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最高峰の生物学的製剤 治療施設を目指して
-免疫統括医療センター-

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はじめに

近年、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬などの慢性の免疫疾患に対する治療法として、生物学的製剤が開発され、それぞれの治療に対して飛躍的な進歩をもたらしています。そのため、今までは病気のコントロールが難しいとされていたこれらの疾患も臨床的にうまくコントロールされた状態、いわゆる「寛解」へ導き、その状態を長期間維持することも可能となってきました。

慶應義塾大学病院では、平成22年9月より世界初の生物学的製剤専門の治療センターである「免疫統括医療センター」を開設し、診察から治療そして在宅治療の指導や服薬指導に至るまで様々なエキスパート達が一丸となってチーム医療を行っております。

生物学的製剤とは

それぞれの疾患における炎症または原因の中心的役割を担う、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor : TNF)やインターロイキン-6(IL-6)、T細胞、補体に対して作用し、それらの働きをブロックすることによって炎症や症状を抑える抗体製剤のことを生物学的製剤と呼んでいます。現在、点滴製剤であるレミケード®、アクテムラ®、オレンシア®、ソリリス®と皮下注射製剤であるエンブレル®、ヒュミラ®、シンポニー®が使用されています。

免疫統括医療センターの開設

これまでは各診療科外来において個別に生物製剤治療を行ってまいりましたが、当院には各領域の国内外を代表するエキスパートがそろっており、生物学的製剤を必要とする患者さんがたくさんおられる状態となっておりました。そのため、生物製剤治療を少しでも多くの患者さんにより良い環境で受けていただきたいとの願いから、平成22年9月1日に当センターは開設されました。

免疫統括医療センターの実際

当センターは、リウマチ・膠原病内科、消化器内科、血液内科、整形外科、皮膚科、眼科の各診療科、看護師チーム、薬剤師チームが横断的な診療クラスター(チーム医療)を形成し、各専門的な治療から治療相談、服薬(注射薬)指導相談、在宅治療相談まで切れ目のないケアで世界最高水準のチーム医療を提供できる体制を整えています。平成24年8月1日からは、新たに建設された3号館南棟4階にある腫瘍センターと合同の施設へ移転して更に規模を拡大して運用しております。対象疾患は、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、強直性脊椎炎、眼ベーチェット病、キャッスルマン病、発作性夜間血色素尿症であり、それぞれの患者さんに対し診察をセンター内の診察室で行い、診察前後に点滴または皮下注射の治療を行っております。

写真1

点滴治療は51台の最新の快適なリクライニングチェアを中心に、必要に応じて3部屋の個室ベッドも活用しながら30分から2時間かけて行います。また、初回点滴投与時には専門の薬剤師による治療薬に関する説明と指導を行い、効能・効果、そして副作用に関する十分な説明を行い薬剤投与に対する不安の払拭に努めております。そして、皮下注射製剤は、在宅治療指導室で自己注射などの在宅治療に関する指導をエキスパートナースにより3回前後に分けて段階的に行っています。治療開始直後は自己注射に対して不安を抱いている患者さんも少なくありませんが、当センターでは患者さんへの丁寧な指導を心がけ、安心して自己注射に移行しています。

さらに、当センターは診療だけに留まらず、最先端の治療方法の開発や臨床研究を積極的に推進する体制を整えており、その成果を患者さんに還元し、医療の更なる向上に寄与することも目的としております。

写真2,3

免疫統括医療センターで治療対象となる方

当センターは、生物学的製剤による治療を受けている患者さんを対象に診療を行っております。患者さんは来院して採血などの検査、外来受診そして治療が当センター1か所でスムーズに行えることを特徴としています。現在、外来診療はリウマチ・膠原病内科、消化器内科、整形外科、皮膚科が行っております。しかし、当センターでは各科とも初診患者さんの受付けは行っておりません。初診の患者さんは各診療科の外来をまず受診してください。生物学的製剤の投与が必要と主治医が判断し、投与開始となったその後より当センターにて治療、場合によって外来診療も行うこととなります。

グラフ
写真4

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最終更新日:2024年9月9日
記事作成日:2012年11月1日

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