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胆道閉鎖症

たんどうへいさしょう

概要

胆道閉鎖症は黄疸をきたす疾患で、新生児・乳児期に最も多くみられます。外科治療なしに放置すれば、胆汁うっ滞から肝硬変へと進行し2~3歳で死に至るといわれています。そのため、早期の手術的治療が必要です。出生約1万人に1人の頻度で発生し、男女比は0.6:1で女児に多くみられます。その病因についてはいまだ不明ですが、一度形成された胆管が何らかの炎症によって破壊されるという説(後天性疾患)が有力です。本疾患は、胆汁の流れる管である胆管の閉塞したものですが、その閉塞部位と形態から型分類がなされています。合併奇形の頻度は約10%であり、多くはありません。

症状

主な症状は黄疸、灰白色便、肝脾腫です。胆汁は便の色の源となるものであり、胆汁が流れない胆道閉鎖症では便に色がつかず、灰白色の便になります。便色の見本は母子手帳に添付してある「便色カード」に掲載されています。また、胆汁は脂肪の吸収に必要であり、胆道閉鎖症では脂溶性ビタミンであるビタミンKの不足によって出血傾向がおこり、脳出血にて発症することもあります。新生児肝炎などの内科的疾患でも同様な症状をきたすことがあり、鑑別が重要です。

診断

胆道閉鎖症の診断は、胆嚢内腔の有無、肝外胆管形態をみる超音波検査や、胆汁の流れを見る胆道シンチグラフィ、十二指腸液検査などにより行います。血液検査では、直接ビリルビン値が上昇し、ALPやγ-GTPなどの胆道系酵素の上昇、AST、ALTの上昇を認めます。しかしながら、最終的な確定診断は開腹もしくは腹腔鏡による胆道造影によってなされます。

治療

胆道閉鎖症を疑った場合は速やかに開腹、もしくは腹腔鏡による胆道造影を行い、診断を確定したのちに、肝管腸吻合術または肝門部腸吻合術(葛西法)を行います。手術では肝臓の外の閉塞した胆管を切除し、その断面に存在する細い胆管から流出する胆汁が腸に流れ込むようにします。

全国登録結果によると生後60日以内に肝門部腸吻合術を実施すると黄疸消失率は60%ですが、90日以後に実施すると黄疸消失率は45%以下になるので、早期に手術することが望ましいと考えられています。

手術後におこる合併症として胆管炎があります。これは手術でつないだ腸から胆管に細菌が侵入・増殖することによって発症し、手術後何年たっても起こりえるもので、便秘を避け、腸からの逆流をおさえることが重要です。手術後順調に経過していても胆管炎により再び黄疸が出て肝臓の状態が悪化することがあるため注意が必要です。

胆道閉鎖症の手術は胆汁の流れを改善させますが、手術後も肝臓の線維化が進行する場合があります。肝臓の線維化が進むと肝臓が硬くなり、肝臓へ血液が流れ込みにくくなります(門脈圧亢進症)。すると、血液が他の血管へたくさん流れ込むようになり、食道静脈瘤ができたり、脾臓が腫大して白血球や血小板が減少してきます。食道静脈瘤に対しては内視鏡的結紮術や内視鏡的硬化療法が、脾腫及び血球減少に対しては、脾臓の血管を部分的につめる処置、または脾臓を摘出する手術が必要となることがあります。

肝門部腸吻合術(葛西法)を行っても、肝臓の具合が改善しない場合、または一度良くなっても、肝硬変が進行したり、静脈瘤からの出血のコントロールができなくなる場合は、肝臓移植手術の適応になることがあります。詳細は生体肝移植をご覧下さい。

予後

手術で黄疸が改善しない例は肝移植がなされなければ肝不全や食道静脈瘤破裂により死亡します。本邦での初回手術後1年目における肝移植なしの黄疸消失率は60%とされています。数年経ってから肝機能が悪化し、肝移植に至る場合もあり、定期的な検査や経過不良例での適切なタイミングでの肝移植が重要となります。

文責: 小児外科外部リンク
最終更新日:2014年11月28日

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小児の肝・胆道疾患

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