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進行性心臓伝導障害

しんこうせいしんぞうでんどうしょうがい

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概要

進行性心臓伝導障害は、心臓の刺激伝導系が徐々に障害され、房室(ぼうしつ)ブロックによる徐脈(じょみゃく)を来す疾患です。英語ではPCCD、別名Lenegre(レネグレ)病と呼ばれることもあります。遺伝性の疾患ですが、極めてまれで、正確な発生頻度は分かっていません。

症状

進行性心臓伝導障害の症状は、徐々に進行していくものから、若い頃から発症し、重症化するものまで患者さんによって経過は様々です。心臓の刺激伝導障害が進行すると、脈が遅くなって、めまい、ふらつき、立ちくらみや失神などの症状がみられます。また心房粗動(しんぼうそどう)や心房細動(しんぼうさいどう)を合併し、脳梗塞を起こすこともあります。さらには、心室頻拍(しんしつひんぱく)や心室細動(しんしつさいどう)などから突然死や、心臓の機能が低下して心不全を来すこともあります。

原因

進行性心臓伝導障害の一部の患者さんには、ラミン(LMNA)、心筋ナトリウムチャネル(SCN5A)、コネキシン(Cx40)などいくつかの遺伝子異常が存在することが知られています。それらの詳しい病態メカニズムは完全には解明されていません。

治療

伝導障害の程度が軽い場合は、定期的な経過観察を行います。伝導障害が進行して症状を伴う徐脈が出現した場合はペースメーカの植込みを行います。また心室頻拍、心室細動が出現した場合は、植込み型除細動器(ICD)を植込むことがあります。心不全が進行すれば薬物療法や心臓再同期療法(CRT)を行うこともあります。

予後

進行性心臓伝導障害の患者さんは、軽症なものから徐々に重症化していくものまで人によって異なります。個々の患者さんに合わせた適切な検査と治療が必要です。また最近では、遺伝子検査から予後を推測することも可能になっています。

慶應義塾大学病院での取り組み

当院では進行性心臓伝導障害を含めた遺伝性不整脈患者さんの遺伝子解析を実施しております。通常は採血10ml程度の血液で主要な原因遺伝子の変異の有無の解析が可能です。費用については通常の診療費以外はかかりません。遺伝子解析をご希望される患者さんは外来および入院主治医に問い合わせください。

文責: 循環器内科外部リンク
最終更新日:2019年3月5日

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