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膵・胆道内視鏡

すい・たんどうないしきょう

検査について

膵・胆道内視鏡検査は、大きく分けると、超音波機能の付いた内視鏡を用いて胆道や膵臓の病変を詳しく調べる超音波内視鏡検査(EUS)、その病変に対して針を刺し組織を採取する超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)、胆管や膵管を造影しながら結石を取り除く、もしくはステントと呼ばれるチューブを留置し黄疸などの改善を図る、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)に分かれます。また、胃の切除手術や膵臓・胆管などの部分的な切除手術を受けた方に対しても、小腸バルーン内視鏡と呼ばれる長い内視鏡を用いてERCPを行なうことが可能となりました。

図1. 胆道と膵臓の解剖図

図1.胆道と膵臓の解剖図

検査所要時間

超音波内視鏡検査は、胆道や膵臓をくまなく観察するため、おおよそ30分程度かかります。超音波内視鏡下穿刺吸引法の場合、病変を特定して穿刺する処置をあわせて、同じく30分程度かかります。膵管または胆管を造影するERCPの場合は、検査の内容にもよります。造影をするだけの検査であれば、ほとんどの場合15~30分程度で終了しますが、総胆管内の結石除去や胆管・膵管狭窄部に対する処置などを加える場合は、1時間ほどかかる場合があります。小腸バルーン内視鏡を用いたERCPの場合は、手術後の胆管や膵管の出口に到達することに時間を要したり、場合によっては到達できないことや、出口が見つからないことがあります。また、胆管や膵管の十二指腸の出口である乳頭部は構造に個人差があるため、検査用のカテーテルを挿入することが難しい場合があります。検査の前には医師からどのような検査をするか必ずお話がありますのでご安心ください。

検査を受ける前に

いずれの検査の場合も、検査前日の夕食は軽めにとっていただき、午後9時以降は食事をとらないようにしていただきます。そして、当日の朝は何も食べないようにします。お茶や水は自由にとって構いませんが、午後の検査の場合は昼食も止めてください。血圧を下げるお薬や不整脈のお薬など必要なお薬は当日の朝でも飲んでかまいませんが、ERCPの場合は血をかたまりにくくするお薬(ワーファリン、アスピリンなど)は、医師の指示に従って必ず3日前から1週間前より飲むのを止めてください。

検査の実際

  1. 超音波内視鏡検査(EUS)の場合
    内視鏡センターに来られましたら、検査着に着替えていただきます→のどの奥を麻酔します→検査台の上に乗り、左を下にして横向きに寝ます→点滴の針を入れ、鎮静剤を注射します→のどの麻酔をスプレーで追加します→超音波内視鏡を口から挿入します→胃内あるいは十二指腸内より目的とする臓器(膵臓、胆道など)を超音波で観察します→観察し終わったら超音波内視鏡を口より抜きます→麻酔を覚ますお薬を注射して、点滴の針を抜いて検査を終了します。

  2. 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の場合
    原則、入院して検査を行います→検査当日、点滴の針を血管内に入れ点滴を行い、検査で呼ばれるまで病棟で待機しています→検査に呼ばれたらストレッチャーに移動して内視鏡センターへ搬送されます→のどの奥を麻酔します→検査台の上に乗り、左を下にして横向きに寝ます→点滴の針を入れ、鎮静剤を注射します→のどの麻酔をスプレーで追加します→超音波内視鏡を口から挿入します→胃内あるいは十二指腸内より目的とする臓器(膵臓、胆道など)を超音波で観察します→内視鏡より穿刺用の針を出し、超音波を見ながら病変に向かって針を刺します→観察し終わったら、出血がないことを確認しながら超音波内視鏡を口より抜きます→麻酔を覚ますお薬を注射して検査を終了します。

  3. 膵管または胆管造影検査(ERCP)の場合
    原則、入院して検査を行います→検査当日、点滴の針を血管内に入れて点滴を行い、検査で呼ばれるまで病棟で待機します→検査に呼ばれたらストレッチャーに移動して内視鏡センターへ搬送されます→のどの奥を麻酔します→検査台の上に乗り、おなかを下にしてやや右側に横向きになって寝ます→点滴の管より、鎮静剤を注射します→のどの麻酔をスプレーで追加します→内視鏡の管を口から挿入し、検査を開始します→検査の途中、少し目が覚めてきた場合は鎮静剤を追加します→目的とする造影・処置が終了したら内視鏡の管を口より出します→麻酔を覚ますお薬を注射して検査を終了します。
図2.超音波内視鏡の先端部(ラジアル型)

図2.超音波内視鏡の先端部(ラジアル型)

図3.ERCPの実際
図3.ERCPの実際

図3.ERCPの実際

図4.ERCPの造影画像
図4.ERCPの造影画像

図4.ERCPの造影画像

検査後の注意

  1. 超音波内視鏡検査(EUS)の場合
    麻酔が覚めるまで休憩室のベッドで休みます。通常は20~30分ほどでしっかりしてきます。飲水、食事は検査終了1時間後までお待ちください。麻酔の効果が残るため、自動車の運転は当日控えてください。

  2. 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の場合
    検査終了後ストレッチャーで病棟に戻り、点滴を引き続き受けます。原則として検査当日の食事は控えます。この検査は非常に安全に施行されていますが、予期しない偶発症(合併症)として膵炎、出血、また腸管に穴があくといった出来事がごくまれですが起こりえる検査です。したがって、翌日の血液検査の結果が出るまでは安静にし、医師の許可が出れば同日に退院できます。

  3. 膵管または胆管造影検査(ERCP)の場合
    検査終了後ストレッチャーで病棟に戻り、点滴を引き続き受けます。この検査は非常に安全に施行されていますが、予期しない偶発症(合併症)として膵炎、胆管炎、出血、また腸管に穴があくといった出来事がごくまれですが起こりえる検査です。したがって、翌日の血液検査の結果が出るまでは安静にしています。治療内容や基盤となる疾患にも寄りますが、明らかな合併症がなければ、食事が再開となり、医師の許可が出れば検査の2日後以降に退院できます。

文責: 内視鏡センター外部リンク
最終更新日:2018年1月15日

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