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ホーム > 病気を知る > 脳・脊髄・神経の病気 > 先天性疾患 > くも膜のう胞

くも膜のう胞

くもまくのうほう

概要

頭の中の水(髄液)と同じ内容の液体が貯留した袋(のう胞)で、その周囲の膜がくも膜からなるものです。通常は先天性ですが外傷、出血、感染後の炎症等により生じたものは後天性(続発性)くも膜のう胞と呼ばれます。発生頻度は0.1~0.3%程度と言われており、男性に多く、また75%は小児期に発見されます。発生病態としては内外2葉に分かれたくも膜の間に液体が貯留したものと考えられていますが、大脳深部(鞍上部や四丘体部)や後頭蓋窩に発生するものは様々な説があり複雑です。現在では脳形成不全が原因でくも膜下腔が拡大して生じたものではないとされており、くも膜のう胞自体による発達障害は基本的に認めません。のう胞は増大することがありますがその時期は乳児期までが多いです。それ以降の増大の頻度は少なく、その速度や程度も軽度な場合が多いです。成人例ではほとんど増大することはありません。

症状

大部分は症状がなく、外傷等で画像検査をした際に偶然発見される場合が多いです。大きなのう胞で増大傾向のあるものは頭痛、けいれん、また視神経圧迫による視力障害などの神経圧迫症状、水頭症をきたすものは頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔吐など)を認めます。鞍上部のう胞は下垂体機能低下や思春期早発を起こす場合があります。また頭蓋骨の膨隆を認めることもあります。

診断

CT、MRIで診断は容易につけることができますが、手術の必要性の有無や方法について正しく判断するには髄液の循環動態を評価する必要があり、その場合にはCT脳槽造影やCine MRIが有用です。新生児期や乳児期には超音波(エコー)検査でも評価が可能です。

図1 10代女性でMRI上シルビウス裂から中頭蓋窩にかけてくも膜のう胞を認めます。症状は全くありません。

図1 10代女性でMRI上シルビウス裂から中頭蓋窩にかけてくも膜のう胞を認めます。症状は全くありません。

図2 新生児でMRI上大脳半球間裂にくも膜のう胞を認めます。その後も症状、発達等特に異常ありません。

図2 新生児でMRI上大脳半球間裂にくも膜のう胞を認めます。その後も症状、発達等特に異常ありません。

治療

くも膜のう胞による何かしら症状を呈している場合には基本的に手術の適応です。症状がない場合や、くも膜のう胞との関連がないと思われる軽微な症状のみの場合には(一過性の軽い頭痛など)基本的に経過をみますが、大きさ、年齢、周囲組織の圧迫の程度から総合的に判断します。手術の方法は、開窓術、被膜切除術、のう胞-腹腔短絡術があります。これらを複数組みあわせて行う場合もあります。開窓術は開頭で行う場合と、小さな骨孔から行う神経内視鏡を用いて行う場合があります。予後は一般に良好ですが、硬膜下血腫など、くも膜のう胞の出血合併リスクは0.04-0.1%/年と言われています。

生活上の注意

くも膜のう胞があっても日常生活の制限はありません。学校の体育授業やスポーツの制限もありません。ただし硬膜下血腫の合併の可能性は通常よりも高いため、明らかに頻回の頭部打撲が予想されるスポーツ(ボクシング等)は避けてください。硬膜下血腫を合併すると頭痛、嘔吐、意識障害等を認めますが、その際には直ちに脳神経外科を受診してください。このような場合ほとんどがシルビウス裂部のくも膜のう胞が原因であり、治療をすれば経過は良好です。

慶應義塾大学病院での取り組み

くも膜のう胞を指摘され、成人で症状がなくサイズも小さい場合には基本的に様子をみても大丈夫ですが、何かしら症状がある場合、またのう胞のサイズが大きい場合(場所により約3~5cm以上)、小児の場合には脳神経外科で診させていただきます。もし手術の必要があると判断された場合、当院では新生児や乳児期から、神経内視鏡手術、開頭手術、どちらでも対応可能です。

文責: 脳神経外科外部リンク
最終更新日:2014年9月5日

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