概要
MRCPとはMagnetic Resonance cholangiopancreatographyの略で、MRI装置を用いて胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査です。胆石、胆管結石 (図1) や膵臓の嚢胞性病変(図2) の検出に特に優れています。内視鏡を用いて行う逆行性胆管膵管造影と比較し、苦痛が少なく、また合併症もなく、体に負担をかけることがなく検査を行うことができます。
図1.総胆管結石
図2.膵臓の嚢胞性腫瘍
所要時間
約20分ですが、検査内容により多少異なります。
検査を受ける前に
- 心臓ペースメーカーを取り付けている方は検査を受けることができません。また頭部動脈瘤のクリッピング、血管内ステントなどの金属物質が体内に留置されている方は検査を受けられないことがあります。体内に金属物質を入れている方は事前に医師にご相談ください。
- 金属(ヘアピン、はさみ、鍵など)や磁気記録媒体(クレジットカード、キャッシュカードなど)、電子機器(時計、携帯電話、使い捨てカイロなど)は検査室に持ち込めません。また補聴器、取り外しのできる義歯、磁気治療テープ、金属のついた下着なども事前にはずしていただきます。
- 妊娠中の方あるいは妊娠の可能性のある方は、事前に医師にご相談ください。
- 閉所恐怖症の方は事前に医師にご相談ください。
- 検査前3時間以内の飲食はお控えください。
検査の実際
- 検査前または検査中にMRI用経口消化管造影剤を飲んでいただきます。
- ストレッチャーや車いすの患者さんは検査室の前で検査台に移動していただききます。
- 検査台に仰向けに寝て、ベルトで体を固定した後、トンネルの中に入っていただきます。検査中は動かないでください。
- 検査中は大きな音が響きますが、機械の音なので安心してください。検査中は耳栓をしていただきます。
- MRIにはインターフォンが内蔵されていますので、何か不都合がありましたら寝たままでお話しください。検査担当の者が対応します。
検査後の注意
検査時に飲んでいただくMRI用経口消化管造影剤にマンガンが含まれているため、軟便、下痢などの症状が起こる場合があります。通常、特に心配いりませんが、腹痛が強い場合は医師にご相談ください。
文責:
放射線診断科
最終更新日:2018年2月23日