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遺伝子検査

いでんしけんさ

概要

  1. 遺伝子検査とは、遺伝子を構成するDNAのアルファベット 塩基(化学物質)の順序を調べる検査です。DNAを調べるには、体のどの部分の細胞を使用することもできますが、血液を使用することが一般的です。
  2. 生まれながらに持っている病気の原因を調べる遺伝子検査と、ガンや白血病など、生まれた後に生じたDNAの変化を調べる遺伝子検査に分類されます。ここでは、生まれながらに持っている病気の原因を調べる検査について説明致します。
  3. 人間の細胞には2万5千種類の遺伝子が含まれています。どの遺伝子に異常があるかによって、どのような病気が発症するかが決まります。遺伝子検査をおこなう場合には、症状に応じて、どの遺伝子に異常があるかを推測した上で、原則として特定の遺伝子のみについて分析を行います。
  4. これまでの遺伝子診断技術では、一回の遺伝子診断で単一ないし数種類の遺伝子のみしか分析をすることができませんでした。症状の組み合わせから、ある程度疑っている病名を具体的に挙げることができる場合にのみ、遺伝子診断が有用でした。近年、次世代シーケンサーという新規技術が開発され、数千種類から全遺伝子(2万5千種類)を解析することが可能となりました。この新しい技術が「診断不明」の患者さんについて診断の糸口を与えるようになるのではないかと期待されています(あたらしい医療「難病の原因究明に役立つ遺伝子診断」をご参照ください)。現在のところ、受診いただいた小児の患者さんないし小児の時に発症した患者さんについて症状やこれまでの経過を詳細に検討させていただき、網羅的な遺伝子診断が役に立つ可能性があると判断された方のみに、研究への参加を御相談させていただいております。

所要時間

採血に要する時間は通常の採血と同じです。血液およびDNAの分析に要する時間は、検査の内容によって異なり、複雑な内容の検査では半年ほどかかります。

検査を受ける前に

  1. 遺伝子検査には他の検査にない特徴があります。すなわち、自分がどのような病気にかかりやすいか、「将来のこと」が予測される場合があります。また、「自分以外の他の家族が同じ病気にかかりやすいかどうか」が予測される場合があります。
  2. このように遺伝子検査には特殊な性質がありますので、検査を受けるかどうか、あくまでもご自身の意志で決めて頂く必要があります。
  3. 遺伝子検査を受けられる場合には、遺伝学の専門医との相談を通じて、検査の持つ意味合いについて、十分にご理解頂く必要があります。検査前遺伝カウンセリングと呼ばれ、とても大切なステップです。(臨床遺伝学センター外部リンクの詳細ページ参照)

検査当日

検査当日までに、遺伝子検査を受ける意味合いについて十分に理解していただく必要があります。当日に心配なことがあれば、もう一度担当医に御相談下さい。

検査の実際

  1. 通常の採血をおこないます。
  2. 採血量は5cc程度です。
  3. プライバシーを守るため、血液の入った試験管からはお名前を取り去り、暗号を用いて管理します。

検査後の注意

遺伝子検査が終了した後、遺伝学の専門医が時間をかけて結果の意味合いについて説明をいたします。検査後遺伝カウンセリングと呼ばれます。遺伝子検査の結果に応じて、今後の治療方針の参考になる情報が得られた場合には、その説明をいたします。今後、子どもが生まれる場合に同じ病気になる可能性があるかどうかについての情報が得られた場合には、その説明もいたします。

検査の費用について

現在のわが国の医療制度の中では、健康保険を用いて実施できる遺伝子検査の種類は30種類程度に限られています。健康保険が使用できない遺伝子検査については、自費診療として有料で検査を行います。慶應義塾大学病院で実施できない検査については、国内外の検査機関や研究機関と連携しています。研究として無料ないし一部患者さん負担で実施されている検査もあります。

遺伝子についての補足説明

人間の体は60兆個の細胞から出来ています。60兆個の細胞は同じ働きをしているわけではなくて、チーム(=組織)に分かれて仕事をしています。数百のチームがあるといわれ、筋肉組織や神経組織(脳など)にわかれています。それぞれの細胞が、自分の属しているチームに応じて仕事をするためには、特別なタンパクを作っています。体全体では約2万5千種類のタンパクが作られていますが、どのタンパクがどれだけ作られているかは、組織や細胞毎に異なります。

いつ、どこで、どのタンパクをどれだけ作ればよいかを知らせる物質が遺伝子です。タンパクと同じ数、すなわち約2万5千種類の遺伝子があり、それぞれの細胞の核の中に格納されています。2万5千種類のものが、小さな細胞の中におさめられているのですから、整然と並んでいる必要があり、遺伝子は細胞の核の中で縦につながって、じゅず玉のように並んでいます。数百ないし数千種類の遺伝子が並んだまとまりを染色体と呼びます。1つの細胞の中には46本の染色体があります。一番大きな染色体を1番染色体と呼び、大きさの順にしたがって22番まで番号が付けられています。1から22番の染色体がそれぞれ2本ずつあり、加えて男性ではX染色体とY染色体、女性ではX染色体が2本あります。これらをあわせて、先ほど述べた46本になるわけです。

先ほど説明したとおり、1個の細胞の中にはそれぞれの染色体(例えば1番染色体)が2本ずつ含まれています。1本の1番染色体はお父さんからもらい、もう1本の1番染色体はお母さんからもらったものです。1番染色体には数千種類の遺伝子が並んでいますが、その数千種類の遺伝子のそれぞれについて、1個はお父さんにもらい、もう1個はお父さんにもらったものだということになります。同じように、2万5千種類の遺伝子の各遺伝子について、お父さんからもらったものとお母さんからもらったもの、あわせて2個ずつが1つの細胞に含まれていることになります。

遺伝子の実体はデオキシリボ核酸(DNA)という鎖状の高分子です。染色体は二本の鎖が撚り合わさった構造、いわゆる二重螺旋構造をしています。DNAを構成する成分には4種類の塩基、アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・チトシン(C)があります。これらの4種類の塩基がATGCTCC...などと数百から数千文字並んでおり、この並びの順番によって情報が蓄えられています。英語では26文字のアルファベットが用いられ、その並びの順番によって単語や文章が作られているのと似ています。この塩基の順序によって情報が蓄えられ、タンパクの合成過程を調節しているわけです。一つの細胞の中に含まれる塩基の総数は30億といわれています。最近、完了したヒトゲノム計画ではこの全ての塩基の順序が読み解かれました。

ヒトという生物の特徴は、この30億塩基の順序(遺伝子配列)によって規定されていると考えられています。この30億塩基の遺伝子配列は、ヒトという生物に固有のものですが、遺伝子の異常(遺伝子異常)によっておきる疾患のことを遺伝性疾患(通称=遺伝病)と呼びます。一部の遺伝性疾患は親から子に伝わることがありますが、親の遺伝子は正常であるのに、こどもの遺伝子に異常が起きることもあります(突然変異)。

図1

さらに詳しく知りたい方へ

文責: 臨床遺伝学センター外部リンク
最終更新日:2015年3月4日

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