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帯状疱疹

たいじょうほうしん

概要

帯状疱疹は水ぼうそうのウィルスと同じ、水痘・帯状疱疹ウィルス( VZV:varicella zoster virus )が再び活性化することにより起こります。通常は生涯に一度しかかからず、日本では6~7人に1人がかかるものと推定されています。高齢の方がかかることが多い疾患であるため、今後社会の高齢化が進めば、帯状疱疹になる方はさらに増えると思われます。
初めての感染で水ぼうそうを発症した後、帯状疱疹ウィルスは知覚神経に沿って、顔面の三叉神経や、脊髄の神経、坐骨神経などの神経細胞に残ります。長い間は症状が無いまま過ぎますが、体の免疫能の低下をきっかけにして、潜伏していた帯状疱疹ウィルスが活性化します。きっかけとしては、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、重症な感染症、放射線や紫外線への曝露、免疫抑制剤や抗がん剤を使用した場合などがあげられます。活性化した帯状疱疹ウィルスは神経を伝わって皮膚へ出てきて、皮膚でウィルス粒子が増殖し、水疱を発生します。

症状

帯状疱疹の症状には、皮膚と粘膜の症状と、神経痛があります。皮疹がでる前に、しばしば神経痛あるいは知覚の異常が、数日から1週間続きます。これは片側の神経分布領域に一致して起こります。その後同部に少し膨らんだ紅斑があらわれ、その中に小さな水疱がでます。発生する場所は、胸やお腹、背中など(肋間神経領域)が最も多く、ついで顔(三叉神経領域)に多いですが、全身のいずれの場所にも発症します(図1)。

皮膚症状

皮疹は一定の末梢神経の走る方向に沿って、体では中心を境に半周し、腕や足では長軸に沿って、片側だけに現れます。水疱は2~3日で膿を持ったり、血を含んだりします。その後4~5日目で破れてびらんになります。発症後1週間までは水疱は増えますが、2週間前後でかさぶたになり、3週間後にはかさぶたがとれて治ります。水疱が大きい場合や深い場合は、潰瘍になることもあります。これらは色素沈着や瘢痕を残しますが、やがて目立たなくなります。顔に発症すると周囲にむくみが出ることがあります。眼の周囲の帯状疱疹では眼にも炎症を起こしやすく、ひどい場合には視力障害を残すこともあるので注意が必要です。多くの例では近傍のリンパ節が痛みを伴って腫れます。

神経痛

皮疹の部分に一致した神経痛がでます。軽いものから、強い痛みで眠れなくなる程ひどい場合まで様々です。「ピリピリと焼けるような痛み、針を刺されるような痛み、締め付けられるような痛み、ものが張り付いたような感じ。」と様々に表現されます。痛いときは冷やすとより痛みますので、温めるようにしましょう。痛みに消長はありますが持続性が高く、この部分に衣服が触れると不快感が強く、痛みも誘発されます。これらの症状は忙しいときに軽くなりますが、夕方や就寝後に増してくることが多いです。多くは皮疹の改善とともに神経痛もよくなりますが、持続する場合もあります。重症の時は運動麻痺を伴い、まぶたや腕や足、腹筋などが動きにくくなります。腹部の神経の場合は便が出にくくなり、陰部の神経の場合は尿や便が出にくくなることもあります。

図1.帯状疱疹における症状の変遷

図1.帯状疱疹における症状の変遷

帯状疱疹後神経痛

皮疹が消えてから3ヶ月以上たっても頑固な神経痛が残る場合があります。これは帯状疱疹ウィルスに感染した神経が支配する皮膚領域に起こる慢性的な痛みで、数ヶ月から数年にわたってしつこく続く場合があります。帯状疱疹による炎症が原因で神経が傷つき、結果として神経痛が残ると考えられています。帯状疱疹後神経痛は主に高齢者に多く、ほとんどの場合、痛みは1~3ヶ月で治まりますが、10~20%のケースで1年以上、まれに10年以上続くこともあります。

