概要
安静時12誘導心電図検査は、心臓の筋肉が興奮する際に生じる電気的活動を、身体の表面に置いた電極で記録します。不整脈、心房・心室の肥大、狭心症や心筋梗塞、WPW症候群、電解質異常、ジギタリス薬物作用、急性心膜炎などの判定に有効です。また、マスター運動負荷は、階段昇降で心臓に負荷をかけることにより、安静時心電図では判定が困難な、虚血性心疾患や不整脈の判定に用いられます。
所要時間
安静時心電図は3~5分、マスター運動負荷心電図は10分前後です。
検査を受ける前に
- 心電図検査のベッドに移動する必要がありますが、起立や移動が困難な方は、検査室でお伝えください(車椅子に座ったまま検査をすることもできます)。
- マスター運動負荷心電図は、足腰の痛みなどにより階段昇降が困難な方は検査ができない場合があります。また、まれに運動負荷により心臓発作が起きることがありますので、検査時に安静時の胸痛や症状が悪化する傾向にある場合は検査担当者にお知らせください。
検査の実際
<安静時12誘導心電図>
- 上半身と手首・足首を出してベッドに仰向けに休んでいただきます(時計・眼鏡・アクセサリーやストッキングは外す必要はありません)。
- 両手首と両足首に4個のクリップ電極、胸部に6個の吸盤電極をつけて記録します。
- 記録中は、力を抜いてリラックスし、動かないでください。記録は10秒ほどで終わります。
<マスター運動負荷心電図>
- 運動前に安静時12誘導心電図を記録します。
- 3分間(もしくは1分半)、年齢・性別・体重で決められる一定の速さで、階段昇降をしていただきます。
- 運動後すぐに12誘導心電図を記録し、安静時心電図と比較します。
文責:
臨床検査科
最終更新日:2018年2月26日