概要
筋肉や神経の一部を切り取り、組織を調べて診断を行います。筋疾患および神経疾患において、診察所見や血液検査、筋電図検査などの補助検査でも診断がつかない場合に極めて重要な検査です。筋肉や神経の形態的な異常や筋肉の酵素活性などを調べます。
所要時間
30~60分間
検査を受ける前に
筋生検は、主に上腕から検査します。
神経生検は、下腿の腓腹(ひふく)神経という感覚神経を検査します。術後は固定が必要となります。
検査の実際
局所麻酔した後に皮膚を5cm程度切開し、筋肉及び神経を露出させて切除します。その後は圧迫止血を行い、皮膚を縫合して終了です。
得られた組織は、冷凍保存のうえ、他施設へ送られ、顕微鏡下で観察されます。
検査後の注意
筋生検は基本的に安全な検査ですが、局所麻酔薬によるショック、感染、出血、神経損傷(正中神経損傷、皮神経切断による感覚障害)、手術時の傷が開く(離開)などの合併症が起こることがまれにあります。
また、神経生検で検査する腓腹神経は感覚神経のため、検査後に足にしびれが残ることがありますが、多くは軽度です。運動麻痺は来しません。
検査後は傷の安静が必要ですので、当日は包帯による圧迫を行います。シャワーは翌日から可能なことが多いですが、生検した部位に水がかからないように行う必要があります。処置後の抜糸は1週間から10日程度で、傷口が落ち着いていることを確認したうえで行うことが一般的です。
文責:
神経内科
最終更新日:2024年6月26日