汎発性帯状疱疹

通常の帯状疱疹とともに、全身に水疱がでます。免疫不全状態にある高齢者の方や、免疫抑制剤を使用している場合、悪性腫瘍を持つ症例などに起こります。皮膚のウィルスが血管内皮細胞内で増殖し、ウィルス血症を起こしたものです。汎発疹の見られる方の約10%は肺や肝臓、脳にも波及するといわれています。水ぼうそうと同じぐらい感染力があるため、入院の時は個室となります。

ラムゼイ・ハント症候群

顔面神経が侵され、耳の発疹と顔面の麻痺、めまい、味覚の障害などを伴うことがあります。

診断

上記の経過や、皮疹の様子、神経痛などにより診断できます。症状が軽い場合も、血液検査で帯状疱疹ウィルス抗体価の上昇を確認できれば、診断できます。

治療

できるだけ早期にアシクロビルやバラシクロビル、ビタラビンなどの抗ウィルス剤の点滴、または内服を行います。神経痛に対しては、鎮痛剤、ビタミンB12、抗うつ薬や抗けいれん薬を内服したり、神経ブロックを行ったりします。鎮痛剤は非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンを使用しますが、麻薬系の経口薬が必要になることもあります。

帯状疱疹後神経痛は、非ステロイド性抗炎症薬といった一般的な鎮痛薬が効きにくくなります。そのため、神経痛に効果があるといわれている、抗うつ薬(ノリトリプチリン(商品名:ノリトレンTM)、アミトリプチリン(商品名:トリプタノールTM)、デュロキセチン(商品名:サインバルタTMなど)や抗けいれん薬(プレガバリン(商品名:リリカTM)や、ガバペンチン(商品名:ガバペンTM)などを主として使用します。また唐辛子の成分であるカプサイシン軟膏や、リドカイン軟膏の外用も効果があります。原因となった部位の神経ブロックや、交感神経節ブロックが効果的な場合もあります。

生活上の注意

帯状疱疹がでたら、疲れやストレスなどで抵抗力が落ちている証拠なので、無理をせず安静にしましょう。栄養と睡眠を充分にとることが大切です。また局所が痛いときは冷やすとより痛みますので、温めるようにしましょう。帯状疱疹が人にうつることは殆どありません。ただし、水ぼうそうになっていない人と接触すると、相手が水ぼうそうになってしまうことがあります。水疱が治るまでは、まだ水ぼうそうにかかっていない赤ちゃんや子供、妊産婦さんなどには接触しないほうがよいでしょう。症状が出たら、できるだけ早い時期に治療を始める方が早く治ります。抗ウィルス薬を内服中は、よく水分を取ってください。副作用としては、吐き気や嘔吐、頭痛や錯乱、腎機能障害などが知られています。副作用が疑われる場合は、早めにご相談ください。

慶應義塾大学病院での取り組み

症状が軽い方は、外来で抗ウィルス薬の内服や、鎮痛剤による痛みのコントロールを行います。水疱が出ている部分は軟膏で保護します。高齢の方や、基礎疾患がある方は、重症化が予測されます。このような場合は入院していただき、抗ウィルス薬の点滴を行って、注意深く治療します。強い浮腫や、ひどい疼痛、運動麻痺などが起こる場合は、ステロイドを併用することもあります。治療後も神経痛が持続することがありますので、ひどい場合はペインクリニックにご相談いたします。

さらに詳しく知りたい方へ

  • 標準皮膚科学 / 橋本隆, 岩月啓氏, 照井正編集 ; 富田靖[ほか]執筆 第10版.東京 : 医学書院, 2013.3
    帯状疱疹の一般的なことが書かれています。
  • ヘルペスカラーアトラス : 帯状疱疹 / 新村眞人[ほか]監修・編集東京 : 臨床医薬研究協会 : 中外医学社[発売], 2003.6
    帯状疱疹に関する様々なデータや症例が説明されています。
  • 健康の森外部リンク(日本医師会)

文責:皮膚科外部リンク麻酔科外部リンク
最終更新日:2017年3月24日

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