概要
内分泌負荷試験とは、点滴をしながら同時に採血もして、体の中のホルモンのバランスを調べる検査です。点滴の中に薬を混ぜたり、薬を飲んだりしながら検査します。内分泌負荷試験をよく行うのは、低身長のお子さんの成長ホルモンのバランスを調べるときです。
所要時間
2~3時間くらいです。
検査を受ける前に
- 通常、内分泌負荷検査は入院のうえで行います。朝ごはんを食べる前に検査を始めますし、2日間続けて内分泌負荷試験検査を行うことも多いからです。
- 検査前日の準備
午後に点滴のチューブを挿入しておきます。夕食後から飲んだり、食べたりできません。ただし、水・お茶は飲んでもよいことがあります。詳しい検査の方法は入院していただいた際に時間をかけてお話します。分からないことがありましたら、その際に遠慮なくご質問ください。 - 検査当日
朝起きても、水・お茶以外の飲み物を飲んだり、食べたりできません。内服薬は医師の指示に従ってください。検査を始める前に点滴のチューブから生理食塩水をゆっくりと流し始めます。
検査の実際
- 点滴のチューブ(ビニールの管)が血管の中に留置されていますので、そのチューブを使って採血します。したがって針を刺さないで採血することになり、採血の際に全く痛みがありません。
- 点滴の中に薬を混ぜる、あるいは薬を飲んでいただきます。検査薬の種類によっては、筋肉注射をすることがあります。
- 検査中、15分あるいは30分おきに、1と同様にチューブを使って採血します。
- 検査中はお部屋の自分のベッドに横になって静かにしていただくか、あるいはベッドに座って静かに遊んだり、本を読んだりしていただきます。
- 検査中のご本人の体調を確認するために時々診察することがあります。
- 検査中にトイレに行きたくなったときは、担当医あるいは看護師に声をかけてください。
- 検査中に眠くなったり、少し気持ち悪くなることがあるかもしれません。そのようなときは必ず担当医や看護師にお申し出ください。眠くなったり、少し気持ち悪くなってもほとんどは自然に治りますので心配はいりません。
検査後の注意
- 検査終了後は、点滴をはずします。飲んだり食べたりできるようになります。
- 2. 検査を2日続けて行う際には、ご本人やご家族と相談のうえであえて点滴をはずさないこともあります。点滴をそのままにしておくと、翌日の検査を始めるときの点滴をしないで済むからです。
検査の種類
慶應義塾大学病院小児科で実際に行っている負荷試験検査の一覧です。複数を組み合わせて行うことが多くなっています。
- 三者負荷試験(インスリン・GnRH・TRH負荷試験) →下垂体機能低下症の検査
- グルカゴン筋注負荷試験 →成長ホルモン分泌不全症の検査
- GRF負荷試験 →成長ホルモン分泌不全症の検査
- アルギニン負荷試験 →成長ホルモン分泌不全症の検査
- hCG負荷試験 →性腺機能低下症の検査
- hMG負荷試験 →性腺機能低下症の検査
- 経口糖負荷試験(OGTT) →糖尿病の検査
- CRH負荷試験 →副腎機能低下症の検査
- 迅速ACTH負荷試験 →副腎機能低下症の検査
- 水制限試験 →尿崩症の検査
- 高張食塩水負荷試験 →尿崩症の検査
- 絶食負荷試験 →低血糖症の検査
文責:
小児科
最終更新日:2024年2月29日