概要
大脳を磁気で刺激して、手や足の筋肉から誘発される反応を記録することで、大脳から末梢神経に至るまでの運動神経の機能を検査します。大脳から脊髄までの中枢神経の運動路を評価できる唯一の検査法です。
脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの運動ニューロン疾患(運動神経が選択的に障害される進行性の神経変性疾患、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下を来す)、脊髄症など、運動障害を起こす中枢神経系経路の損傷の評価や部位の特定に用いられます。
所要時間
約30分
検査の実際
安楽な椅子に座った状態で検査を行います。手や足の筋肉上に皿状の表面電極をテープで装着し、円形や8の字の刺激コイルを頭に固定し、磁気刺激装置により大脳の磁気刺激を行います(図1)。磁気刺激の回数は検査の部位や目的によって様々ですが、通常、20~30回程度行います。得られた反応(=運動誘発電位)を総合的に分析して運動神経の機能を評価します。
磁気刺激によって強い痛みは生じませんが、軽く頭を叩かれている感じがします。また、刺激によって手や足の筋肉が収縮し、動くときに違和感があるかもしれません。
図1. 実際の検査の様子
検査後の注意
ペースメーカー、人工内耳を装着している方はこの検査を受けられません。また、時計、金属、補聴器、クレジットカードなどのカード類、携帯電話は磁気によって故障する可能性がありますので、検査中にははずしていただきます。
検査後には特に注意は必要ありません。
文責:
リハビリテーション科
最終更新日:2018年12月5日