症状
お薬を飲む、または注射してからある一定の期間(数日~年)が過ぎた頃に、使用しているお薬が原因となって、皮膚または口の中、目などに赤い発疹がみられる状態を言います。ときには高い熱、かゆみも同じ時期にみられることもあります。座薬でも薬疹を起こすことがあります。
特に目、口腔粘膜などに異常がある場合、薬疹の中でも症状はひどくなり、生命に関わることがあるので注意が必要です。
赤いポツポツまたは斑点は体の一部から出始め、少しずつ広がります(図1)。皮疹は様々な形と大きさがあり、通常左右対称であることが多いです。
図1
原因
病院から出されたお薬(抗生物質、痛み止め、血圧のお薬、胃薬など)、市販の風邪薬、点眼薬、通信販売のサプリメント、漢方薬、民間療法のお薬、栄養ドリンク、検査の時に使った造影剤(ぞうえいざい)でも薬疹が出ることがあります。
診断
今現在使っているお薬の種類と使い始めの時期と皮疹が出始めた時期の関係を確認します。必要に応じて、薬のパッチテスト(疑わしい薬剤を検査用に調整して、背中に絆創膏で貼って原因薬を探す検査)、薬に関係する血液検査などを行います。
治療
原因と疑われている薬を止めることがもっとも大事です。症状に応じて、アレルギーを抑えるお薬を飲みます。症状が激しい時、ステロイドを飲むまたは点滴することが必要になることもあります。
生活上の注意
薬で皮疹が出た時は、可能な限り原因となるお薬の名前と皮疹が出た時期を確認して、記録をします。アレルギーが確認されたら、自分だけでなく、家族にも知ってもらうために、(合わない薬の名前を記録したメモを)いつも持ち歩いて下さい。薬で治療が必要になった場合は、自分はどのお薬が合わない、または使えないかをはっきり医療関係者に伝えることが大切です。
慶應義塾大学病院での取り組み
アレルギー外来で薬剤の原因検索を行い、必要に応じて入院してさらに進んだ薬剤検査を行います。
文責:
皮膚科
最終更新日:2017年3月1日