グレープフルーツジュースと薬剤の相互作用
ある種の薬は、グレープフルーツジュースと一緒に服用すると、薬の血中濃度が上昇して効きすぎを起こすことがあります。気をつけなくてはならない薬として、免疫抑制剤、降圧薬(カルシウム拮抗剤)、HIVプロテアーゼ阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤などが挙げられます。(詳しい薬剤名については薬剤師にお尋ねください。) |
どうして?
この相互作用は、薬の吸収部位である消化管内で起こります。
私たちの体内には薬を解毒する代謝酵素が備わっており、消化管粘膜にも存在します。グレープフルーツジュースやグレープフルーツの果肉には薬物代謝酵素(CYP3A)の働きを阻害する成分が含まれているため、薬の分解が遅くなり、その分、血中濃度が上昇し、予期せぬ副作用を起こすことがあります。
また、この抑制効果は持続するため、服用の時間をずらすだけでは相互作用を回避できないともいわれています。したがって、対象となる薬剤を服用される期間中は、グレープフルーツジュースや果肉の摂取は控えてください。
その他の柑橘類は大丈夫?
この効果が一番問題となるのはグレープフルーツであり、温州みかんやネーブルオレンジなどはほとんど問題ないといわれています。しかし、一部の柑橘系やその果皮の中には気をつけたほうがよいといわれているものもあります(ライムの果皮など)。
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文責:薬剤部
最終更新日:2018年3月5日