概要
椎間板造影検査とは、椎間板内に針を刺入し、造影剤を注入して椎間板の変性の度合いやヘルニアの部位などを診断する為の検査です。現在ではMRIなどの画像検査の進歩に伴い、以前ほど行われない検査ですが、MRIでは診断の難しい、外側ヘルニアや椎間板性の疼痛などの診断のために行う検査です。造影剤を刺入した際の疼痛の再現を確認したり、レントゲン(X線)やCTの検査を行い形態学的な診断も行います。
所要時間
15分
検査を受ける前に
- 検査前日
入浴またはシャワー浴をしてください - 朝食は通常通りですが、朝食後は飲食を控えてください。抗生物質は検査前から内服していただきます。
- 着脱が容易で、レントゲンに映るような金属(ファスナーなど)のついていない服装に着替えていただき、点滴をして検査室に行きます。
検査の実際
- レントゲンを写すことができる検査台に移って、横向きの状態で行います。検査中は背中の部分を消毒して滅菌状態で検査を行いますので、手を出したり、急に動いたりすることは極力避けてください。
- 局所麻酔を行った後、レントゲン透視下に針を刺入して椎間板の中央まで針を進めます。針を進めている最中に下肢に放散する痛みが出現した場合には、医師にお知らせください。針先が神経に触っている可能性がありますので、刺入方向を変更します。
針の刺入部位が目的とする椎間板の中央にあることを確認して、造影剤を注入します(図1)。造影剤の注入に合わせて、腰や下肢に重だるさや、疼痛が出現することがありますが、徐々におさまりますのでご安心ください。疼痛の出現部位や特徴は椎間板造影検査の重要な結果の一つですので、日常生活でお困りの疼痛と比較して造影剤を注入した際の疼痛がどうであったのか(いつもの痛みと同じか異なるのか?)検査後に伺います。 - 検査中に気分不快感や吐き気など体調の変調がありましたら、医師または看護師にお知らせください。
- レントゲンの撮影とCTの撮影(CTは必ず行うわけではありません)を行い、検査は終了です。
検査の上での合併症
- 検査により足のしびれ感や痛みが出る場合がありますが、大半は経過を診ていくうちに症状は良くなります。
- ごく稀に重篤な感染を引き起こす場合があります。
図1
検査後の注意
検査後は飲食やトイレ歩行などはできますが、安全のため、車いすの使用や歩行の介助をすることもあります。頭痛や吐き気などが出現した場合には医師または看護師にお知らせください。検査後に腰痛や下肢痛が増悪し継続する場合や下肢の動きや感覚が悪くなった場合にも医師または看護師にお知らせください。
検査翌日に針の刺入部位を確認して、問題なければシャワーや入浴が可能となります。稀ですが、検査後しばらくして発熱が継続するような場合、検査部位の感染が疑われますので医師にご相談ください。
文責:
整形外科
最終更新日:2018年1月15日