音声ブラウザ専用。こちらよりメニューへ移動可能です。クリックしてください。

音声ブラウザ専用。こちらよりメインコンテンツへ移動可能です。クリックしてください。

KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
お探しの病名、検査法、手技などを入れて右のボタンを押してください。
慶應義塾
HOME
病気を知る
慶應発サイエンス
最新の医療紹介
KOMPASについて

ホーム > 病気を知る > こころの病 > 身体表現性障害

身体表現性障害

しんたいひょうげんせいしょうがい

概要

<どのような病気なのでしょうか>

患者さんの訴えに見合う身体的異常や検査結果がないにもかかわらず、痛みや吐き気、しびれなど多くの身体的な症状が長い期間にわたって存在する病気です。症状は体のさまざまな場所に生じ、しばしば変化します。患者さんの中には、症状を身体的に説明する原因がないということをなかなか受け入れられず、医療機関を転々としてしまう方も多く、精神科受診に至るまでかなりの時間がかかってしまうことも少なくありません。また、多くの方では、そうした身体症状のために仕事や家庭などにおける日常生活に支障が出ています。

30代以前の若い頃に発症することが多く、男性に比べて女性に圧倒的に多いとされています。

症状

<身体表現性障害の種類>

現在使われている診断基準(DSM-IV:アメリカ精神医学会が定めた診断の指針)では、下記の5つの疾患を身体表現性障害としてまとめています。

身体化障害

30歳以前に生じた痛みや胃腸症状などのさまざまな身体症状が何年にもわたって続くが、適切な診察、検査を行っても身体的な病気や薬による影響としては十分に説明できないもの

転換性障害

随意運動機能(歩く、立つ、しゃべるなど)と感覚機能(見る、聞くなど)についての症状や欠陥が生じるもの
症状または欠陥の始まりや悪化に先立って、ストレス因子が存在することが多い

疼痛性障害

痛みを説明するのに十分な身体的異常がないにもかかわらず重篤な痛みが続くもの

心気症

身体に対する誤った解釈に基づいて重病にかかっているのではないかという恐怖や考えにとりつかれてしまうもの
その恐怖感は、医学的な評価や保証にもかかわらず持続する

身体醜形(しゅうけい)障害

自分の外見に欠陥があると過度に思い込み、著しく心配するもの

診断

<どのような症状が起こるのでしょうか>

身体のあらゆるところに繰り返しさまざまな症状が生じ、この症状はしばしば変化します。下記のような症状がよく見られます。
これらの症状は、意図的に作り出されたりねつ造されたものではありません。

いたみ
 部位:頭部、腹部、関節、手足など
 機能:月経時、性交時、排尿時など

胃腸症状
 吐き気、嘔吐、腹部膨満感、下痢、げっぷなど

神経的症状
 ふらつき、脱力、麻痺、飲み込みにくさ、声が出にくいなど

<原因は何でしょう>

ストレスなどの心理社会的要因が関係しているといわれています。しかし、原因となるような心理的要因が1つに特定できる人は多くありません。

<どのように診断するのでしょうか>

患者さんの訴える身体症状を引き起こすような身体的な病気が存在しないことが診断の大前提となりますので、内科や整形外科といったほかの科を受診していただき、本当に症状の元となるような病気がないことを確認する必要があることがあります。身体的な疾患がないことが確認できたにも関わらず、さまざまな身体症状が持続するとき初めて身体表現性障害と診断されます。

うつ病や不安障害などほかの精神疾患が合併することがあります。

身体表現性障害では、患者さん自身は紛れもなくその身体症状による苦痛を感じており、詐病や仮病とは異なります。

治療

<どうすれば治りますか>

まず、身体的な問題はないということをきちんと理解、納得することが大切です。患者さんにとっては辛い症状なので、問題はないということを受け入れることに抵抗があるようです。しかし、身体的な精査や、検査結果に基づかない治療を繰り返すことでは症状は改善しませんし、症状に苦しむ時間が長引いてしまいます。

症状が比較的軽いときには、なるべく普段通りの日常生活を送ることが大切です。

精神科的な治療としては、下記のような治療法があります。

薬物療法
 抗うつ薬や抗不安薬の使用が有効な場合があります。

認知行動療法
 症状が悪くなるきっかけや状況、逆に症状が良くなる因子を明確にし、症状が軽くなるような行動を促していきます。

精神療法
 症状の原因となりうるストレスについて、その対処を相談することが症状のコントロールに有効です。

文責: 精神・神経科外部リンク
最終更新日:2011年12月28日

▲ページトップへ

慶應義塾HOME | 慶應義塾大学病院