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補聴器適合検査

ほちょうきてきごうけんさ

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概要

超高齢化社会を迎え、加齢による難聴者は急増しています。しかし、加齢による難聴の多くは未だ根治的な治療が困難で、補聴器による聴力の補充が必要になる場合が多くあります。また、加齢だけでなく、中耳炎や突発性難聴の後遺症などで難聴が残った場合や、生まれつき難聴を持つ場合などでも補聴器は必要です。補聴器は大きく、1)気導補聴器、2)骨導補聴器に分けられます。

  1. 気導補聴器は皆さんもご存じのもので、耳に掛けるタイプのもの、耳の中に入れるタイプのものが中心です。最近は中身(回路)がデジタルのものが主流です。デジタル補聴器には、近年周囲の雑音を低減して会話音を中心に増強したりする技術や、ハウリングを低減する技術、音を圧縮してより必要な音情報を多くする技術、ある一定の場所からの音を大きく増幅する技術、などといったものが盛り込まれています。また、音のこもり感を改善するためのオープン型補聴器などもあります。
  2. 骨導補聴器は、1.の補聴器と違い、頭蓋骨を直接振動(骨伝導)させて音を聞くタイプの補聴器です。以前はめがねのつるの部分に振動子をつけ、めがねを掛けた状態で頭蓋骨を振動させていましたが、最近は耳掛けタイプの骨導補聴器も発売されています。

また最近では、防水型、FM式、携帯電話に連動するもの、カラフルな色でファッション性を高めたものなど、非常に選択肢が広くなってきています。
当科の補聴器外来では、これらの補聴器をそれぞれ患者さんの難聴の病態に合わせて、よりよく生活に使えるために調整することを重視しています。それぞれの難聴に合わせて、どの補聴器を選択するのか、どの回路のものを選択するのか、といった事を判定し、選ぶ必要があります。そのために行う検査のひとつが補聴器適合検査です(図1)。我々の外来では、補聴器適応判定医や補聴器相談医の資格をもつ医師が外来にて補聴器に対しての疑問などにアドバイスを行っております。補聴器が必要と判断された場合、担当医師がそれぞれの難聴に合う補聴器の処方を行います。それをもとに言語聴覚士および補聴器メーカー(認定補聴器技能者)によりフィッティングが行われます。その結果をもとにして再度外来で医師がフィッティングの状況を判断し、必要がある場合、補聴器を装用した状態でのききとりの検査を行い確認します(図1)。

図1.補聴器適合検査の様子

図1.補聴器適合検査の様子
スピーカーから音が聞こえたら、手元のボタンを押します。

人によっては専門医による補聴器適合検査を受けないで、眼鏡店やデパートなどの販売店で補聴器を作成したけれども、なかなか満足できる補聴効果が得られなかった・・・と失望されている方もいることと思います。このような場合にも、補聴器外来では補聴器のセッティングのどこがどう合っていないのかを、医学的に判断していきます。補聴器で疑問に思うこと、心配なこと、これから補聴器を考えたい、使っているけれどもうまく聞こえない、といった方の外来受診をお待ちしております。

所要時間

約30~60分

さらに詳しく知りたい方へ

文責: 耳鼻咽喉科外部リンク
最終更新日:2017年3月22日

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