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加齢黄斑変性

かれいおうはんへんせい

加齢黄斑変性とはどんな病気? その診断は?

眼球はカメラとよく似た構造を持ち、その「フィルム」に相当する部分は「網膜」と呼ばれます。加齢黄斑変性は、網膜の中心部にある「黄斑」が加齢などの原因によって障害される疾患です。文字を読んだりする時など、物の形をしっかり判別するのは黄斑の役目です。ですから黄斑が傷んでしまった場合には、碁盤の目のようなもの(図a)を見ると自覚症状が分かりやすいのですが、中心が暗く見えたり(図b.中心暗点)、歪んで見えたりします(図b.歪視)。
加齢黄斑変性には、2つのタイプがあります。黄斑は正常では暗い色調をしていますが(図c)、その暗い色素が枯れてしまう萎縮型と、余分に生えた悪い血管(新生血管)から出血や浮腫を起こす滲出型(図d)があります。萎縮型は何年もかけてゆっくりとやんわりと進行します。一方滲出型では新生血管が非常にもろく破れやすいため、出血を起したり、血管中の成分がもれたりして、急激な視力低下の原因になります。ですから加齢黄斑変性といわれても、萎縮型と滲出型では大きく異なりますので、ご自分がどちらなのかよく主治医に聞いてみる必要があります。問題となる滲出型の場合でも、治療に反応して新生血管の勢い(病気の活動性)を抑えられることがあります。

図a.b.c.d

治療

  1. 抗新生血管療法
    滲出型加齢黄斑変性に対する治療として抗新生血管療法と光線力学療法(photodynamic therapy; PDT)があります。抗新生血管療法は新生血管の成長やそこから生じるむくみ(滲出性変化)を促す原因物質(血管内皮増殖因子vascular endothelial growth factor; VEGF)の働きをブロックする薬による治療法です。眼の中にこの薬を注射してVEGFの作用を抑えることで新生血管を縮小させ、滲出型加齢黄斑変性によってさらに視力が低下するのを抑えることを目的としています。効果を得られるには、約4-8週間ごとに繰り返し治療する必要があります。また、視力回復させられる場合もありますが、治療をしても効果が出にくい、出血するなどのために更に下がる場合もあります。

  2. 光線力学的療法は、新生血管に取り込まれる光感受性物質を点滴してレーザー照射するという治療です。この治療法により滲出型加齢黄斑変性の新生血管をある程度まではコントロールできるようになりました。しかし、この治療で達成できることは、活動性を抑えるところまでで、それまでに痛んだ黄斑の働きは戻らないことが多いのです。ですから治療の目的は、視力の向上ではなく、現状維持となります。中には、見えやすくなる患者さんも沢山いますが、その反面、治療をしても活動性が抑えられず悪化していくことも残念ながらあります。ですから手遅れになる前に専門医に診てもらうべきでしょう。

生活上の注意

また、加齢黄斑変性が片方の眼に起こった場合、もう片方の眼にも起こることがあります。それでは、予防のためにはどんなことをしたら良いのでしょう?現在わかってきたことは、喫煙は絶対いけないこと、高脂肪食や肥満、高血圧がマイナスの要因、ビタミンや魚の摂取がプラスの要因であることです。欧米型の食生活がいけないのは、この病気が欧米の失明原因の第1位であることからもうなずけます。日本では第4位ですが、車社会に伴う運動不足や欧米型の食生活のためか患者さんは増加しています。ですから禁煙や日本型の食生活など生活習慣の改善をおすすめします。また萎縮型やドルーゼンなどの加齢黄斑変性の前駆病変のある方には前述の生活習慣の改善と共に黄斑色素であるルテインを含むサプリメントがすすめられています。

早期発見、早期治療が基本!

ゆがんで見えるようになったり、中心が暗い感じがしたら、まずは加齢黄斑変性をよく診ている専門医の検査を受けましょう。萎縮型と滲出型の診断は、眼底造影カメラや光干渉断層計などの適切な検査機器がなければ迷うこともあります。滲出型の場合は治療法が最近になって進歩していますので、光線力学的療法や抗新生血管療法など治療設備のある専門施設で、タイミングを逸することなく早期発見・早期治療することが基本です。

文責: 眼科外部リンク
最終更新日:2018年2月20日

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