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心肺機能停止(CPA)

しんぱいきのうていし(CPA)

概要

心肺機能停止(CPA: Cardiopulmonary arrest)は心臓の機能が止まってしまった状態で、心停止とも呼んでいます。現在の日本の状況では、病院の外でこの心肺機能停止が起こると、歩いて病院を退院して社会復帰される患者さんは数%前後でしかありません。しかし、このように九死に一生を得ることができるのは、患者さん本人ではなく、周りの方々が適切に対応したことによることがわかっています。すなわち、いざというときの備えができていなければ助けることはできません。

症状

  1. ひとたび心肺機能停止に陥れば、意識を完全に失います。よびかけには反応がなくなります。
  2. 体を自分で動かすことはありません。
  3. 正常な呼吸は停止します。しかし、心停止のはじめの数分間は、死戦期呼吸と呼ばれる、喘ぐような呼吸をしている場合があります。この死戦期呼吸はまるで空気を大きく飲み込むような仕草に見えるかもしれませんが、普通の人のしている呼吸とは全く違うものです。
  4. 脈はありませんが、一般市民の方々は、脈の有無を確認する必要はありません。

治療

命を救うためにできること

心肺機能停止は心臓の機能が止まってしまった状態です。心臓の機能が止まっていれば、脳をはじめとした体のすべての臓器に血液が流れなくなります。このため、すぐに死に至ってしまいます。それを防ぐためには、心臓に代わって胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行って血液を流すことが重要です。
また、心肺機能停止の主な原因の1つには重症の心臓不整脈があります。この不整脈には電気ショックが有効です。電気ショックを行うのは早ければ早いほど効果があり、時間がたつとあまり効果がありません。そこで最近では、駅や学校、役所などの公共施設の多くが自動体外式除細動器(AED:Automated External Defibrillator)を備えるようになりました。このAEDを使用することで、医療従事者でなくても安全に電気ショックを行うことができるようになりましたので、ためらわずにAEDを使用することも重要です。AEDを使用すると救命されて社会復帰される人が格段に増えることが分かっています。
人工呼吸も必要な処置ですが、無理に行う必要はありません。胸骨圧迫だけでもすぐにはじめれば十分な効果が期待できます。
救急隊が来るまでの間にこのようなことが行われていれば、以前は救えなかった命を救うことができるようになります。

心肺蘇生法

心肺蘇生の講習を受けることをお勧めします。この講習では、おもに以下のプロセスを実習しています。一度、受講されるといざというときに役立ちます。(最寄りの消防署などで講習を行っていることがあります。)なお、心肺蘇生法の実際は「さらに詳しく知りたい方へ」をご覧ください。

  1. 呼びかけに反応しない人がいる時。
    (ア) 助けを呼ぶ(119番通報する)。
    (イ) AEDを取り寄せる。
  2. 呼吸や体動がないといき。
    胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始する。
    胸骨圧迫の方法
    両手を患者さんの胸の真ん中(右の乳頭と左の乳頭の間)におき、肘を曲げないように、患者さんの胸を5cm程度下がるように押す。早さは1分間に100回程度で続ける。
  3. AEDが到着したら。
    (ア) AEDを患者さんの頭の横に置き、電源を入れる。
    (イ) その後は救急車が到着するまでAEDの指示に従う。

AED

AED(自動体外式除細動器)は、突然心停止状態に陥った時、心臓に電気ショックを与えて、正常な状態に戻す、誰にでも簡単に取り扱える医療機器です。厚生労働省は、AEDを医療に携わらない一般の人が使用しても、医師法違反に当たらないと認めています。
AEDの設置場所には、図1のような「ハートに稲妻」のAEDマークがあります。

図1.AEDマーク

図1.AEDマーク

慶應義塾大学病院での治療の実際

病院に到着したら

病院に到着後は、人工呼吸や薬剤などを用いてさらに高度な心肺蘇生を行います。適切な対処が行われていた場合では、病院に到着するまでに心臓の鼓動が回復することが増えています。しかし、心臓の鼓動が病院到着まで回復していない場合には、高度な心肺蘇生を行っても心臓の鼓動が回復するのは概ね20%程度で、80%程度の患者さんは残念ながら、お亡くなりになります。

体温管理療法

ご病状等によっても異なりますが、心臓の鼓動が回復して安定している患者さんの一部では、脳の機能を保護するために、体温管理療法を行います。心臓の機能が止まって、脳をはじめとした体のすべての臓器に血液が流れなくなっていたために、臓器には少なからずダメージが残ります。特に脳では、数分以上血液が流れなくなると、ダメージが進んで、意識が回復できなくなるといわれています。そこで、そのダメージをなるべく小さくするために、麻酔を行って体温を36℃以下に管理する治療が体温管理療法です。当院では体温管理療法を積極的に取り入れた治療方針をとっています。これによってこれまで、心臓の鼓動が回復しても寝たきりの状態や植物状態程度までしか回復できなかった患者さんの一部が社会復帰を果たすまでに至っています。

新しい治療の可能性・・・水素ガス吸入療法・・・

心肺機能停止後に、心臓の機能が回復しても、脳の機能が充分に回復しないことが多くみられます。これは、心臓が止まっていた間に充分に脳に酸素が送られなくなってしまっていた結果として、脳に障害が起こったことを意味します。このような障害をできるだけ残さないようにするのが前述の体温管理療法ですが、体温管理療法だけではまだまだ充分ではありません。そこで、我々は、世界に先駆けて、酸素に微量の水素ガスを混合したガスを用いて人工呼吸をして、脳を保護する研究を行っています。

慶應義塾大学病院での取り組み

慶應義塾大学病院内では、心肺蘇生法やAEDの訓練をクリニカル・シミュレーション・ラボ外部リンクで行っています。さらに、慶應義塾では救急科の指導のもと教職員の教育外部リンク慶應義塾に所属する児童・生徒への教育外部リンクを行っております。

さらに詳しく知りたい方へ

  • 市民のための心肺蘇生法のページ外部リンク(日本救急医学会)
    一般市民向けの心肺蘇生の方法やAEDについての説明が掲載されています。
  • 一般社団法人日本蘇生協議会外部リンク
    救急蘇生に関する国内の関連の団体が加盟しています。このホームページには一般市民向けの心肺蘇生の方法が掲載されています。
  • 東京消防庁外部リンク
    電子学習室で応急手当(心肺蘇生法)の手順が動画でご覧になれます。また、応急手当(心肺蘇生)の講習会の情報もご覧になれます(都内の方向け)。
  • 日本赤十字社外部リンク(日本赤十字社)
    救急法(心肺蘇生法)に関する情報が掲載されています。

文責: 救急科外部リンク
最終更新日:2017年3月23日

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