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脊椎後弯症

せきついこうわんしょう

概要

脊椎は前から見ると真っ直ぐですが、横から見ると、丁度Sの字の形をしています。すなわち頚椎は前弯(前に向かって弯曲している)、胸椎は後弯(後ろに向かって曲がっている)、腰椎は前弯を呈しています。このように脊椎は本来、後弯している部分があるのですが、脊椎後弯症では胸椎後弯の角度が極端に大きくなったり、腰椎の前弯が失われて後弯になった、状態です。後弯を来たす疾患にはSheuermann病、先天性後弯症、脊髄髄膜瘤、圧迫骨折、骨粗鬆症、化膿性脊椎炎、強直性脊椎炎、骨軟骨異形成症、骨形成不全症、軟骨無形成症、腫瘍などの様々な原因があります。軽度の後弯では大きな問題が生じませんが、過度な後弯になると、腰に強い痛みを自覚したり、神経の障害を生じる場合があります。このような場合、手術加療が必要となってくる場合があります。しかし、その治療は後弯の原因により様々です。以下にその代表的疾患の説明と治療法を記します。

症状

  1. 先天性後弯症
    生まれつきの背骨の変形により後弯を生じます。変形のタイプは様々で、それぞれのタイプにより進行の危険性が違うため、治療の際は詳細な検討が必要です。先天性後弯の診断はレントゲン写真により容易に比較的容易に診断が可能ですが、同疾患には泌尿器系、生殖器系、神経系の異常を伴う場合が多いので、特に手術を行う場合は、それらに対する十分な検査が必要です。特に、神経系の異常は6-58%に上ると報告されているので、十分な検査と注意が必要です。
    治療:この病気には装具治療はあまり有効でないといわれています。そのため、変形の進行具合、年齢、変形のタイプなどを総合的に考慮し、手術をするかどうか、するのならそのタイミングを決定する必要があります。手術の方法は、変形した背骨の摘出する方法が行われますが、その変形により、様々選択肢があるため、十分な検討が必要です。
  2. 脊髄髄膜瘤
    脊髄髄膜瘤とは脊髄(神経)を包むる硬膜が脊柱管内から脱出した状態です。本疾患では多くの場合後弯を合併し、さらに側弯も合併する場合もあります。後弯は胸椎部もしくは胸腰椎移行部(胸椎と腰椎の境目)で発生します。その原因は、脊髄髄膜瘤により発生した背骨の変形や、神経の麻痺によるものと言われております。これらの後弯は、乳幼児期に発生し、思春期には重度の後弯に進行する場合が多いといわれています。
    治療:治療に際しては全身の詳細な検査が必要です。水頭症の有無、神経症状、、精神状態、下肢の変形の有無、関節の動きなどの検討が必要です。
    治療:装具により完全に進行を止めることは出来ませんが、遅延されることは可能だと考えられています。本疾患は乳幼児より発症しますが、手術加療をする際は、少しでも骨が成熟してた方が、治療には有利です。しかし、装具療法が効果がない場合、後弯の先端になかなか治らない皮膚の傷などが生じた場合は、幼少期でも手術療法が行われます。手術では後弯部の矯正固定術が行われます。後弯の程度、骨の成熟度、全身の基礎疾患の状態などにより合併症の危険性が異なります。いずれの方法でも治療が困難である場合が多いため、手術を受ける場合は、治療に関する十分な理解が必要になります。
  3. 軟骨無形成症
    本疾患は内軟骨骨化(骨が作られる過程)の異常により生じます。本疾患の身体的特徴は、低身長です。本疾患での後弯は胸腰椎移行部に生じる場合が多く、その変形とバランスを取るために胸椎は前弯し、腰椎は過度に前弯します。さらに、本疾患の脊椎では神経の通り道である脊柱管が狭小化しているため、後弯部で神経障害が引き起こされる場合があります。進行性の後弯で神経障害を引き起こす可能性がある場合、神経障害が存在する場合、手術が必要になります。手術の方法は神経の圧迫をとり、後弯を矯正します。しかし本疾患では前述したように脊柱管が狭小化しているため、除圧と固定の範囲については十分な検討が必要です。
  4. 強直性脊椎炎
    本疾患は背骨や、そして関節の靭帯付着部に炎症が起こり、それらが骨化(骨になる)してくっついてしまう疾患です。そのため、背骨の動きは極端に悪くなります。脊椎での骨化の特徴は、レントゲン写真上で「竹様脊椎(竹のような背骨)」となります。その際、後弯が生じる場合があります。薬剤の投与では強直進行の予防は出来ません。過度な後弯にならない限り、日常生活上は大きな障害はありませんが、背骨の骨折を生じた場合や過度な後弯が生じた場合に手術が必要になります。

慶應義塾大学病院での取り組み

整形外科学教室では、脊椎後弯症に対する外来は、毎週月曜日午後の側弯症外来や、脊椎外来で行っております。前述したように、脊椎後弯症の原因は様々です。それぞれの疾患にあった、一番適切と思われる治療を行えるよう、日々、努力しております。

文責: 整形外科外部リンク
最終更新日:2011年12月28日

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