定である。
  • 嘔吐・けいれんの場合も投与できる。
  • 味・臭いの悪い薬剤でも投与できる。
  • セルフメディケーション(自主服薬)として家庭療法に適する。

使用上の注意

1)挿入前の注意

  • 本剤は直腸・膣にのみ使用し、飲まないように注意してください。
  • 包装から取り出してから使ってください。
  • あらかじめ手をよく洗ってから取り出してください。
  • 排便してから使用してください。特に小児は、排便の有無を必ず確かめてから挿入してください。

2)挿入時の注意

  • 坐薬の後部をチリ紙やガーゼなどで摘み、先の太い尖端から肛門内や膣にできるだけ深く挿入してください。
  • 中腰か横向きに寝た姿勢で入れると挿入しやすく、4分の3ほど挿入した後、立ち上がると比較的簡単に挿入できます。膣坐薬は、両脚を広げた楽な姿勢をとり、清潔な人差し指で挿入してください。
膣錠の使い方 肛門坐薬の使い方
  • 冷却しすぎて挿入時に痛むときは、体温で暖めると挿入しやすくなります。また、軟化しすぎて挿入しにくいときは、いったん冷蔵庫か水(20度以下)に浸して固化してから挿入します。滑りにくいときは、坐薬を水またはグリセリンなどで濡らしてから挿入します。ただし、水は適さない場合があるので注意してください。
  • 肛門内に挿入した後、排出を防ぐため、4~5秒間押さえてください。

3)挿入後の注意

  • 挿入後20~30分間は、歩行や激しい運動を避けて安静にしてください。
  • 挿入後、異物感がありますが、10~30分後に完全に軟化溶解します。また、挿入後に水様の排泄物が出る場合がありますが、心配しないでください。

保管上の注意

  • この薬を飲んではいけません。
  • 小さいお子さんが使用しないよう、お子さんの手の届かないところに保管してください。
  • 冷所保存の坐剤は、冷所で保管してください。室温ないし室温以上の温度では、溶解点や主薬の放出時間などに変化を起こすことがあります。

文責:薬剤部外部リンク

最終更新日:2018年3月5日

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